JR北海道では、キハ40形一般気動車の老朽取替用として、新型一般気動車「H100形」の導入を発表し2017年にその試作車となる量産先行車を製造して、これまで各種試験を実施してきました。
参考:【JR北海道】新型一般気動車の試作車(量産先行車)を発表。形式はH100形で、JR東日本GV-E400系をベース : 阪和線の沿線から

今回、各種の検証を終え、量産車13両が落成することから、今年度末に計15両を営業投入することとしていますが、この度最初の投入線区について発表がありました。

H100 形電気式気動車(DECMO)の投入線区について|JR北海道

概要は以下の通りです。

●投入線区:
函館線 小樽〜長万部間(山線)
※ワンマン全列車を置き換え(201系気動車は現行通り)
※札幌〜小樽間では1本のみ運転(早朝の札幌発然別行き)

●営業運転開始:
2020年春(予定)

●今後のH100形導入について:
2020〜2021年度にH100形60両を導入する計画で、同車両の導入により、経年35年以上で老朽化している車両の置き換えを順次進める。



その他詳細は、上記発表資料をご覧下さい。


JR北海道では、相次ぐトラブルに起因する国土交通大臣からの事業改善命令・監督命令を受けて、2015年3月に今後5年間の設備投資計画を発表しています。
その中で、老朽化が進んでいるキハ40形について、このH100形で置き換えていく計画となっており、2017年の試作車導入以降、酷寒地における各種検証を実施してきましたが、今般その検証が終わり、いよいよ営業投入が発表されることとなりした。


そのH100形の最初の営業投入路線として挙げられたのが、函館線の小樽〜長万部の、通称「山線」区間であります。

現在、この「山線」区間では、キハ150形とキハ201形が運用されていますが、今回導入されるH100形は、このうち、キハ150形が運用されている列車を全て置き換えることとなります。

この「山線」区間ですが、私個人としては、偶然にも今年の1月に乗り通したところで、その際キハ150形の列車に揺られて小樽から倶知安で乗り換えて、長万部まで向かったところです。
参考:函館本線・山線区間(小樽〜長万部)に乗る(2019.1.30) : 阪和線の沿線から

まさか自分が乗車してしばらくもしないうちに、この区間で新型車両の投入が行われるとは、正直思いもしませんでした。
以下で示すキハ150形と山線区間の写真も、一気に貴重なシーンとなってしまうことになりそうです。
DSC06106_R
▲然別駅で停車中の小樽発倶知安行き(2019.1.30)

DSC06115_R
▲倶知安駅で発車待ちの長万部行き(2019.1.30)

私が乗車した際、この区間で目立ったのは外国人旅行者でした。
倶知安駅やニセコは、スキーリゾートとして有名で、それ目当ての外国人が多数乗車していましたが、そういう意味では運賃表示等が英語に対応しているH100形の最初の投入線区として適しているとも感じたりしました。

気になるのは、「山線」から撤退するキハ150形の動向で、導入後20年ほどのキハ150形は、このまま廃車になるとも思えず、玉突き的に他線区のキハ40形を置き換えることになるかと思われますが、それがどこの線区のキハ40形になるのか、というところも気になります。

経営再建が進むJR北海道。
鉄道以外の交通手段の転換が提案されている、いわゆる「赤」「茶」線区の動向が注目されるのですが、それ以外にもこのように、経営改善を進めていく事業計画の実施に伴い、これまでの風景が大きく変わることも大いに考えられます。

線区の廃止以外であっても、ここしばらくは足繁く北海道の鉄道を観察しておく必要があることを、改めて実感したニュースでありました。




●関連ニュースサイト:
JR北海道の新型車両、「DECMO」は函館線で運用へ - 鉄道コム
H100形電気式ディーゼルカー、函館本線「山線」に投入 キハ40形を置き換え JR北海道 | 乗りものニュース
H100形「DECMO」,2020年春から函館本線で営業運転を開始へ|鉄道ニュース|2019年9月12日掲載|鉄道ファン・railf.jp



●関連ブログ:
Msykの業務(鉄道)日誌:H100形量産車の甲種輸送も見る



↓↓鉄道系ブログ・ニュースポータルサイト「鉄道コム」はこちらをクリック↓↓
鉄道コム