こちらのエントリーでもご紹介したように、先週末に接近した台風21号による豪雨で、南海本線の樽井〜尾崎間で、線路の歪みが生じ、運転見合わせが続いています。

この区間について、現在は難波〜樽井、尾崎〜和歌山市間で折り返し運転の実施、樽井〜箱作間のバス代行輸送、JR難波〜天王寺〜和歌山〜和歌山市・鳳〜東羽衣、日根野〜関西空港の各区間でのJR線による振替輸送が実施されています。

日頃から通勤・通学の利用も多いこの区間が運転見合わせとなっており、振替先の阪和線では全般に混雑が激しくなっていること、また、バス代行輸送では、混雑時には長い待ち時間が発生していることから、早期の復旧が望まれているところですが、被害の大きさが故に、運転見合わせが長期化することは避けられない状況となっています。

そんな中、本日南海電鉄より、同区間の運転再開の見込みが発表されました。

南海本線・樽井駅〜尾崎駅間の運転再開の見込みについて|南海電鉄

上記発表によれば、上り線の橋梁について健全度調査などを実施し、安全性が確保されていると判断できることから、上り線を使用した運転再開を目指しているとのことです。
今後、台風22号の影響などを見極めながら、試運転などを実施し、早期に運転を再開する予定で、運転再開が決定次第、改めて発表するとのことです。

単線運転による運転再開方法(予定)としては、和歌山市発難波行き、難波発和歌山市行きの普通列車(一部朝・夕以降の区間急行)を概ね30分間隔で運行することとしています。
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単線運転による運転方法
(上記南海電鉄発表資料より引用)

なお、他社線への振替輸送等は継続して実施することとしています。

なお、上下線による運転再開の見込みについては、仮復旧に向けた準備工事に着手しており、約1ヶ月程度を要する見込みとしています。

その他詳細は、上記発表資料をご覧下さい。


台風21号による豪雨で、樽井〜尾崎間の橋梁に被害が生じ、相当な期間がかかるものと思われていました。
また、見かけ上歪んでいないように見える下り線でも、豪雨の影響がないとは限らないこと、また、被害がなかったとしても、下り線による単線運転がすぐに可能なのか、設備面の問題もあり、即座に対応が難しいのかな、とも思っていました。

一方で、今回の運転見合わせにより、南海線でこの区間の利用者が代行バスや阪和線の代替輸送を利用せざるを無いことから、通常よりも相当早い時間から出かける必要があること、また周辺道路や、振替輸送の受け入れ先である阪和線では相当の混雑が発生していることから、単線でも復旧できないか、という要望は普通に考えられることで、現に多くの利用者が影響を受けている和歌山市長が単線による運転再開を求めることを明らかにしていました。
ABC WEBNEWS|【和歌山】南海一部不通 和歌山市長が再開申し入れへ

そんな中、南海電鉄から単線による運転再開が発表され、現状の代行バスと阪和線代替輸送による、不安定で影響の大きい状況は少なからず改善されることとなります。


かくいう私自身も、今回の南海線運転見合わせにより、少なからず影響を受けていまして、朝の7時台(和泉鳥取駅)の列車は軒並み混雑が激しくなり、既に乗車もままならない状況となっています。
もとより立席も多い時間帯でしたが、それに加えて南海線からの振替利用者も乗車していることから、あわや積み残しも発生するのでは、というくらいの混雑状況となっています。

流石に夕方〜夜の和歌山発は、乗り切れないということはないのですが、明らかに利用者が増えている状況で、通常は立席が発生しないはずの列車で立っている人が多く見られたりしています。

全体的にみれば利用者があまり多くない和歌山方面でこの状況なので、逆に天王寺方面でみると、相当な利用者数となっていて、混雑が激しくなっているものと思われるだけに、単線とはいえども運転が再開されることは、阪和線ユーザーとしてもやはり嬉しい話といえます。

今週末にも接近の見込みの台風22号の影響もあり、即座の単線による運転再開とまではいきませんが、被害が拡大することなく、単線による運転再開が順調に進むことを、今は願いたいところです。

一部不通の南海本線、単線で早期再開へ…複線再開は1カ月程度先に | レスポンス(Response.jp)
南海本線は単線で運転再開へ、日豊線の復旧は年末予定: たべちゃんの旅行記「旅のメモ」
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