このニュースはこちらの乗車記録でも記したように、タイミング良く(良く、と言っていいのかどうかは微妙なところですが・・・)神戸空港ターミナルで聞きました。

神戸空港のJALカウンターでは、報道カメラマンが数人いて、乗客のチェックインの姿を撮影していました。

神戸空港JALカウンター
撮影するカメラマンを撮影。どこの新聞会社かはよく分かりませんでした。
神戸新聞、という可能性も高いのですが、神戸空港からの撤退をJALが表明していることもあり、全国紙のカメラマンという可能性もあります。

その後、神戸・関空ベイシャトルで関空に向かい、関空旅客ターミナルのJALカウンターでは会社更生手続き開始のお知らせとお詫びが掲示されていました。
JAL会社更生お知らせ(関西空港)
関西空港旅客ターミナルの国内線JALカウンターに掲出されていたお知らせ

また関西空港では、NHKのカメラマンがおり、LCDスクリーンに映し出される会社更生手続き開始のお知らせを撮影しようと、タイミングを図っていました。

関西空港JALカウンター
カウンターを撮影するテレビカメラマンを撮影。こちらはNHK。

この2空港に関する限り、「メディアスクラム」とうい状況でもなく利用者の迷惑になるような撮影でもなかったようでしたが、個人的には、ターニングポイントの場面に図らずも出くわしてしまった、というのが実感でしょうか。

株式会社企業再生支援機構による支援決定及び会社更生手続の開始決定等に関するお知らせ(日本航空プレスリリース)
今回の会社更生手続きの骨子としては、これまでどおりの運行を続けながら再建を図るとしています。
気になる点は幾つも出てくるのですが、とりあえずJALマイレージバンクについて、上記プレスリリース内で以下の通り記されています。
2.商取引債権の保護等について
(2)顧客マイレージの保護

当社らのマイレージプログラムは、多くのお客さまにご愛顧いただいており、営業上も多大な貢献をしており、当社の事業価値を維持するために必要不可欠ですので、会社更生手続においても、顧客マイレージを保護するよう要請しております。

私自身はかなりのJALのマイルを保有しているだけに、気になるところですが、ひとまず保護の方向になりそうです。ただ今後、再建の途上でマイルの取り扱いがどうなるかは未知数なところもあり、そうなるとなるべく早く消化しておく必要もあるのかも知れません。

現在のJALは、JASを経営統合したという経緯もあり、離島等の生活路線を抱えています。JAL本体では東京・大阪・鹿児島〜奄美大島や鹿児島〜徳之島。グループのJTA(日本トランスオーシャン航空)やJAC(日本エアコミューター)は、設立の趣旨が離島路線の運行確保ということもあり、こういう生活路線を多数抱えている構図となっています。
今回の会社更生はJAL本体3社となっており、JTAやJACは対象とはなっていないものの、JALグループとして一体のブランド・予約・運行となっているため、今回の手続き開始で受ける影響は決して少ないとは言えません。
JALの再建では、不採算路線の見直しという点も挙げられますが、そうなると、これらの離島の生活路線がどうなっていくのか。
不採算だからと言って、本土間の路線と同じように切り捨てるわけにはいかないのは明白である一方、赤字が恒常的に発生している路線を他の高収益路線の利益でカバーする「内部補助」の論理がもはや通用する段階ではないことも、これまた明らかです。また、国民の税金を投入してJALを再建していくことからも、こういうシビルミニマムを確保するための路線は優先的に運行するべき、という意見もあるでしょう。

こういう切り口からでも色んな意見が考えられることからも明らかなように、ただ単に一企業の破産・再建という問題以上に、日本の空の公共交通をどう再構築するか、という重たい課題にまで発展するのではないか、と思ったJALの破綻のニュースでした。

このニュースは、私自身がJALマイレージバンクの会員でもあることから、引き続き再建の推移をチェックしていきたいと思います。