既に当ブログでもご紹介しているように、JR西日本では2021年春に最終列車の繰り上げなどの深夜帯ダイヤの見直しを実施することとしており、その具体的な時刻については、9月中をめどに発表することとしていました。



この度、上記見直しにともなう具体的な時刻について、JR西日本より発表がありましたので、ご紹介します。

深夜帯ダイヤ見直しの実施 〜メンテナンス部門の働き方の改善に向けて〜:JR西日本

概要は以下の通りです。

●実施線区・区間:
jrw_2021_lasttrain
▲実施線区・区間
(上記発表資料(https://www.westjr.co.jp/press/article/items/200917_00_saisyuuressya.pdf)より引用)

計12線区(削減列車数48本)


●実施時期:
2021年春
(具体的な実施日は、12月頃に発表)

●主要駅の最終列車発時刻:
(抜粋、以下時刻は全て平日)
大阪駅発:
高槻方面・・・
(現行)0:31発普通高槻行き→(見直し後)0:10発普通高槻行き
三ノ宮方面・・・
(現行)0:28発普通西明石行き→(見直し後)0:04発普通西明石行き
西九条方面・・・
改正前後で変わらず(0:11発普通天王寺行き)。
但し阪和線方面の快速は(現行)23:44発快速日根野行き→(見直し後)23:39発快速鳳行き
京橋・鶴橋方面・・・
(現行)0:33発普通京橋行き→(見直し後)0:15発普通京橋行き

天王寺駅発:
大和路線・王寺方面・・・
(現行)0:34発普通王寺行き→(見直し後)0:24発普通王寺行き
阪和線・鳳方面・・・
(現行)0:35発普通鳳行き→(見直し後)0:24発普通鳳行き

●最終新幹線からの乗り継ぎ:
東京発新大阪行き最終の東海道新幹線(現行京都23:31着、新大阪23:45着)から乗り継ぎ可能な区間は下記のとおり。
jrw_2021_last_shinkansen_connecting
(上記発表資料(https://www.westjr.co.jp/press/article/items/200917_00_saisyuuressya.pdf)より引用)

なお、今回の見直しにより、下記の区間では最終新幹線からの乗り継ぎが不可能に
・琵琶湖線:篠原〜米原
・JR神戸線:大久保〜姫路
・学研都市線:忍ヶ丘〜松井山手
・大和路線:法隆寺〜郡山、JR難波

詳細は、上記発表資料をご覧ください。



JR西日本での最終列車繰り上げについては、既に昨年度から実施に向けての検討を始めていたのは、冒頭の記事でもご紹介しているところです。

すなわち、鉄道運行における保守作業は深夜時間帯に行う必要があるものの、その働き手が急速に減少している一方で、深夜時間帯の利用者が近年減少していることから、最終列車の時刻繰り上げにより保守作業の夜間作業日を低減させ、保守作業における働きやすい労働環境の整備につなげるため、としています。

今回、その深夜帯の列車ダイヤ見直しの、具体的な時刻が発表されたわけで、概ね0時以降の列車が軒並み削減されることとなり、最終列車が最大30分(京都駅発高槻方面)、多くの線区で10〜20分程度の繰り上げ(早くなること)が実施されることとなります。



上記が今回の深夜帯列車ダイヤ見直しの概要ですが、個人的にも気になる阪和線の深夜時間帯見直しについては、資料を確認する限りは、以下のとおりになります(平日ダイヤ)。

●美章園〜鳳:
(現行)0:35発普通鳳行き
→(見直し後)0:24発普通鳳行き(11分繰り上げ)

●富木〜日根野:
(現行)0:20発区間快速日根野行き
→(見直し後)0:00発快速鳳行き(鳳で普通日根野行きに乗換)(20分繰り上げ)

●長滝〜和泉砂川:
(現行)0:02発快速日根野行き(日根野で普通和泉砂川行きに乗換)
→(見直し後)23:42発快速日根野行き(日根野で普通和歌山行きに乗換)(20分繰り上げ)

●和泉鳥取〜和歌山:
(現行)(見直し後)23:42発快速日根野行き(日根野で普通和歌山行きに乗換)(繰り上げなし)



「和泉鳥取駅ユーザー」である私に関して言えば、引き続き天王寺23:42発の快速日根野行き(日根野駅で普通和歌山行きに接続)が最終列車であることには、変わりはありません。

ただ、この列車を逃した後が変化することとなります。
現行ダイヤでは、天王寺0:02発の快速日根野行きに乗り、日根野で普通和泉砂川行きに乗り換えることができるため、和泉砂川から和泉鳥取までタクシーを使えば、プラス1,000円台で深夜に帰宅することができました。

しかし、見直し後は、天王寺0:00発の快速列車から乗り継ぐ普通列車が、日根野までの運行となるため、日根野から和泉鳥取までのタクシーを使うこととなり、その料金も4千円程度になることが考えられます。
そのため、追加のタクシー代のことを考えると、来春以降はこれまで以上に「天王寺23時42分発」の快速列車を意識して行動しなければならないな、と思った次第です。



勿論、今回の最終列車繰り上げにより、大幅な影響がある線区の利用者も多いものと考えられます。
しかし、上述したように、保守作業の人手不足に加え、深夜時間帯の利用者が減少していることも認識した上で、今回の終電繰り上げに理解を示したいところであります。

一方で、今回発表のあったのは平日ダイヤでありますが、土休日ダイヤでも同様の見直しが実施される上に、平日に比べ更に深夜帯の利用が少ない土休日は、更なる見直しも予想されます。

最終的な列車時刻は、例年3月号(2月発売)に掲載される改正後の時刻表を確認するまで待つ必要があるのですが、元来の深夜帯の利用者減少に加え、新型コロナウイルス感染症の影響による減少も加わることから、来春実施されるダイヤ改正では、相当な規模の見直しが実施されるのではないか、と感じた次第であります。




●関連ニュースサイト:
JR西日本「終電繰り上げ」詳細発表 京都発最終はほぼ23時台に 最終新幹線の接続も変化 | 乗りものニュース
JR西、深夜帯のダイヤ見直し詳細を発表 対象12線区 削減列車数は48本 | 鉄道ニュース | 鉄道チャンネル



●関連ブログ:
列車番号T-TAKE(てぃーていく) : 来年ダイヤ改正の終電繰り上げ、詳細が分かる



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