JR西日本に続き、2018年(平成30年)春のダイヤ改正の内容を取り上げるのは、JR九州です。

平成30年3月にダイヤを見直します(福岡・佐賀エリア、新幹線・特急列車時刻表)
平成30年3月にダイヤを見直します(長崎エリア)
平成30年3月にダイヤを見直します(大分エリア)
平成30年3月にダイヤを見直します(熊本エリア)
平成30年3月にダイヤを見直します(宮崎エリア)
平成30年3月にダイヤを見直します(鹿児島エリア)

ご覧になって分かるとおり、「ダイヤ改正」ではなく「ダイヤを見直します」となっています。
「改正」ではなく「見直し」という言葉を敢えて使っているところからおおよそ予想はつくかと思いますが、今回の見直し内容は、相当の列車本数等の削減を伴うものとなっています。
そのボリュームも、各エリアごとの資料提供となっているところから、結構な規模になっている模様です。

まず前半では、特急列車の見直し内容を中心に見ていきたいと思います。
●新幹線
・「さくら」「つばめ」の一部列車運転見直し

●特急「ソニック」
・早朝・夜間の運転区間見直し

●特急「かもめ」「みどり」
・一部列車の臨時化により、博多〜長崎間で1時間あたり1本運転の時間帯を拡大
(上下各2往復の臨時化)
・夜間の博多〜佐賀間の1往復、長崎発諫早行きの1本(平日のみ運転)の運転取りやめ
・早岐〜佐世保間で乗車券のみで利用可能に(指定席利用の場合は520円、グリーン席利用の場合は770円別途要、博多方面から通し利用の場合は追加不要)

●特急「有明」
・平日朝通勤時間帯の一本(大牟田6:43発→博多7:37着)のみ運転
(現行下り3本、上り2本)

●特急「きらめき」
・データイムの運転を見直し
(博多9時台〜15時台の4本、小倉10時台〜17時台の5本を取りやめ)
・博多0:10発小倉行きを、毎日運転から、土曜・休日の前日の運転に変更

●特急「はやとの風」
・毎日運転から、利用者が多く見込まれる日に運転へ



以上のように、在来線特急列車を中心に、大幅な見直しが行われることが分かります。
後からご紹介する快速・普通列車でもそうですが、特に早朝・深夜時間帯の本数削減、区間短縮が多く見られるのですが、特に気になるポイントとしては、
・「有明」の上り一本のみの削減
・「きらめき」の昼間時間帯の廃止
・「はやとの風」の運転日削減
・「みどり」早岐〜佐世保間のみの自由席利用は料金不要
でしょうか。

「有明」については、九州新幹線全通まで、博多〜熊本間を中心とする特急列車の愛称として、国鉄時代から親しまれてきました。
九州新幹線全通後も、朝夕の通勤ライナー的な性格でこれまで運転されてきましたが、この期に及んでただの1本のみの運転の時代を迎えるとは、かつての「つばめ」運行前に30往復以上も「有明」が走っていた時代を考えると、まさか、と思わざるを得ないな、と感じました。
それにしても、上り1本のみとするのなら、車両を大牟田まで回送する必要がありますが、これを営業運転すればいいのではないか、という声もあり得るんでしょうが、これは逆に、車掌を乗せて営業運転するほどの利用者が見込めない、ということが既に明らかとなっていることの顕れかも知れません。


一方「きらめき」は、博多〜小倉間で、「ソニック」とともに1時間あたり3本の特急サービスを提供してきましたが、利用率が芳しくないこともあってか、今回見直しの対象となりました。
この昼間の「きらめき」については、こちらのエントリーでかつてご紹介したように、2012年夏の電力不足時の対応として運休となったことがありました。
電力不足時の対応として真っ先に運休対象となったことから分かるように、当時から利用率が低い状況が続いていたことが分かりますが、その後5年以上経っても改善されることはなかった模様で、今回運転取りやめの措置が取られることとなりました。


加えて「はやとの風」ですが、これは、いわゆる「D&S列車」と称される、JR九州の看板とも言うべき観光列車の一つでありましたが、毎日運転では利用者の少ない日もあった模様で、今回週末等の利用者の多い日に運転が限定されることとなりました。

このはやとの風ですが、私自身も下記のエントリーで、2014年2月に嘉例川〜吉松間で乗車したことがありました。
観光特急「はやとの風」に乗車する : 阪和線の沿線から
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大隅横川駅に停車中の「はやとの風」(2014.2.26)

この日は週半ばの平日だったように記憶していますが、その時で乗車率が4割ほどと、あまり高くなかった訳ですが、当時で既に運行10年、更に4年経った今となると、やはり目新しさが薄れてきているのは確かかも知れません。
加えて、「はやとの風」に使用している車両は国鉄から継承したキハ40系を改造したものであり、車両寿命の点からも毎日運転が厳しくなりつつあるのはないか、とも推測されます。


一方「みどり」の早岐〜佐世保間については、この区間のみを自由席で利用する場合に乗車券のみで利用できることとなりました。
言わば現在の「にちりん」「きりしま」の宮崎〜宮崎空港で行われるものと同じ制度が適用されるわけで、同区間の利用者にとっては料金不要で使える列車が増えることから、今回の改正では数少ない「改正」点といえるかも知れません。


このように、特急列車だけでも言及する点の多い、今回のJR九州のダイヤ見直しですが、次のエントリーでは、こちらも大幅な見直しが実施される快速・普通列車の見直し内容についてみていきたいと考えています。




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