JR北海道では、これまでご紹介してきたように同社単独では維持困難な線区について、その地蔵可能なあり方を地域と相談しているところですが、その中でも同社が「バス等への転換」を考えている線区の一つ、札沼線(北海道医療大学・新十津川間)における、同社が検討している新しい交通体系の内容について発表しました。

札沼線(北海道医療大学・新十津川間)の新しい交通体系の提案内容について|JR北海道

上記提案内容によれば、まず「基本的な考え方」として、地域の一緒になって鉄道よりも利便性が向上するような交通体系を実現したいという考え方を冒頭で記しています。

その新しい交通体系についてですが、北海道医療大学・新十津川間の利用は、月形高校(最寄り駅・石狩月形)への通学利用を除くと極めて少なく、既存のバス路線による石狩川対岸の都市への移動が大半であることから、以下の3区間に分けて考えることとしています。
なお、新しいバス路線等の整備については、地元事業者による運行のほか、国・北海道の補助制度を活用することを検討しているとともに、JR北海道として初期投資費用と運行経費について地元負担の一定期間支援を行うこととしています。

●石狩当別・石狩月形間
・新規バス路線の設定を行い、本数は現在の列車本数よりも増便
・新規バス路線は石狩当別駅発着とするが、鉄道とよりスムーズな乗り換えを可能とするため、北海道医療大学駅を接続駅とし、北海道医療大学〜石狩当別間の列車増便、北海道医療大学駅のバス乗換設備の充実を実施。

●石狩月形・浦臼間
・月形高校への通学輸送を含めた輸送手段を設定。
・現在平日のみの浦臼・奈井江間の町営バスを土休日も含めた毎日運行

●浦臼・新十津川間
・鉄道利用は極めて限られたものであり、沿線利用者は既存の北海道中央バス滝川浦臼線を利用していることから、既存のバス路線を活用。
・新十津川から札幌方面への移動手段は、新十津川・滝川間の既存バス(中央バス滝川浦臼線の他に現状39本あり)を利用

その他詳細は、上記発表資料をご覧ください。

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石狩月形駅での列車交換の様子(2016.7.2)
当駅は、月形高校への最寄り駅となっています。

今回新しい交通体系が提案されている札沼線ですが、特に浦臼〜新十津川間は一日一往復(削減前でも一日三往復)と、元来僅少な本数であり、利用者もそれ相応に極めて少ないレベルとなっています。
また沿線の公共交通機関に対するニーズとしては、月形高校への通学利用の他は、札幌方面への移動といったものがあり得るとのことで、既存のバス路線もあることからこれらを活用した結果、今回提案されたような内容となったものと考えられます。

札沼線の当該区間については、こちらのエントリーでご紹介したように一度乗車したきりですが、その時の感想や、線区を取り巻く環境から考えてみると、やはりこのように、札沼線の電化区間、あるいは併走する函館本線との接続を図る形になるのかな、と感じました。

今後、この提案を元に、地域と協議を行っていくものと考えられますが、今回の提案内容に対して、地元がどのような姿勢を見せるかが焦点になるのかな、とも思います。
札沼線の当該区間については、石勝線夕張支線とは異なり複数の自治体にまたがることから、それぞれの地域の思惑もあって、利用者数の現実からやや乖離した鉄道維持論となっているように見受けられてきましたが、今回具体的な提案がJR北海道からなされた後、現実的な選択としてこの提案をどのように受け入れていくのか。
そういった結果も当ブログで追いかけていくようにしていきたいと感じています。







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