既にこのブログでも幾度も取り上げてきた「響け!ユーフォニアム」。

北宇治高校吹奏楽部を舞台とした青春ストーリーとして、原作の小説からアニメ化、そして劇場版の公開とそのコンテンツは広がっていっていること、そして吹奏楽と、舞台となる京都府宇治市周辺とそこを走る京阪宇治線の様子を再現したアニメ・映画の完成度といった点で、このブログでも高い評価をしてきたところです。

この「響け!ユーフォニアム」ですが、こちらのエントリーでご紹介したように、この9月30日から劇場版の上映が、そして2018年には完全新作のストーリーの劇場版が公開されることが発表されており、特に完全新作のストーリーの核となる、主人公達の進級後の姿が気になるファンは多いことと思われます。

そんな中、その主人公達の進級後のストーリー、すなわち黄前久美子(おうまえくみこ)達が二年生となったストーリーの原作本が、この度発売されました。
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響け!ユーフォニアム 北宇治高校吹奏楽部、波乱の第二楽章 前編 (宝島社文庫 Love & Entertainment) [ 武田綾乃 ]
響け!ユーフォニアム 北宇治高校吹奏楽部、波乱の第二楽章 前編 (宝島社文庫 Love & Entertainment) [ 武田綾乃 ]

内容紹介は、以下の通りとなっています。
新年度を迎えた北宇治高校吹奏楽部。二年生となった久美子は、一年生の指導係に任命される。
低音パートに入ってきたのは、ユーフォニアム希望を含む4人。
希望者がいたことにほっとする久美子だったが、低音の新入部員たちはひと筋縄ではいかないクセ者だらけだった。
新しい体制となった北宇治吹部は、はたして無事コンクールを迎えることができるのか!?


私自身も、発売直後に早速購入し、まずは一回読んでみましたので、簡単に感想を記しておきたいと思います。

※注意
以降は原作本の内容が記されている、すなわち「ネタバレ」となる内容です。
本書をまだ読んでいない方など、当作品についてのネタバレを望まない方は、他のページに移っていただきますようお願いいたします。













今回は「前章」ということで、新年度(久美子らが二年生)の新学期から、コンクールに向けてのオーディションの結果発表までの時間軸でストーリーが展開されています。

その間、吉川優子(トランペット)部長、中川夏紀(ユーフォニアム)副部長の体制での新年度スタート、新入生入部、サンライズフェスティバル、そしてオーディション、といった行事や、日頃の練習、その間の人間模様を余すところなく描いています。

このネタバレ部分を読んでいる方は、登場人物やストーリーといった基礎的な情報はご存じの上で、個人的に気になった、注目したところを、キーワード的にご紹介したいと思います。

●黄前相談所
1年生の指導係に任命された黄前久美子(ユーフォニアム)。
そのせいもあってか、後輩から相談を持ちかけられる場面が出てきます。
後輩からはいつしか「黄前相談所」とも呼ばれるようになった相談対応から垣間見える久美子の成長ぶりを感じたりしました。

●川島緑輝に心酔する後輩、月永求
前年度は唯一のコントラバス担当だった川島緑輝(かわしまさふぁいあ、コントラバス)にも後輩が入ってきます。
月永求(コントラバス)という男子で、龍聖学園から北宇治高校に入学したとのことですが、当初は無気力で取っつきにくい求でしたが、緑輝の腕前を前に、求は緑輝に対して「弟子にして下さい!」「(指導を受けて)ありがたいお言葉です」「僕にとって、緑先輩は特別なんです。…こう、神様みたいな」等々、完全に心酔してしまいます。
その心酔の度合いは、「猫と言うより忠犬」というレベルのありようで、一方他の部員に対しては相変わらずの無気力ぶりというコントラストが、読んでいて面白く感じました。

一方、求の出身校の龍聖学園は、顧問が新しくなったこともあり、今年度のダークホースとも言われているだけに、今後のストーリー展開でどのように絡んでくるのか、気になるところですが、これについては、後述でご紹介する後編で明らかになっていくのでしょうか。

●オーディション、低音を厚くした?
今巻の最後はコンクールのオーディション発表で終わります。
低音パートのコンクール出場メンバーは、ユーフォニアムは夏紀、久美子、1年の久石奏の3名、チューバは後藤卓也(3年)、長瀬梨子(3年)、鈴木美玲(1年)の3名、コントラバスは緑輝、求の2名の計8名となっています。
昨年のコンクール出場はユーフォニアム2名、チューバ2名、コントラバス1名の合計5名のことを考えると、かなり厚くなっている印象です。
加えて、ユーフォニアムが3名全てコンクールメンバー入りというのには、滝先生の何か考えがあってのことなのか、これまた後編で明らかになっていくのでしょうか。

●滝先生、あまり出番がない?
さてその滝先生ですが、今巻においては、ほとんどといってもいいくらい出番がなかったのが印象的でした。
北宇治高校吹奏楽部を全国大会出場に導くための滝先生の指導と、それに対する部員の反応を描くのに相応の分量が必要だった前年度のストーリーに比べると、それが当然となった今年度の北宇治高校吹奏楽部では、改めて描写する必要がないのかな、といったところでしょうか。
ただ、コンクールの練習が進むにつれ、滝先生がどのような指導をしていくのかは、後編のお楽しみといったところでしょうか。

●久美子と秀一の関係描写は、本作ではあくまでサブメニュー的な存在?
アニメ版では描写はまだなのですが、原作本では交際していることになっている、久美子と塚本秀一(トロンボーン)。
ただこの二人、吹奏楽部内ではなるべく接触を控えていることもあり、二人きりの場面が限られたものになっています。
しかも、二人きりになれる最大の場面の一つである「あがた祭り」においては、秀一は久美子に高坂麗奈(トランペット)と行かなくていいのか、と逆に確認される始末…
とはいえ、これも、久美子にとっての麗奈の存在がどのようなものか、秀一が理解している上での言動、といえば、納得の言動、といえるでしょうか。
ともあれ、この点に関しては、あまり多くの描写はありませんが、それでも高校生時代の初々しいカップルの姿を垣間見せるところは、漏れなく描写されているなと感じました。




取り留めもなく、また気のついた上で比較的まとめやすいところをピックアップした感想となりましたが、このストーリーを元に劇場版でアニメ化されるとなると、その描写もこれから待ち遠しいところです。
特に新入生の各キャラクターがどのように描かれるのか、という点が注目でしょうか。
新入生のうち、ユーフォニアムの奏は表紙のイラストにも描かれているので、このようなイメージになるのでしょうか、その純朴さと裏腹のキャラクターぶりに、これまたアニメ作中では注目が集まったりするのでしょうか。

今作は「前編」とあるように、続きは「後編」でのお楽しみで、発売予定日は2017年10月5日となっています。
後編が発売されれば、また読んでみて、感想を記していきたいな、と思っています。

久美子達が二年生となり、また部長の優子と副部長の夏紀がどのような部活運営をしていくのか、新入生はどんな生徒なのかが気になっていましたが、それらの高い期待を裏切らず、否、高いレベルで物語を進めたという意味では、今後の展開にも十分期待したいな、と感じた一冊でした。



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