JR四国では、予讃線・土讃線・高徳線で使用している2000系特急形気動車の老朽取替のため、新製していた2700系気動車の完成を発表しました。

【社長会見】2700系特急形気動車の完成について|JR四国

概要は以下の通りです。

●完成両数:
4両

●車両の主な特長:
・デザイン
2600系特急気動車を踏襲する、日本の伝統意匠をアレンジした’Neo Japonism(ネオジャポニスム)’をデザインコンセプトとし、安らぎと先進性を合わせ持つ特急車両。
特急列車が結ぶ香川−徳島・高知の地域性の表現を、カラーリングにも盛り込む。

エクステリアは、四国の豊かな自然に映えるディープレッドの車両とし、筆の流れに見立てた真紅の流線、「赤」から「金」への色彩のにじみ、「赤」と「緑」の残像配色で、”速さ”というエネルギーの軌跡を表現。

インテリアは、デッキの扉面やシートモケットに伝統文様をアレンジしたデザインを施し、徳島が育んだ「ジャパンブルー」、高知から望む太平洋の「オーシャンブルー」で彩る。

・客室設備
腰掛は、背もたれと連動して座面が前方にスライドするリクライニング機構を採用し、座り心地の向上を図る。
各座席にはコンセント・ドリンクホルダー・コートフック等を設置した他、モバイルパソコン等の利用を考慮し、テーブルの大型化を実施。

・車両性能
最高運転速度は130km/h

jrs_2700
▲2700系特急気動車の外観
(上記発表資料(http://www.jr-shikoku.co.jp/03_news/press/2018%2011%2026%2004.pdf)より引用)


その他詳細は、上記発表資料をご覧下さい。



JR四国の特急形気動車は、昨年9月に営業運転開始を発表した「2600系」の記憶が新しいところですが、その営業運転開始に際しては、2600系で採用した車体傾斜方式では、連続する曲線の多い土讃線では、空気バネ制御に多くの空気を消費し、空気容量の確保に課題があることが判明しました。
そのため、今後新製する特急形気動車では、2600系をベースし、車体傾斜方式をこれまでの実績のある振子方式を採用することとしていました。
参考:【JR四国】新型特急気動車「2600系」の営業運転開始を発表(H29.12.2〜)今後は振子方式の特急気動車を導入へ : 阪和線の沿線から

今回発表された2700系は、そこで触れられた「振子版2600系」の車両で、デザインコンセプト、接客設備は2600系のそれを踏襲しつつ、過酷な曲線環境である土讃線でも安定した走行が可能な振子車両として、新たな系式が付与されたものとなっています。

この2700系、下記産経新聞の記事によれば、来年秋の営業運転開始、その後2020年度までに合計40両を導入する計画で、順次2000系車両を置き換えていくこととしています。
参考:振り子式新型車両、2700系完成 JR四国、来秋に営業運転へ - 産経ニュース

既に営業運転開始して1年以上が経過している2600系で、接客上の問題はなく、また振子方式も実績ある2000系から受け継がれてきたものが採用されていることから、年明けからの試験運行でも安定した結果が得られるものと期待しています。


今後、2700系の本格導入となれば、現在土讃線を中心に運行されている2000系の姿も貴重なものになってくるものと思われます。
四国の鉄道高速化に大きな役割を果たした2000系「TSE」が登場したのが1989年、すなわち平成元年。
その大きな原動力となった振子方式の気動車の後継車両が、まさに平成の次の時代に登場してくる、というのも何かの縁なのかな、とも思ったりしつつ、2700系の試験運転、そして営業運転開始のニュースを心待ちにしたいな、と感じたニュースでした。



●関連ニュースサイト:
2700系特急形ディーゼルカー導入へ 2600系踏襲、全席コンセントに荷物置き場も JR四国 | 乗りものニュース
JR四国、特急形気動車「2700系」完成へ | 鉄道新聞

●関連ブログ:
JR四国、2700系特急形気動車導入へ - kqtrain.net(京浜急行)
JR四国、2700系を新製: たべちゃんの旅行記「旅のメモ」



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