和歌山バス那賀では、2019年3月末をもって、那賀線の一部区間及び紀伊打田線の全線を廃止することを発表しました。

2019/2/28 【路線廃止のお知らせ】|和歌山バス那賀 | HOME

概要は以下の通りです。

●廃止する路線(系統)
・那賀線:
211系統(南海和歌山市〜八軒家〜那賀営業所前)
なお、南海和歌山市駅〜八軒家(213系統)および岩出〜那賀営業所前(15系統)間は4月以降も引き続き

・紀伊打田線:
43系統( F.B.T〜紀伊駅前〜川尻〜公立那賀病院)


詳細は、上記Webサイトをご覧下さい。




和歌山バス那賀では、ここ近年利用者が僅少な路線の減便・廃止が続いていて、このブログで取り上げただけでも、かつて全区間所要時間約100分という長大路線であった「橋本線」が区間短縮の上「那賀線」と改称されたりしており、集中と選択がかなり顕著に見られるような印象です。
参考:【和歌山バス那賀】橋本線・那賀営業所前〜橋本駅前間を廃止(H29.3.31)。片道約100分のロングラン路線に終止符 : 阪和線の沿線から

今回は、2013年8月に開業した「紀伊打田線」(F.B.T〜紀伊駅前〜公立那賀病院)が全廃される他、上記の「那賀線」のうち、八軒家〜岩出間の停留所が廃止となります。

まず「那賀線」については、廃止区間の前後となる213系統(南海和歌山市駅〜八軒家)と15系統(岩出〜那賀営業所前)は存続することとなります。
213系統は、和歌山市内の近郊輸送として多少の利用者があるようですし、また15系統は沿線の小学生の通学利用があることもあり、引き続き運行されるとのことです。
ただ、213系統に関しては、他の和歌山バス那賀の路線とは接続していない、離れ小島な存在となってしまうこともあることから、これとて今後の動向が気になるところではあります。


そして、今回全廃される「紀伊打田線」。
この路線は、下記エントリーでご紹介したように、2013年8月に、従来の路線バス空白地区を埋める形で運行開始した路線でありました。
和歌山バス那賀、8月1日に新路線開設 : 阪和線の沿線から

このエリアは、近年新興住宅もできつつある地域でもあることから、およそ1時間に1本程度のダイヤや、「紀伊粉河線」と定期券の相互通用扱いといった、新たな利用者の獲得の獲得に向けた積極的な施策に注目していました。

私自身、開業直後の2013年8月にこの路線に乗車しましたが、地域の人口等、利用者増加のポテンシャルはある地域であることから、路線バスの利用自体を根付かせるのが、この路線が成長する鍵になるのではないか、と記していました。
参考:8月1日に開業した和歌山バス那賀「紀伊打田線」に乗車する : 阪和線の沿線から


その後の経過を見ると、徐々に減便を重ね、今や平日のみ1往復(公立那賀病院朝発、F.B.T夕方)のみとなっている状況を見ると、やはりこの沿線の利用の定着には至らなかったのかな、と評価せざるを得ないのかな、と感じました。



以下は、2013年8月の開業当初に乗車した「紀伊打田線」の画像です。
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▲紀の川市役所で撮影した和歌山バス那賀の紀伊打田線。

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▲紀の川市役所停留所
コミュニティバスの発着は続きますが、路線バスの発着はこの系統のみなので、今回の路線廃止でこのような停留所も見納めとなります。

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▲紀の川市役所本庁舎と和歌山バス那賀のバス停。

紀伊駅と紀の川市役所を、ダイレクトに結ぶ系統でありました。
正直もう少し利用が多くてもいいのでは、と思ったりしましたが、やはり現実は厳しいものでした。


和歌山バス那賀に関しては、便数が極端に少ない路線は、ある程度整理されてきた印象はありますが、今後はどのような路線が見直されていくのでありましょうか。
今後の動きも、引き続き当ブログでご紹介していきたいと思います。



●関連ブログ:
wap ONLINE:和歌山バス、和歌山バス那賀、3月31日限りで一部系統廃止



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