和歌山県有田郡有田川町には、かつて有田鉄道というローカル鉄道がありました。
紀勢本線(きのくに線)の藤並駅から有田川に沿って金屋口まで至る全長kmのミニ路線でした。

この地域は有田みかんの産地と言うこともあり、このみかんの出荷のために建設された鉄道路線でしたが、みかんの輸送はトラックへ移り、旅客も自家用車への移転が進む中、列車本数は減少していき、末期には一日二往復(日祝日運休)という状況でした。

平成15年12月に廃止となり、その後跡地の利用が検討された結果、今年の3月に「有田川鉄道公園」として再整備され、その中核施設として「有田川町鉄道交流館」が開業しました。
今回、他の目的地へ向かう途中に立ち寄る機会があったので、訪問してみた次第です。
P9174302



公園の入口にはD51形蒸気機関車が保存されています。
P9174303

このD51は、元々藤並駅の近くに保存されていたものですが、この公園が整備されるのを期に移設されました。

芝生の公園を歩き、交流館に到着します。
P9174304


交流館前には有田鉄道で活躍したキハ58系が保存されています。
CA3F1018

どうやら自走可能な状態で動態保存されているようで、月一回のペースで実際に走らせるイベントが開催されているようです。
(参考リンク:最新情報(有田川町鉄道交流館Webページ)

車内に入ってみると、かつてのキハ58系の雰囲気そのままとなっています。
CA3F1019

CA3F1021

CA3F1022
灰皿・ミニテーブル、そして「栓抜き」。
当時の急行形車両のスタンダードでした。

ちなみにこの有田鉄道のキハ58ですが、元々は富士急行が国鉄のキハ58系の急行列車と併結することを目的として製造しましたが、電車化により用途がなくなり、有田鉄道へ譲渡されたという経緯を有しています。
その後、有田鉄道ではレールバス導入までの間、主力車両として活躍してきました。

キハ58系の見学を終えて、鉄道交流館へ入場します。入場料は200円ですが、当日再入場が可能です。

交流館内のメインの展示は、2つの鉄道模型レイアウトです。

一つはNゲージのレイアウトで、これは現在の有田川町をイメージしたレイアウトで、町役場を始めとした有田川町の公共施設や観光施設がNゲージのスケールで再現されていますし、路線配置も複線のきのくに線をイメージした路線に藤並駅から分岐する有田鉄道線、そして空想の世界ではありますが新幹線がこのあたりを走っているということで別線が敷かれていました。
P9174307

P9174311
現在の藤並駅駅舎を再現

P9174308
有田川町役場吉備庁舎

CA3F1029
レイアウト中央部には阪和自動車道が走っているのも、有田川町の実際をイメージしているといえます。

もうひとつはHOゲージのレイアウトで、こちらは営業していた時代の有田鉄道線を再現したもの。
CA3F1023

藤並駅・金屋口駅は勿論のこと、途中の駅も忠実に再現しています。
CA3F1024

車両に関しても、ハイモ180やキハ58系は勿論のこと、それ以前に活躍していた車両も金屋口駅に停車しています。
CA3F1025


このように、有田川町の施設ということもあるのですが、有田川町あるいは有田鉄道線をテーマにしたレイアウトということで、地元の人ならずとも見入ってしまうことはまず間違いないのかな、という出来栄えでした。

その他、館内には有田鉄道関連で当時使用されていたグッズ等が展示されていました。

また、橋上駅舎に建て替えられる前の湯浅駅の駅名票も展示されていました。
P9174318

館外に出て、再び留置されている車両を見学します。

P9174325
奥の車庫に止まっているのはハイモ180。廃線の時まで走り続けた車両です。
車庫に留置されているということもあり、こちらの車両もキハ58と同じく自走可能のようです。

P9174323
キハ605。こちらの車両は紀州鉄道より譲渡された車両とのことです。

P9174322
ディーゼル機関車。

P9174324
無蓋車と貨車。

開館してまだ半年、ということもあるのでしょが、車両の整備が行き届いていると感じました。
P9174334

キハ58も、単に展示しているだけでなく車内を開放して見学ができるようになっていたり動かすことができるのは、やはりこの鉄道公園の魅力といえるでしょうか。
いずれキハ58系も過去の鉄道を伝える文化遺産として価値が出てくるでしょうから、そういった車両を永続的に保存・展示していくことで、この地にかつて鉄道が走っていたことを伝えていくことができればいいな、と思いました。

そのためにも私自身もこの交流館を定期的に訪問し、また実際の動態保存車両の走行イベントがある際には何かの機会を見つけて見に行きたいと感じた訪問でした。

参考Webページです。
有田川町鉄道交流館
有田川町鉄道交流館長のブログ

にほんブログ村 鉄道ブログへ
にほんブログ村