豊橋鉄道(豊鉄)では、福井県の福井鉄道(福鉄)が所有する800形車両2両を譲受することをこの度発表しました。

800形車両の「増車」について|最新情報・お知らせ|豊橋鉄道株式会社

上記発表によれば、現在福鉄が所有する800形2両(802号・803号)について、豊鉄への移籍に関する合意に到ったとのことです。
なお、営業使用開始時期などの今後の予定については、追ってお知らせするとのことです。

詳細は、上記Webサイトをご覧下さい。


現在福鉄と豊鉄が所有するこの800形ですが、元々は名古屋鉄道(名鉄)が美濃町線等の代替のために、2000年に導入した車両でした。

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▲名鉄在籍時の800形。
美濃町線・関駅で撮影。

しかし、美濃町線を含むいわゆる「600V線区」は、同系列導入のわずか5年後に廃止となり、まだ十分使用できる800形の去就が注目されていましたが、結果福鉄に2両、豊鉄に1両譲渡されることとなりました。

譲渡後、福鉄では旧型車を置き換え、また低床車両の導入による併用軌道区間での乗降の利便性が向上することとなりました。

私自身も今から8年以上前の2018年8月に、福井鉄道福武線に乗車しましたが、その際にこの800形に乗車して、越前武生〜田原町を乗り通しました。

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▲越前武生駅で発車待ちの800形

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▲800形の車内
車両中央部に乗車扉があり、低床となっているのが特徴です。

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▲田原町に到着した800形


一方、豊鉄の800形についても、同じく2010年の8月に豊鉄市内線の乗車した際、赤岩口の引き込み線で停車していた800形を見かけたりしました。
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▲赤岩口駅構内で停車中の800形


福鉄の800形については、郊外から福井市内への流動も多いことから、その収容力の小ささが課題となっていたようで、当時もラッシュ時を避けた運用が行われていたようです。
その後、えちぜん鉄道との直通運転に対応した低床車両「F1000形」(FUKURAM)が投入されたこと、またそもそも直通運転を開始したことにより利用者が増加したことから、単車である800形では終日の対応が難しくなったという、これまた前向きな理由から運用から外され、この度豊鉄へ譲渡されることとなりました。

一方の豊鉄でも、導入時から最近までは、分岐点の急カーブが曲がれないことから、井原〜運動公園前の支線への入線ができず、運用が限定されていました。
しかし、2018年にはこの分岐点を曲がることができる工事が実施され、現在は同社の所有する800形は、運用の限定がなくなりました。

今回福鉄から譲渡される2両の800形についても、同様の工事が実施され、既存の1両とともに、豊橋市内線での活躍が期待されることとなります。


以上のように、数奇な運命をたどってきたともいえる800形ですが、今回の豊鉄移籍により、ようやく落ち着くところに落ち着けるのかな、とも思ったりしました。

今回のニュース、既に昨年末に発表されていたのですが、折からの多忙により、ようやくご紹介することができました。
その代わりといっては何ですが、名鉄・福鉄・豊鉄の各々の800形の画像をご紹介できました。
(名鉄時代の800形はパンタグラフが切れてしまっていますが…)

自分自身も、よくこれだけ記録が揃えることができる、珍しいニュースだな、と感じつつ、やはり旅先でも何気なく色々な記録をしておくことは大事だな、と改めて感じたニュースでありました。



●関連ニュースサイト:
豊橋鉄道,福井鉄道800形2両を譲受へ|鉄道ニュース|2018年12月27日掲載|鉄道ファン・railf.jp
福井鉄道、800形を豊橋鉄道に譲渡 - 鉄道コム



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