このブログで、既刊のの第1巻〜第4巻までご紹介した同人誌「徹底解剖!!横浜市営地下鉄」の第5巻が旭屋書店なんばCITY店での販売が開始されましたので、少し遅くはなりましたが購入してきました。

(参考:既刊の第1巻〜第4巻の紹介記事です。)





DSC_1316
▲今回購入した第5巻。



書泉 / 徹底解剖!!横浜市営地下鉄(5)建設技術・保守

これまで冬・夏の年2回の刊行でしたが、今回の第5巻は、前回第4巻から約1年ぶりの刊行となりました。
個人的にも興味があっただけに、刊行を心待ちにしていましたが、この週末にようやく入手することができました。

今回は「建設技術・保守編」というタイトルからも分かるように、駅や車両、きっぷといったこれまでの内容と比較すると、注目されにくい分野の特集となっています。
そのこともあって、著者に寄りますと、今巻では雑学的な部分を多めに取り入れ、沿線の道具や設備に意味を感じるようになって頂けたら、という意図が込められているとのことです。

そういった編集方針もあってか、特に地下鉄の建設技術を語る上では欠かせない「トンネル」の建設方法について、「建設技術編」では、私のような素人でも容易に理解できるように説明されているところは、非常に好感が持てました。
「開削工法」「シールド工法」といった言葉は、素人の私でも耳にしたことはありますが、それがどのような工程で作られていくのか、また、これら以外の工法として「山岳工法」や、その他既に他の構造物があったり、その他の制約条件をクリアするために採用された各種の工法が、平易な説明と明快な図によって示されており、非常に分かりやすくまとめられていました。

加えて圧巻だったのは、流石「横浜市営地下鉄」の同人誌、というところでしょうか、ブルーライン・グリーンライン両線全線の地形や勾配、そして各区間で採用されたトンネル工法等を図面でまとめた「縦断面図・工区一覧」であります。
先に挙げた「開削」「シールド」「山岳」等の工法がどの区間で用いられているかが一目瞭然であります。
各種工法を、実際に横浜市営地下鉄で確認したいときなどは、非常に重宝する図面であるといえましょう。

続いての「保守編」では、横浜市営地下鉄の車両や構造物の保守について、それを行う施設や道具について、軌道、施設・設備、電気、車両の各分野について、また、それらの保守を行うのに欠かせない保守用車両について紹介しています。

また、保守用車両を本線上に転線させる際に使用される「横取装置」についての説明もありました。
この横取装置については、昨年6月にこの装置を撤去し忘れたところに始発列車が乗り上げ、脱線するという事故がありました。
参考:
市営地下鉄ブルーライン脱線事故 調査報告書|横浜市

この脱線事故は、どうやら横浜市営地下鉄開業以来初めての営業本線上の脱線事故であったとのことですが、こういうタイミングで横取装置を紹介せざるを得ない著者の痛ましい心境は、編集後記にも記されていたところです。


以上、今回取り上げられた「建設技術・保守編」の内容をご紹介しました。
予定では最終巻となる次巻・第6巻では、「経営・都市計画」ということです。
市営地下鉄の歴史、そして市営地下鉄と「横浜」の関係に迫るということで、横浜のまちづくりと地下鉄がどう関係してきたのか、それが理解できる一冊となることに、大いに期待したいと感想をしるして、応援のメッセージとさせていただければと思います。



↓↓鉄道系ブログ・ニュースポータルサイト「鉄道コム」はこちらをクリック↓↓
鉄道コム