南海高野線の浅香山駅から堺東駅にかけての区間では、市街地における踏切を除却して、踏切事故や交通渋滞の解消による円滑な道路交通の確保等を目的に、「南海高野線連続立体交差事業」が計画されています。

この度、堺市では、同事業の計画立案にあたり、環境アセスメント(環境影響評価制度)に基づき環境の保全のために配慮すべき事項についての検討を行い、その結果をまとめた「配慮計画書」を公表しました。

南海高野線連続立体交差事業の環境影響評価について 堺市

上記影響評価では、事業の目的・計画内容、周囲の状況、計画段階における配慮事項の調査、その評価の結果、そして総合評価をまとめたものとなっています。

この計画書はおよそ90ページの分量になるものですが、その中で注目すべき点は、高架化における複数案が提示されている点といえるでしょうか。

上記配慮計画書により、提示されている複数案(A案〜D案の4案)をご紹介したいと思います。
(以下、「南海高野線立体交差事業配慮計画書(要約書)」より引用)

planA
▲A案は、浅香山駅付近から浅香山7号踏切付近まで仮線を敷設し、堺東駅は2層高架とするものです。(工事期間:約13年)
堺東駅の北側を走る都市計画道路北公園布忍線が、地上の高野線をオーバークロスしているため、これを避けるために堺東駅の高さをより高く設計する必要があります。
(これはD案も同様)

planB
▲B案は、仮線区間はA案と同じですが、堺東駅を1層高架とするものです。(工事期間:約23年)
堺東駅の高さはA案・D案より低くなりますが、その代わりに都市計画道路北公園布忍線を地下化する必要があり、工事期間は4案の中で最長となっています。

planC
▲C案は堺東駅付近を地下化するものです。(工事期間:約20年)
地下化により、堺東駅付近の景観・日照障害等の環境影響は他の案より優れますが、地下への勾配途中となる浅香山5号踏切は通行ができなくなります。

planD
▲D案は、現在線より東側に高架を築造するものです。(工事期間:約11年)
(A案〜C案は、現在の線路上に高架または地下線を築造するものです)
仮線敷設区間が最短であることもあり、工事期間は4案の中で最短の約11年となっています。

(注:上記の工事期間には、用地買収は含みません)

以上の4案をもとに、工事期間中及び施工後の環境への影響を総合評価した結果、「A案及びD案が環境面及び経済面において優れた案であると評価」しており、一方、「(地下化の)C案については環境面の優位性が少なく、社会面及び経済面を考慮した総合的判断においても、採択の可能性は低いと考えられる」としています。
(カギ括弧内は配慮計画書より引用した箇所、太字及び下線、()内は管理人によるものです。)

今後、今回作成された配慮計画書をもとに、事業計画の決定、住民への説明、用地の取得、工事の着工と、高架化へのプロセスはまだまだ続きますが、今回の計画書で、A案またはD案が優れた案であることが評価されたことを踏まえると、高架化に向けての大まかなイメージがつかめてきたのではないかと思います。

すなわち、浅香山駅から堺東駅の先まで高架化されること、また、堺東駅は2層高架化(高さ約15m)となること、といった点は、実際完成した際には大きく変わることはないのかな、とも思われます。

とはいえ、工期については、最短のD案でも約11年ですが、その前に計画決定・地元説明・用地買収と言ったプロセスがあること、また用地買収では市街地であることから多くの地権者・関係者があることから、用地交渉等に多大な時間が必要となること等が考えられることを踏まえると、この立体交差が完成するのは、20年単位の時間がまだかかりそうな気はします。
果たしてその頃にはこのブログなんて存在しているのか、とまで考えなくてはいけない、まさに鬼も爆笑するくらい先のことかも知れません。

この堺東駅近辺ですが、管理人が高校生の頃、学校の最寄り駅だったこともあり、馴染みのある場所の一つなのですが、特に「開かずの踏切」となっている堺東1号踏切に引っかかり、遅刻する生徒もいたりと、この高架化による踏切の解消は、沿線住民にとって長年の悲願であった、とも考えられます。

また、この高野線が南北に走っていることから、堺東駅の東西の賑わいには大きな差があり、商店街・百貨店等の反対側である東口の雰囲気は、政令指定都市の玄関駅とは思えないくらいひっそりとしています。
(自動改札機も、スルッとKANSAI導入直前まで、かなり遅くまで導入されなかった記憶があります)

今回の高架化で、分断化された地域の一体化も進むと思われますが、個人的には静寂な東口の雰囲気が少しは賑やかになるのも、面白くもあり、また惜しい気持ちもありますが、何より高架化による踏切の解消で、母校の生徒が「開かずの踏切」による遅刻がなくなることは、何より喜ばしいなと感じています。

この高架化工事が完成するまで、本ブログが続いているのかどうか、それは管理人本人にも分かるはずがないのですが、上述のように高校時代の思い出もあるエリアなだけに、今後の計画進捗についても、逐次ご紹介していくことができればいいなと思っています。


南海高野線堺東駅付近の立体交差化について: たべちゃんの旅行記「旅のメモ」




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