今日、フジテレビ系列(関西では関西テレビ)で、こんな番組が放送されているようですね。

金曜エンタテイメント特別企画『家族たちの明日 尼崎列車事故から1年』

題名からも分かるとおり、昨年4月25日に発生したJR宝塚線(福知山線)の事故を再現したドラマです。

日頃、マスコミが「事故の被害者の心の傷はまだ癒えていない」とか言っていますが、こんな番組を見せられた事故の被害者はどう感じるでしょうか?
いくらすばらしくドラマを作ろうが、心の傷を癒すどころか、逆に治りつつあった心の傷を更に広げる事は容易に想像できるでしょう。

被害者に事故を思い出させないために、JR西日本は決して少なくない費用を投じて207系の塗装を変えました。
事故の当事者であるJR西日本がそれくらいの配慮をしているのにもかかわらず、当事者以上に、世間に対するアピール力の強いテレビが、あえて今の時期に、どうしてこんな逆効果な番組を放送するのか?意図が分かりません。

取材に応じた遺族は趣旨を理解しているのかも知れません。でも、取材に応じた遺族の理解だけで、こんな番組を作っていいものかどうか。
取材の範囲外の遺族の心情を想像すれば、こんな番組を作るような意思決定は出来なかったはずです。