JR西日本では、2019年秋に設定する臨時列車を発表しました。

2019年【秋】の臨時列車の運転について:JR西日本

このうち、和歌山支社管内では、特急「くろしお」や「紀の国トレイナート2019」等の臨時列車が設定されます。
2019年度秋の臨時「くろしお」号の運転について|JR西日本和歌山支社


注目は11月9日(土)に運転される特急「くろしお」91号でしょうか。
くろしお91号のダイヤは以下の通りとなっています。

新大阪8:31発〜天王寺8:49発〜紀三井寺9:47着海南9:54着


この「くろしお91号」は、60歳以上を中心とした健康と福祉の祭典である「ねんりんピック」が、11/9〜12に和歌山にて初めて開催されますのに伴い、開会式の開催される11月9日(土)に合わせて運行される列車となっています。
参考:ねんりんピック紀の国わかやま2019

注目点は、「海南行き」「紀三井寺停車」という点でしょうか。
現在のダイヤでは、海南行きの「くろしお」の設定は定期列車ではありません。(海南発は「くろしお6号」の設定あり)
過去には、きのくに線の箕島〜御坊間の運転見合わせにともない、特急「くろしお」が海南発着で運転されたことがありました。
参考:きのくに線一部運転見合わせによる「普通箕島行き」「特急くろしお海南行き」を和歌山駅でみる : 阪和線の沿線から

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▲2015年7月に運行された「海南行き」くろしおの行先表示。

この時の「海南行き」くろしおは、あくまで災害時の突発的な設定であり、今回の海南行きくろしおは、当初からイベント開催に対応し、当初より臨時列車であるという点が特徴といえます。


加えて、今回の「くろしお91号」は、「紀三井寺駅」に停車する点です。
この「ねんりんピック」の総合開会式は、和歌山市の紀三井寺公園陸上競技場で開催されます。
参考:ねんりんピック紀の国わかやま2019 総合開会式・閉会式観覧者募集要項 – ねんりんピック紀の国わかやま2019

この紀三井寺公園陸上競技場へのアクセスとしては、通常は和歌山バスの「競技場前」バス停が最寄りとなりますが、選手・観覧者等含めて合計20,000人にも及ぶ総合開会式参加者となることから、今回陸上競技場への最寄り駅の一つである、紀三井寺駅まで直接アクセスできる「くろしお」号が設定されることとなります。


紀三井寺駅は、西国三十三所第2番札所である「紀三井寺」の最寄り駅であり、観光客の利用も一定的にあるかと思われますが、和歌山駅からほど近いこともあってか、基本的に特急列車の停車はありませんでした。
ただ過去には、4月の花見シーズンの日曜日に午前中の上り(白浜方面)、午後の下り(天王寺方面)の「くろしお」が停車したことがありました。
下記にご紹介するのは、1987年(昭和62年)3月の交通公社時刻表(復刻版)で、くろしお4号(紀三井寺9:49発)、くろしお6号(同10:17発)、くろしお8号(同10:47発)の3本が紀三井寺駅に停車していることがわかります。

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▲交通公社の時刻表 1987年3月(復刻版)より引用
赤枠で囲っているように、午前の「くろしお」3本が紀三井寺駅に臨時停車しています。

今回の、紀三井寺駅の「くろしお」停車は、恐らくこの頃以来の停車になるかも知れませんが、こういった実績により、来春の桜のシーズンから紀三井寺駅への「くろしお」停車が定着すると面白いな、とも感じたニュースでありました。



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