明日7月22日(水)出発分から対象となる国の「Go To トラベル」事業。
報道等で既にご存じの方も多いかと思いますが、東京都が目的地となっている旅行、及び東京都に共住する人の旅行については、当面は対象外となることが決定しています。
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(引用:観光庁Webサイト(https://www.mlit.go.jp/kankocho/content/001351403.pdf))

一方で、その他の道府県民が、東京都以外に旅行する場合は対象となりますので、これを機会に感染症予防を徹底した上で、個人・小グループで旅行する分には、またとない割引企画になるのではないかと思います。

その一方でこの「Go To トラベル」事業は、その具体的な割引要件が事業開始直前になっても明らかになっていない部分があり、特に先の当ブログ記事でご紹介した「宿泊に準ずるもの」としての夜行フェリー・寝台列車については、その要件が全くといっていいほど判明していませんでした。

【参考】


今回、7月20日(月)に「Go To トラベル事業 よくある質問(FAQ)」が更新され、夜行フェリー・寝台列車についての詳細が記載されていましたので、このFAQを元に、フェリー等における「Go To トラベル」適用について見ていきたいとおもいます。

【注意】当記事は、2020年7月20日(月)現在、観光庁から公表されている「Go To トラベル」事業概要・FAQを元に作成しています。
Go To トラベル事業関連情報 | 観光庁
今後、事業の見直しによる変更等があり得ますので、乗船・乗車の際には改めてご確認下さい。
また、「Go To トラベル」の対象か否かは、各事業者により判断されますので、ここではFAQ等から読み取れる割引支援対象について記しています。
本記事に記載されていることにより、必ずしも対象になるわけではありませんのでご留意いただくとともに、本記事を元にして予約等を行った際の損害について、当ブログ管理人は一切責任を負いませんので、自己判断の下、予約等を行うようにして下さい。


●割引支援の対象となるフェリー等の施設とは?:
Q56:
夜行フェリーは、旅行・宿泊代金の割引支援の対象となるのか。
Q57:
夜行フェリーについて、2等桟敷(カーペット)席は、旅行・宿泊代金の割引支援の対象となるのか。

A56・A57:
ベッドと同視できるフルフラットの睡眠スペースが提供されるとともに、枕、毛布その他の寝具が提供されているものについては、宿泊施設に準ずるものとして、支援対象となる。

Q61:
クルーズや寝台列車は、旅行・宿泊代金の割引支援の対象となるのか。

A61:
・ベッドと同視できるフルフラットの睡眠スペースが提供されるとともに、枕、毛布その他の寝具が提供されているものについては、宿泊施設に準ずるものとして、支援対象となる。
・夜行列車で座席のみを利用する(寝台を利用しない)場合など、座席のみとみなされるものは対象外となる。

(Go To トラベル事業 よくあるご質問(FAQ)(7/20(月)時点版)https://www.mlit.go.jp/kankocho/content/001354719.pdf)より引用。以下同様。
Q○○、A○○は、上記FAQ内の項目番号における質問と回答。)

Go To トラベルの対象となるフェリー・寝台列車の要件が明確化されています。
即ち、上記下線部で示したように、「フルフラットの睡眠スペース」「枕」「毛布」は最低限揃っている必要があるとのことです。

Q57で記されているように、二等船室の雑魚寝であったとしても、枕と毛布が用意されていれば、Go To トラベルの対象となりますが、逆に、「サンライズ出雲・瀬戸」の「ノビノビ座席」のようなフルフラットの睡眠スペースだけの場合は、「Go To トラベル」の対象外になることが読み取れます。

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▲名門大洋フェリー「フェリーきたきゅうしゅう供廚痢屮侫 璽好J」
「フルフラットの睡眠スペース」「枕」「毛布」が揃っているので、「Go To トラベル」の対象となることが分かります。

