和歌山県では、来年度の当初予算案について、知事が直接担当課から事業の説明を受け、適切か否かを判断する「知事査定」が、昨日17日より始まりました。
和歌山県・当初予算案などの知事査定はじまる(写真付) | WBS和歌山放送ニュース
和歌山県内ニュース 県の来年度予算案の知事査定始まる│テレビ和歌山
主要事業の知事査定始まる 和歌山県当初予算案編成/AGARA 紀伊民報

知事査定の対象となるのは、県の長期総合計画に基づいた新年度事業等の重要な事業についてで、担当課が知事に対して事業の目的や内容、予算額などの説明を行うものとなっています。
この知事査定は毎年度実施されているわけですが、今回敢えて取り上げた理由は、以下の報道内容から見ていただけると明らかといえるでしょうか。

初日のきょうは、企画部の「バスの利便性向上」事業の査定から始まり、担当部局の責任者らが知事室を訪れ、交通系ICカードの決済システムを県内の路線バスに整備することや、スマートフォンで路線バスの位置がわかるようにするシステムの導入などについて、仁坂知事や幹部職員らに説明しました。(和歌山放送)

初日の今日、県庁知事室では、仁坂知事や下宏副知事、財政課の職員らが出席する中、企画部の総合交通政策課が、路線バス事業者の交通系ICカードの導入などを支援し、バスの利便性を向上させるための事業について説明しました。(テレビ和歌山)

初日は、バスの利便性向上に向けた事業など企画部の6事業について査定した。一つは、乗車したいバスの待ち時間や現在位置を、スマートフォンなどで把握できる仕組み「バスロケーションシステム」。企画部の担当課長は「和歌山バス」に導入し、JR和歌山駅など6カ所にはデジタル標識を設置したいと説明した。

 また、鉄道会社のICカード乗車券がバスにも共通利用できれば観光客らの利便性が拡大するとし、19年度の導入に向け、18年度から調整を進めたいと要望した。(紀伊民報)



以上のように、知事査定の事業の例として報道されたのは、「バスの利便性向上」。
具体的には交通系ICカードの導入や、バスの現在位置をスマホ等で把握できるバスロケーションシステムの二本柱となっています。

現在、和歌山県内の路線バスで交通系ICカードが利用できるのは、奈良交通の八木新宮線のみとなっていて、和歌山市エリアの「和歌山バス」、高野山エリアの「南海りんかんバス」、白浜エリアの「明光バス」、熊野那智大社等のアクセスとなる「熊野交通」といった、県内の主要観光地でのアクセスとなる路線バスでは、交通系ICカードが軒並み使えない状態となっています。
加えて、この2月1日より、スルッとKANSAIの磁気カードが和歌山バス・和歌山バス那賀・南海りんかんバスの各社で利用が終了し、和歌山県内の路線バスにおいて、地域外の利用者が支払いに利用できるのは現金のみという状態となります。

他の地域では既に交通系ICカードの導入が進んでいるだけに、和歌山県内での導入が遅れているのは明らかと言わざるを得ないわけですが、一方、和歌山県内の事業者においては、他地域以上に経営が厳しく、交通系ICカード導入への設備投資もままならない状態が容易に推察され、おいそれと一筋縄にいかない状況であることも、これまた明らかであるといえるでしょう。

そんな中、来年度の和歌山県の事業として、交通系ICカード導入等のバス利便性向上が提案されていることは、こういった不便な状況を打開するという意味では朗報なのではないかと感じました。


上記報道記事では、スケジュールに関しては2019年度の導入とまでは記載されているものの、具体的にどの事業者の導入を想定しているのかは明らかにされていません。
今後、当初予算案の県議会での議決を経て、事業執行における過程でどの事業者で導入していくのかが明らかになるものと思われますが、私自身が毎日利用している和歌山バスでも、磁気カードの読み取り不良がよく見受けられることもあり、運行の円滑化の観点からも、早期の交通系ICカード導入を期待したいな、と思っています。

今後、本事業が予算化された際には、県内の事業者から交通系ICカード導入についてのアナウンスもあるでしょうから、その際には当ブログでも逐次ご紹介し、和歌山県内の路線バスを利用される方々に有益な情報を提供していきたいと思っています。


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和歌山県内のバスにICカード: たべちゃんの旅行記「旅のメモ」




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