阪和線・きのくに線の特急「くろしお」には、283系・287系・289系という3種類の車両で運行されていますが、いずれの列車も基本的に6両編成で、多客時には3両増結され、9両編成で運行されます。

9両編成の場合、現在は白浜で分割・増結作業を実施することとなっており、ダイヤ上も増結作業の実施を考慮したものとなっています。

一方、今年度に入ってから、新大阪発新宮行きの「くろしお21号」が、白浜駅ではなく和歌山駅で付属の3両編成を切り離す作業を行う姿が見られるようになった模様です。
和歌山駅での分割作業は、後述の理由により時刻表上で反映されているわけではなく、指定席の販売状況や、「鉄道ダイヤ情報」でしか確認ができないことから、私自身もそのシーンを見てみようと思いつつ、なかなか遭遇することができませんでした。


本日(9月1日)、休日出勤の帰りに和歌山駅を通る際、ちょうど「くろしお21号」が到着する時刻で、また付属編成の分割作業が実施されるという情報を目にしたことから、それを一度見てみようと、和歌山駅4番線に向かってみました。

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案内表示上は、特に変わりがありません。

18時20分頃、283系の「くろしお21号」が入線してきました。
6両編成の放送でしたが、やってきたのは9両編成です。
間違いなく和歌山駅で分割作業を行います。


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到着すると、早速「作業中」の標識が掲げられました。
これが、分割作業を行うまたとない記録であります。

2分間の停車時間の間に、分割作業を終え、基本編成の6両はそのまま新宮へ向かいました。
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一方残された3両編成は、折り返し回送となります。
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ふと発車案内表示を見ると、「くろしお21号|当駅止」と表示されていました。
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本来ならば、新宮行きの「くろしお21号」が発車すると、このような表示は行われないわけで、これが見られるのも、和歌山駅での分割作業が実施される場合の限定となります。

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3番線に向かうと、丁度紀州路快速が入線してきましたので、折り返し3両の回送列車との並びを撮影です。


以上のように、和歌山駅で付属編成を分割する「くろしお21号」の様子をご紹介しました。
まさか和歌山駅で「くろしお」の分割作業が行われるとは、これまで想像だにしませんでしたが、他の一般車両は恒常的に当駅で分割作業を実施していること、また、休日最終日の「くろしお」は上り新宮方面でみれば、遅い時間帯では利用者が多いわけでなく、白浜まで9両編成で運行し、付属編成を別途回送するコストのことも考えると、和歌山駅で分割するというのは、合理的な方法にも感じました。

一方で、現状の「くろしお」のダイヤは、和歌山駅での分割・連結作業に対応しているわけではなく、2分程度の停車時間しか設けられていません。
「分割」に関しては、連結器の開放作業等を行えばよく、分割後の車両はひとまず停めておけばいいので、2分程度でも対応可能なため、敢えて時刻表等で示している発着時刻を変更する必要はありません。

それに対し、「連結」の作業となると、作業方法にもよりますが、車両の入換作業、または連結のための徐行運転が必要なこと等から、2分程度の停車時間では不足することから、時刻変更が必要となってくることから、「くろしお」が和歌山で連結される様子は、現在のところ見られる余地はなさそうです。


但し、「くろしお21号」の分割作業も割と行われるようになってきたことから、次回ダイヤ改正では、一部の「くろしお」の下り新大阪方面の列車で、連結作業のための余裕時分が設定されることもあり得るのかな、とも思ったりしました。


ともあれ、以前から気になっていた和歌山駅での283系「くろしお」の分割シーンをみることができましたので、個人的には満足でありました。
和歌山駅でのこういった作業が、これからは、287系や289系の「くろしお」でも見られるようになるのでありましょうか、今後の動向に注目していきたいところです。




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