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▲南海フェリー「フェリーあい」の普通船室。
後述の「夜行時間帯」に運航される便もありますが、「フルフラットの睡眠スペース」のみで「枕」「毛布」が設置されていないため、「Go To トラベル」の対象外になりそうです。

●自動車航送運賃等は割引支援に含まれるか?:
Q58:
夜行フェリーについて、自動車航走運賃に運転者1名分のシングル個室利用料金が含まれているが、この自動車航走運賃が旅行・宿泊代金の割引支援の対象となるのか。

A58:
・地域経済に好循環を創出するという本事業の制度趣旨に照らし、乗用車については対象とする(事業用トラックは対象外)。
※「自動車航送運賃」とは、船舶により自動車(道路運送車両法第2条第2項に規定する自動車であって二輪のもの以外のもの)並びにその運転者及び積載貨物を運送する場合の対価をいう。


Q59:
夜行フェリーにバイクや自転車で乗船する場合、旅客運賃+特殊荷物(二輪車)料金を支払うこととなるが、この場合の特殊荷物(二輪車)料金は、旅行・宿泊代金の割引支援の対象となるのか

A59:
旅客運賃と特殊荷物(二輪車)料金がセットで発券されている場合には、特殊荷物(二輪車)料金を含めて支援の対象となる。


フェリーの場合、自家用車を載せて乗船し、下船後はフェリーから直接目的地に向かう、という利用方法も可能です。
途中の区間を運転しないで済むことから、運転手の疲労が大いに軽減されるとともに、旅程上の変化も楽しむことができ、より快適で、思い出深い旅行を楽しむことができます。

さてそのフェリーの車料金(自動車航送運賃)ですが、多くの場合2等(最下等の運賃に相当)旅客運賃も込みの金額が示されています。
この場合に「Go To トラベル」の対象になるか、との質問ですが、回答としては、「乗用車は対象」となります。
一方、フェリーの場合は自動車航送運賃は車両全長で決められるので、同じ全長であっても事業用トラックは対象外、乗用車は対象、というケースも大いに考えられます。
その場合、それをどこで判断するか、というのは、恐らくナンバープレート等で区分するのでありましょうが、詳細は今後発表、といったところでしょうか。

ともかく、「乗用車は対象」というのは確かなようです。

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▲名門大洋フェリー「フェリーきたきゅうしゅう供廚繁榮発便に積載予定の乗用車
夜行フェリーで航送する乗用車の運賃についても、対象となります。


●「夜行」とは何時から何時までか?:
Q60:
「夜行」フェリーの定義は何か。例えば、午前2時に出発して午前6時に到着するものは「夜行」フェリーと言えるか。午前5時に出発して午前9時に到着するものはどうか。

A60:
概ね午後9時から午前3時までの間において運航している便(当該時間帯の中で運航が開始され終了する便のほか、当該時間帯の前から運航が開始され当該時間帯に運航が終了する便や、当該時間帯に運航が開始され当該時間帯後に運航が終了する便を含む)であって、宿泊を伴うものを「夜行」フェリーと定義することを検討中。


この項目は「検討中」とされているので、今後変更もあり得そうですが、現段階での対象ということで書き進めたいと思います。

そもそも「夜行」とはどういった時間帯を指すのか?
簡単なようで難しいものであります。

長距離フェリーの場合は、運航時間が半日以上のものも多いため、必然的に「夜行」となりますが、中距離・短距離の航路となると、深夜出航・未明到着といった便も現にあり、こういった便が対象になるのか、というのも気になるところです。
例えば青森〜函館間を結ぶ「津軽海峡フェリー」では、深夜・早朝の時間帯には以下のダイヤが設定されています。
・青森22:25発→函館2:05着
・青森2:40発→函館6:20着
・函館22:05発→青森1:45着
・函館0:30発→青森4:10着
引用:時刻表「函館〜青森」|津軽海峡フェリー株式会社


これらの便でも上級船室には「フルフラット睡眠スペース」「枕」「毛布」の「三点セット」が備え付けられいることから、そういった等級を利用する際に「Go To トラベル」の対象になるのか、といった点です。

