当ブログで、これまで下記エントリーのように、JR西日本が計画している117系改造の「新たな長距離列車」についてご紹介してきました。
参考:【JR西日本】新たな長距離列車の導入を発表(2020年までに導入)イメージイラストには117系らしき車両が描かれる : 阪和線の沿線から
【JR西日本】「せとうちパレットプロジェクト」において京阪神と瀬戸内エリアを結ぶ「新たな長距離列車」の運行計画を発表(2020年夏までに) : 阪和線の沿線から
【JR西日本】新たな長距離列車の車内デザインを発表。117系改造で、個室やフルフラットシートを装備 : 阪和線の沿線から


今回、その列車名・エクステリア・設備愛照明がJR西日本より発表されました。

新たな長距離列車の列車名・エクステリア・設備愛称名の決定:JR西日本

概要は、以下の通りです。

●列車名:
WEST EXPRESS 銀河(ウエスト エクスプレス ぎんが)

●エクステリア:
jrw_westexpginga_exterior_20190319
「WEST EXPRESS 銀河」エクステリアイメージ
(上記発表資料(http://www.westjr.co.jp/press/article/2019/03/page_14028.html)より引用)

●設備愛称名:
1号車(グリーン車指定席):ファーストシート<
2号車(普通車指定席・ノビノビ座席・女性席):クシェット(女性席)
3号車(普通車指定席・コンパートメント):ファミリーキャビン
3号車(フリースペース):明星(みょうじょう)
4号車(フリースペース):遊星(ゆうせい)
5号車(普通車指定席・ノビノビ座席):クシェット
6号車(グリーン個室):プレミアルーム
6号車(フリースペース):彗星(すいせい)

詳細は、上記発表資料をご覧ください。



かつて大阪駅から、各地に向けて様々な名称の夜行列車が運行されていました。

特に山陽新幹線全通前はその最盛期で、新大阪からの新幹線との乗り継ぎで翌朝九州方面へ到着できる列車として、数多くの夜行列車が運行されていました。
山陽新幹線全通後、本数は大幅に削減されはしましたが、現地へ朝に到着するニーズは一定程度あったことから、「あかつき」「明星」「彗星」「なは」といった列車がその後も走り続けたことをご存じの方も、きっと多いことだと思います。

また、既に新幹線が開通していた東京方面へも一定の夜行需要があったことから、急行「銀河」として、車両は変われども一貫して大阪〜東京間を走り続けていたことも、これまた記憶されている方も多いことでしょう。

しかし、これらの寝台特急・急行も、新幹線の高速化・延伸に加え、航空路線の充実、そして高速道路の延伸による夜行高速バスの隆盛、更にはビジネスホテルチェーンの充実による低価格の宿泊施設の増加といった、様々な要因により、これらの寝台列車はいずれも姿を消していきました。

なお、「明星」は1986年11月、「彗星」は2005年9月、「銀河」は2008年3月に、それぞれ廃止となっています。
参考:「彗星」よお前もか・・・ : 阪和線の沿線から
やはり「あかつき」は廃止・・・平成20年春ダイヤ改正発表 : 阪和線の沿線から


上述の状況のなか、クルーズトレインを除く夜行列車が今後復活する可能性も低く、それが故に、かつて夜行列車で用いられた、天体を想起させる名称を再び用いる列車というのは、もはや誕生し得ない、と思っていたのは、決して私だけではなかったと思います。


そんな中本日発表された、「新たな長距離列車」の列車名称と設備愛称。
列車名称「WEST EXPRESS 銀河」に用いられている「銀河」は、大阪〜東京を結んでいた寝台急行の名称でありました。

そして設備愛称のうち、「明星」「彗星」は、いずれも関西・九州間を結んでいた寝台特急の名称で、「明星」は主に博多・熊本・西鹿児島といった鹿児島本線方面を、「彗星」は大分・宮崎・都城といった日豊本線方面の列車に付けられていました。


これら、天体を由来としているが故に、夜行列車でしか命名し得ない愛称が、このように復活すること、しかもそれがいずれもJR西日本エリアである関西地区を発着していたという、ゆかりのある列車であったことから、懐かしさと同時に感動さえも抱いた命名でありました。


愛称名についてのコメントが長くなりましたが、エクステリアデザインにも注目です。
今回の「WEST EXPRESS 銀河」は、瑠璃紺(るりこん)色のカラーで、西日本が誇る美しい海や空を表現したものとなっています。

言わば「青」系統の車体は、かつての「ブルートレイン」の車両を思い起こさせます。
20系客車の時代から、長らく寝台列車の象徴であった青色一色の車体でありましたが、民営化以降、「トワイライトエクスプレス」「カシオペア」、そしてクルーズトレインの「ななつ星」「四季島」「トワイライトエクスプレス瑞風」といった列車は、全て青色系統とは異なる色が採用されてきました。

これとて、今後青色の夜行列車、というのは今後登場することは無いのでは、と思われていたところ、今回は瑠璃紺色という、青色系統でより深みを増したカラーが採用されたことで、これまたかつての「ブルートレイン」を想起させるファンも多かったのではないのでしょうか。


色々と書いてはきましたが、かつて国鉄時代に数多く走っていた寝台列車を思い起こさせさえもする今回の「WEST EXPRESS 銀河」。
2020年春の運行開始予定とのことですので、今後運行ルート等の発表が楽しみですし、その情報も逐次ご紹介していきたいな、と期待に胸を膨らませたニュースでありました。



●関連ニュースサイト:
名前は「ウエストエクスプレス銀河」 JR西日本の「新たな長距離列車」外観など決定 | 乗りものニュース
JR西日本の新たな長距離列車、「WEST EXPRESS 銀河」に | RailLab ニュース(レイルラボ)
列車名はWEST EXPRESS 銀河、JR西が長距離列車の外観などを発表 - 鉄道コム



●関連ブログ:
【速報】117系を使った長距離列車「WEST EXPRESS 銀河」が2020年春にデビューへ! | いまどきの鉄道サイトの作り方
Msykの業務(鉄道)日誌:新たな長距離列車は「ウエストエクスプレス銀河」
JR西日本、新たな長距離列車「WEST EXPRESS 銀河」の概要公表 - kqtrain.net(京浜急行)



↓↓鉄道系ブログ・ニュースポータルサイト「鉄道コム」はこちらをクリック↓↓
鉄道コム