JR北海道では、新千歳空港アクセスの強化を検討してきましたが、このたび車両の増備・地上施設の増強を行い、2020年春に快速「エアポート」の増発を実施することを発表しました。

快速「エアポート」の輸送力増強策の概要について|JR北海道

概要は以下の通りです。

●快速「エアポート」増発:
現行毎時4本で設定している快速「エアポート」を毎時5本化し、32本増発
(116本→148本、輸送力3割増強)

●特別快速「エアポート」設定:
増発する快速「エアポート」のうち、朝通勤時間帯と夜間帯には、空港アクセスと沿線利用との棲み分けを図るため、新札幌と南千歳のみ停車する速達タイプの特別快速を設定。
(最速37分→33分)

設定本数・・・
朝通勤時間帯:上り 新千歳空港行き2本
夜間帯:下り 札幌行き2本
合計4本

●早朝「エアポート」の設定:
札幌6時前発→新千歳空港6時半頃着の列車を新設

●実施時期:
2020年春(予定)



詳細は、上記発表資料をご覧ください。

快速エアポートは、JR北海道の中でも稼ぎ頭の筆頭とも言うべ列車で、札幌市内はもとより、小樽方面からの新千歳空港アクセスを担い、また所要時間も札幌駅から37分と、他の交通機関よりもコストパフォーマンスの高い手段として、日本人はもとより訪日外国人の利用も多い列車となっています。

今後、訪日外国人の増加が見込まれるなか、快速エアポートの輸送力増強を実施し、増発が実現することとなりました。
その詳細をみますと、現行毎時4本の設定を1本増発し、毎時5本とすることに加え、朝通勤時間帯と夜間帯には、空港アクセスと沿線利用との棲み分けを図るため、「特別快速」の新設が目を引きます。

毎時間帯の増発は、既に先行報道でも報じられていましたが、特別快速の設定は、まさに寝耳に水といったところでしょうか。

空港アクセスにおいて、朝・夜の時間帯に停車駅を絞った列車を設定する事例としては、関西空港アクセスの特急「ラピート」においても、朝の難波発及び夜間の関西空港発において、停車駅の少ない「ラピートα」を設定している事例がありますが、今回の「特別快速」エアポートは、それと類似の事例になるといえるでしょう。

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▲快速エアポート213号(南千歳駅、2019.1.29)
来春から、新千歳空港発の遅い時間帯には「特別快速」が設定されることとなります。


ともあれ、JR北海道の経営再建において、稼ぎ頭といえる新千歳空港アクセスの充実は主要な観点であるといえます。
車両はともかく、地上設備の拡充はもう少し時間がかかるものと思っていただけに、来年春のダイヤ改正で実現するのは、予想より早い対応なのかな、と評価できそうです。

札幌近辺住まいでもないので、この「特別快速エアポート」に遭遇する機会はあまりないのでは、とも思うのですが、新千歳空港着の遅い時間なら、乗車できる可能性もあるだけに、これまた空港アクセスのレアな種別を記録する機会に恵まれるよう、搭乗便を考えてみるのもいいかもな、と感じたニュースでありました。



●関連ニュースサイト:
快速「エアポート」に特別快速を設定、JR北 - 鉄道コム
JR北海道,快速“エアポート”の輸送力を増強へ 朝夜に速達タイプの「特別快速」を設定|鉄道ニュース|2019年9月12日掲載|鉄道ファン・railf.jp



●関連ブログ:
快速「エアポート」に速達便ができる?: たべちゃんの旅行記「旅のメモ」



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