これについて、FAQでは、下線で記したように、「午後9時から午前3時までの間に運航される便」が対象となっています。
そのため、上記で掲げた津軽海峡フェリーの便はいずれも、運航ダイヤの点では「Go To トラベル」の対象となる見込みのようです。

ただこれについては、7月20日段階でも「検討中」とされているので、今後変更の可能性もあり得るので、注意が必要といえるでしょう。

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▲名門大洋フェリー「フェリーきたきゅうしゅう供
本船が就航する大阪南港・新門司港19:50発→8:30着のダイヤは、いずれも「午後9時から午前3時までの間に運航される便」であるため、「Go To トラベル」の対象になるかと考えられます。


●ブルートレインを活用した宿泊施設は「Go To トラベル」の対象か
Q51:往年の寝台特急の保存車両を活用した宿泊施設は、旅行・割引支援の対象となるのか。

A51:旅館業法の許可を受けた施設であれば、適正な執行管理のための体制が確保されていることを条件に、支援対象になる


寝台列車が対象となる、ということもあって、このような質問もありました。

かつて全国各地で運航されていた、いわゆる「ブルートレイン」ですが、現在は全て引退しており、一部の車両は宿泊施設として活用されています。
そういった、ブルトレを活用した宿泊施設も「Go To トラベル」の対象になるのか、ということですが、上述のとおり、「旅館業法の許可を受けた施設」であり「適正な執行管理のための体制が確保されている」という条件の下、割引支援の対象となります。

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▲熊本県多良木町にある、かつてのブルートレインの車両を活用した宿泊施設「ブルートレインたらぎ」。
こういった施設も、条件に合致していれば「Go To トラベル」の対象となります。

なお、「ブルートレインたらぎ」については、アクセスとなるくま川鉄道が、先日の「令和2年7月豪雨」により被災したため、全線で運休となっています。
なお、「ブルートレインたらぎ」が「Go To トラベル」対象事業者であるかどうかは、改めてご確認ください。



以上、フェリーの利用を中心に「Go To トラベル」の割引支援条件をみてみました。

「こんなご時世に旅行か?」という批判もあるようですが、既に新型コロナウイルス感染症の影響で宿泊をはじめとした旅行業界が大きな影響をうけてほぼ半年になろうかとしています。
そういった事業者にとっては、この「Go To トラベル」によって少しでも観光客が戻ることにより、事業を何とか継続できるところも多いでしょう。
加えて「旅行」という経済活動を支える産業としては、宿泊のみならず移動や食事、物販といった様々な波及効果が生み出される活動である上に、都市部だけでなく地方部も強いコンテンツを有する数少ない産業群の一つであり、また同時に、今回の新型コロナウイルス感染症で深刻な状況に追い込まれた産業群であります。

それゆえ、そういった地方部の深刻な状況を考えると、簡単に「Go To トラベルは今すぐ止めろ」とは、本ブログの管理人としてはとてもじゃないのですが、言える代物でありません。

それよりも、新型コロナウイルス感染症に留意しながら、感染を予防しながら旅行を楽しむこととし、そのために今回の割引制度を使い、そして少し多めに旅先でお金を使うことで、瀕死の状況である当該地域の産業を少しでも助けること、そのための情報を少しでも提供できることが、よっぽど有益なのではないか、と思われます。


勿論、「Go To トラベル」については様々な考え方があり、即刻本事業を止めろ、という考え方を一概に否定する気もありません。
ただ、上述の状況をみると、私の考えとしてはそうじゃない、というわけでして、そこは個々人の考え方、と捉えて下さればと存じます。



明日から対象期間が始まる「Go To トラベル」事業ですが、まだ事業の詳細が詰まっていないところも多く、今後も追って情報が発表されることと思われます。
このブログでも、特に気になる情報が発表されれば、逐次ご紹介していくことができればと思っています。




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