南海電鉄では、2020年3月31日をもって、「みさき公園」事業より撤退することを発表しました。


「みさき公園」事業からの撤退について|南海電鉄


概要は以下の通りです。

・みさき公園は1957年に開園し、以後62年間にわたり、動物園・イルカショーを核とした総合遊園地として運営、1987年には大型レジャープール「ぷ〜るらんどRiO」を開設。

・1989年度には年間来場者数は約72万人を記録したが、その後はレジャーの多様化により来場者数の減少が続き、2017年度はピーク時の半分の36万人までに減少。

・収支についても長期にわたり営業損益で赤字が続き、新イルカ館「シャイニースタジアム」、鉄道体験施設「わくわく電車らんど」を新設したが、来場者数の減少には歯止めがかからない状況。

・2017年度の決算において、約33億円の減損損失を計上し、その後もあらゆる再建策を検討してきたが、同社としては事業継続が困難であると判断し、2020年3月31日をもって「みさき公園」事業から撤退することを決定した次第。

・みさき公園の今後については、地元の地方公共団体である岬町とも十分協議していく。


詳細は、上記発表資料をご覧下さい。



私が在住している阪南市の隣町・岬町にある遊園地・みさき公園ですが、私が阪南市に移り住むよりもずっと前から、南海沿線の遊園地として、機会がある度に遊びに行きました。
海が見える遊園地で、尚且つお手軽なスケール、加えて動物園が共存した遊園地ということで、幼少の頃から大人になる現在に至るまで、心を和ます遊園地として何度も訪問した覚えがあります。

しかし、遊園地に共通の課題ではありますが、レジャーの多様化等による入場者数の減少という、構造的な問題をこのみさき公園も抱えており、2017年度には減損損失を計上した上に、近年では年間3億円程度の営業赤字が生じており、経営再建が課題となっていました。

その間も、上記発表資料にもあるように、「シャイニースタジアム」「わくわく電車らんど」といった新施設を開業し、集客に努めてきましたが、抜本的な入場者数の改善には至らず、今回、来年の3月31日をもってみさき公園の事業から撤退することが発表された次第であります。


今回の発表ですが、南海電鉄の「撤退」としてはいますが、「閉園」としていないところが注目でしょうか。
上記発表資料の最後にもあるように、みさき公園の今後について、地元の岬町と協議していくこととしています。
岬町との協議次第では、新たな運営主体により営業が継続される可能性もあるのですが、一方で、規模が小さい岬町で、今後「みさき公園」の運営に必要な資金を提供していけるのか、といった課題も考えられます。
一方、「みさき公園」自体、岬町にとっての観光資源でもあることから、これを生かすことで、新たな観光客誘致ツールとして再活用することも考えられることから、今後の「みさき公園」の動向は、ひとえに岬町の姿勢次第、といったところもあるのかな、という感じがしました。



上記で紹介した「わくわく電車らんど」ですが、私自身も下記のエントリーでご紹介したように、開設したてのころ、訪問したことがありました。
参考:みさき公園にオープンした鉄道体験施設「わくわく電車らんど」を訪問する : 阪和線の沿線から

この日は12月の平日、しかも雨天の日ということで、私以外の入場者がほぼいなかった日でしたが、それだけに存分に楽しんできました。

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▲わくわく電車らんどに展示されている南海7000系

今後、南海電鉄がみさき公園の運営から撤退するとなれば、この「わくわく電車らんど」及びそこの展示されている7000系等の動向が気になるところです。
全車が廃車となった現在、カットモデルではありますが、保存されているのはこの2両と、貴重な保存資料であることから、南海電鉄撤退後も引き続き保存されることを願いたいのですが、果たしてどうなることか、今後の行く末を、地元民として注目していきたいと感じたニュースであります。



●関連ニュースサイト:
南海電鉄「みさき公園」事業から撤退へ 来場者ピークの半分 南海70周年事業で開園 | 乗りものニュース
南海,2020年3月31日をもって「みさき公園」事業からの撤退|鉄道ニュース|2019年3月26日掲載|鉄道ファン・railf.jp



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