阪急電鉄・阪神電鉄・能勢電鉄・北大阪急行電鉄の4社(以下「阪急電鉄等」)では、ICOCA及びICOCA定期券を発売するとともに、同社等が発行する磁気カード「阪急 阪神 能勢 北急レールウェイカード」(以下「レールウェイカード」)の販売を終了することを発表しました。

阪急、阪神、能勢、北急におけるICOCAおよびICOCA定期券の発売について|阪急電鉄
「阪急 阪神 能勢 北急レールウェイカード」の取扱について|阪急電鉄

●発表の概要
・ICOCAおよびICOCA定期券の発売
発売開始時期:2019年春(予定)

・レールウェイカードの発売終了
2019年春に発売を終了
・レールウェイカードの改札機での利用終了
2019年秋に改札機での利用を終了


詳細は、上記発表資料をご覧ください。

●遂に阪急電鉄等でICOCAが発売へ
これまで阪急電鉄等では、ICOCAやICOCA定期券を発売しておらず、ICカードについては、PiTaPa及びPiTaPa定期券で、またプリペイドカードについては、「レールウェイカード」の利用となっていましたが、この度前払い式のICカードである「ICOCA」を導入することとなりました。

関西圏の他民鉄では、既にICOCA及びICOCA定期券の取り扱いが始まっているなか、阪急電鉄等では頑なに磁気カードを販売し続けるという、ある意味時代に逆行するとも思える施策が実施されてきました。

そこには回数券との乗り越しで利用するという一部利用者のニーズがあったとも言われていますが、それでは同じ関西圏でこれら4社と他社とでそこまでニーズが大きく違うのか、という疑問もかねてからありましたし、その点について下記エントリーでもご紹介したとおりです。


結局のところ、関西民鉄の雄・阪急電鉄が、国鉄民営化で誕生したJR西日本という、いわば後進の事業者が発行するICカードを取り扱うのは受け入れ難いという、単なるプライドの問題であった、と思われても仕方のない展開だったのかな、とも思わずにもいられません。

とはいえ、やはり前払いICカードの販売開始へのニーズが高く、「他社では発売しているのになぜ阪急等だけでは買えないのか?」というもっともな疑問や要望も多かったのでしょうか、ここに来てICOCAの発売という大きな方針転換を迎えた、節目となるニュースと言えるでしょうか。


●磁気カード「レールウェイカード」は販売開始からわずか2年で終了
今回のICOCA・ICOCA定期券の発売により、磁気カード「レールウェイカード」の発売及び改札機での終了も同時に発表されました。
この「レールウェイカード」、2017年4月に発売されたばかりで、ようやく1年経とうとしているところでありながら、早々に発売終了が発表されてしまいました。

本当に、一体何のために新たなデザイン等の費用を投じて「レールウェイカード」を新規に設定したのか、と聞きたくなるくらいの変わり身の早さ、と思われても仕方の無い展開なのかな、と感じた方も多いのではないのでしょうか。

そうなると、磁気カードコレクションとして「レールウェイカード」が購入できるのもあと1年程度しかないわけで、収集家の方には頭の痛い問題、といえるでしょう。

●これで関西大手民鉄各社で「ICOCA」が発売。ICカード利用率の向上も図られるか?
今回、阪急等でICOCA・ICOCA定期券が発売され、これまで磁気カードや磁気定期券を利用していた利用者がICカードに乗り換えることから、関西地区でのICカード利用率が上昇するのではないか、と思ったりしました。
過去の統計では、磁気カードがまだ普及していたこともあり、大都市圏では低い利用率であったというデータもありましたが。今回の阪急等でのICOCA等の発売により、それがどのように変化するのか、追々データが発表されれば、じっくり検証してみたいな、と感じたニュースでした。









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