こちらのエントリーでご紹介したように、昨年7月から関西空港〜洲本港(淡路島)間での航路を運航している淡路関空ラインですが、この度同路線の運航を2018年7月14日(土)より休止することを発表しました。

航路休止のお知らせ – 株式会社 淡路関空ライン

淡路島(洲本港)・関西空港航路を御利用いただき誠にありがとうございます。昨年7月より1年間、無事故運航をしてまいりましたが、弊社の都合により下記の期日より運航を休止いたします。お客様にはご迷惑をおかけいたしますが、1日も早い運航再開に向けて取り組みますのでご理解を賜りますよう、お願い申し上げます。

   記

運航休止日:平成30年7月14日(土)より
※7月13日(金)最終便まで運航致します。

上記Webサイト(http://ak-line.co.jp/?p=1608より引用、下線部は管理人による)



この航路ですが、昨年7月9日に運航を開始し、下記エントリーでは運航開始直後の様子を実際に乗船してご紹介しました。
淡路関空ライン(洲本〜関西空港)に乗船する(2017.7.14) : 阪和線の沿線から

この時乗船したのは、洲本18時05分発でしたが、乗客はわずか6名でした。
とはいっても、私が乗船したのが、比較的利用者のつきにくい洲本発の夕方の便であったことに加え、就航開始直後でまだ周知が行き届いていなかったであろうことから、今後の利用者増加に期待をしていましたが、やはり状況は厳しかったようで、運航開始後わずか1年にして休止ということとなりました。

今回の発表では「廃止」ではなく「休止」となっていること、また発表内容では「1日も早い運航再開に向けて取り組」むことが明記されていることから、状況次第での再開に含みを持たせた発表となっています。

このあたりの事情については、地元誌・神戸新聞が下記のように報じています。
同社(管理人注:淡路関空ライン)の吉村静穂会長は神戸新聞社の取材に「航路廃止とは考えていない。燃料費の高騰も足かせとなったので、現行より小型の船での運航など、3市(管理人注:淡路島内の洲本市・淡路市・南あわじ市の3市)と協議して再開の道を模索する」と話した。

2018年6月13日付け 神戸新聞Webサイト(https://www.kobe-np.co.jp/news/sougou/201806/0011349193.shtml)より引用。下線・太字は管理人による。


洲本港(兵庫県洲本市)−関西空港間の定期航路を来月で休止すると国土交通省神戸運輸監理部に届け出た淡路関空ライン(同)が15日、運航継続を視野に同部と協議を始めたことが分かった。乗客数低迷による経営難から事業存続をいったん断念したが、島内3市などからの強い継続要望を受け、早期の事業再開の道を探っている。

 現在使用している217人乗りの船から63人乗りの小型船に切り替え、便数を減らしての運航継続を検討している。小型船を定期運航する場合、現在の洲本港の設備では着岸が許可されないといい、事業再開の手法を同部と協議する。

2018年6月16日付け 神戸新聞Webサイト(https://kobe-np.co.jp/news/sougou/201806/0011358047.shtml)より引用。下線・太字は管理人による


上記報道によれば、運航再開の手法として、船舶のダウンサイジングと便数の削減による運航コスト削減が主眼となっていますが、一方で洲本港の設備では小型船の着岸が許可されないことから、その手法を神戸運輸管理部と協議することとしています。

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▲淡路関空ライン「まりーんふらわあ2」(2017年7月、洲本港にて管理人撮影)
定員217名は、需要に対して供給過大ではないかと感じましたが、小型船の着岸が洲本港では不可という理由があったとのことです。

私が乗船したときも、定員220名の船に10名に満たない乗客であったことから、どうしてこんなに大きな船をいきなり就航させたのか、少し疑問に感じたところはあったのですが、そもそも小型の船舶では就航自体が難しいというのがその理由だったとのことでした。

とはいえ、この一年間(正確には5月末までの11ヶ月間)の利用者数は約1万6千人だったとのことで、一日あたりで換算すれば約50人、一便あたりでは約5名という、船舶のサイズ云々以前に、航路を維持させるにはあまりにも少ない利用者数であったとのことで、仮に運航再開となったとしても、相当のテコ入れを行わないと、再び運航休止の憂き目に遭うことも容易に想像がつくのではないかとも思われます。

それだけに、運航再開したとすれば、更なる利用者拡大に向けた営業施策といった、路線を継続的に維持するための方策がどんなものになるのかが問われてくるのかな、とも感じたニュースでした。

関空−洲本間の航路廃止: たべちゃんの旅行記「旅のメモ」




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