近畿日本鉄道(近鉄)では、大阪と名古屋を結ぶ次世代の特急として、「新型名阪特急」を新造することを発表しました。

新型名阪特急 2020年春デビュー! |近畿日本鉄道

上記発表資料等によれば、詳細は以下の通りとなっています。

・運行開始予定:2020年春(予定)
・運行区間:大阪難波〜近鉄名古屋間
・新造両数:6両編成×8編成、8両編成×3編成の計72両
・投資額:約184億円
・車両概要
(1)車両編成
6両編成定員・・・239人(ハイグレード車両2両、レギュラー車両4両)
8両編成定員・・・327人(ハイグレード車両2両、レギュラー車両6両)

(2)外観デザイン
先進性でスピード感あふれる形状、カラーリング。
カラーリングは、透明感のある深い赤。
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イメージ図(上記発表資料より引用)

(3)先頭車両(ハイグレード車両)
・全席3列シート
・大型ガラスで見晴らしの良いハイデッカー構造
・本革を使用した座席、前後幅は日本最大級の130cm(アーバンライナーより25cm広く確保)
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ハイグレード車両車内デザイン(上記発表資料より引用)

(4)中間車両(レギュラー車両)
・全席にバックシェルを設置
・座席前後幅は116cm(レギュラー席として近鉄では最大)
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レギュラー車両車内デザイン(上記発表資料より引用)

(5)その他の特徴
・インバウンド対応強化(荷物置き場設置、無料Wi-Fi提供、車内表示器の多言語対応)
・座席以外でくつろげるユーティリティスペースを設置
・紫外線、赤外線をカットする大型窓を採用
・全席にコンセント設置


その他詳細は、上記発表資料等をご覧下さい。


近鉄の名阪特急として君臨する「アーバンライナー」も、登場してはや30年になろうとしています。
登場当時の斬新なデザインと、大阪難波〜名古屋の2時間を過ごすのに丁度いい快適な車内設備は、現在でも高い人気を誇っています。


今回の新型名阪特急は、そのアーバンライナーを礎に、更なる進化と大きな転換を見せた新型車両、といえるでしょうか。

まず「大きな転換」で特徴的なのは、外装デザインでしょうか。
アーバンライナーの白地とオレンジの塗色が、今回の新型名阪特急では深い赤色と、大きくイメージチェンジします。
赤色の近鉄特急というのはあまりにも想定外のようで、ファンの間でもこれまでの名阪特急とは異なるイメージの転換に戸惑いを見せる意見も垣間見えますが、元来この赤色一色というのは、近鉄の一般型車両の塗色だった時期もあったので、そういう意味で懐かしく感じる方もいらっしゃるかも知れません。

一方の「更なる進化」は、車内の設備に感じられました。
6両ないし8両編成は現行のアーバンライナーと同様ですが、ハイグレード車両が2両連結となっているのが特徴の一つといえるでしょう。

現行のアーバンライナーはデラックスシート車が1両なので、上級クラスの車両が増えることとなり、よりゆったり移動したいニーズに広く対応できることとなります。
また、ハイグレード車両については、座席からの眺望も良く、特に先頭席は前方からの眺望を楽しむことができる、ファンにとっても垂涎の座席となりそうです。

また、今回の新車では「ユーティリティスペース」が6両編成で2ヵ所設けられますが、名阪間約2時間の乗車時間の間、座席以外の場所で気分転換したいというニーズも決して少なくないと思われますが、そういった利用者のニーズにも対応した車両となっているといえるでしょうか。

その他、全席コンセント設置についても、最近の新型車両では標準的な設備となっていますが、ビジネスでの利用も一定割合ある名阪特急においては、待望の設備の一つともいえるでしょうか。


アーバンライナーの登場から30年。そろそろ新型の名阪特急が登場してもおかしくないな、という時期に満を持して発表された今回の新型車両。
2020年春の運行開始が楽しみなのは言うまでもありませんが、同時に現在名阪特急で運行されているアーバンライナーの各車両がどのように転用されるのか、といった点も気になるだけに、今後の発表に目が離せないな、と感じたニュースでした。


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