2020年も残すところあとわずかとなりました。
本年も当ブログ「阪和線の沿線から」に数多くのアクセスをいただき、誠にありがとうございます。

毎年大みそかに記している、一年の振り返りについて、今年もご紹介したいと思います。



新型コロナウイルス感染症

今年のトピックとしては、これは外したくても外せないものであったかと思います。
今年初めから広がりをみせた新型コロナウイルス(COVID-19)は、瞬く間に全世界にその感染が広がり、我が国とてその例外ではなく猛威にふるわれ、春先には外出自粛となる緊急事態宣言が発出されました。

緊急事態宣言の対象となった時期にゴールデンウィーク期間も含まれていましたが、その期間中の利用状況は、見るも無惨な数値の羅列となってしまいました。


山陽新幹線、在来線特急ともに前年同日比の利用状況は数%という、かつてない落ち込み幅、そして近畿圏についても2割に満たない数値であり、如何に人々が動かなかったか、ということをまざまざと見せつけられたものでありました。

鉄道に限らず、バス、船、航空等このブログで主に取り扱っている公共交通機関は、いずれも「人が動く」ことで成り立っている産業であります。
それが、「人が動かない」状況になると、当たり前の話ですが途端に苦境に陥ることとなります。

勿論、少子高齢化や情報技術の向上により、「人が動かなくてはならない」分量は将来的に減ってくることは、以前から予想はされており、そんな時代の到来を見据えて、公共交通機関がどう生き残っているべきか、という検討を行っていた事業者もあったかと思われます。

しかし、今回の新型コロナウイルス感染症では、その「もっと先に到来するはず」の未来が「数ヶ月で到来して」しまいました。それが故に各事業者に十分な準備ができないまま、対応せざるを得ないことが、各事業者に対する影響を更に大きくした、と感じています。

各事業者も手をこまねいているわけでは決してなく、テレワーク時代を見据えてた施策を考案し、来年から早速実施するケースもあります。
公共交通機関の利用は、昨年までの水準に将来的に戻る可能性は低いかと思いますが、そんな状況のなか、持続可能な公共交通機関の運営がどのようにして可能となるのか、各事業者の取り組みをご紹介しつつ、来年以降も応援していきたいと思っています。



新型コロナウイルス感染症の影響により、減便や払い戻しの変更、その他様々な臨時の取扱いがありました。
その全てをご紹介するわわけにはいきませんが、象徴的なものをご紹介したいと思います。

●JR北海道・札沼線(北海道医療大学〜新十津川)の最終運行繰り上げ:

JR北海道の札沼線廃止区間(北海道医療大学〜新十津川)の運行終了は、当初ゴールデンウィークの最終日となる5月6日限りで予定されていました。

それが、新型コロナウイルス感染症の影響により、4月24日に定期運行が終了されることとなっていましたが、4月16日に政府から新型コロナウイルス感染症に関する緊急事態宣言の対象地域が全国に拡大されたことを受け、翌日4月17日をもって運行が終了する(以降は運休)ことが発表されました。

運行終了の発表は、前日(4月16日)の夜に発表されたことから、このタイミングで最終列車の乗車の用意をしたとしても、実際に乗車できるのは沿線の限られた人々であり、他地域からの乗車は実質的に不可能でありました。
本来なら、混雑にならない程度に人が集まって、フィナーレを盛大に飾りたいところでありましたが、そういうことも叶うこともできずに、最終列車の運行を迎えた、という点では、今回の新型コロナウイルス感染症の影響を一番受けた事例だったのではないか、と個人的には感じています。


●JR西日本271系、登場後早々に長期の運用離脱:
新型コロナウイルス感染症の影響による利用者激減は、様々な影響を与えましたが、その中でも華々しく登場し、多くの乗客を運ぶ筈だった車両が、途端に長期の運用離脱を余儀なくされるケースもありました。

関空特急「はるか」増結用の新型車両、271系でありました。


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▲関西空港駅に停車中の271系「はるか」(2020.3.16撮影)

元々271系は、増加する訪日外国人旅行者に対応するため、6両編成だった「はるか」を9両に増結するため、新造された車両でありました。
しかし、新型コロナウイルス感染症の影響で訪日外国人旅行者が皆無となり、9両編成どころか、「はるか」自体の運行も不要となり得るほどの利用減となりました。

そのため、3月14日に271系が運用開始されたものの、半月経った4月1日から「はるか」は早速6両編成に戻され、271系も用途が無くなり、その後営業運転に使用されることもなく、車庫等に留置される日々を過ごすこととなってしまいました。


現在では、日中は全て運休、朝夕時間帯も半数程度の本数で運行されている「はるか」ですが、朝夕に関しては、来年3月のダイヤ改正での9両編成が復活し、ようやく271系も再び営業運転で運用される機会が巡ってくることとなりそうです。


とはいえ、投入計画時に描かれていた姿とは全く異なる状況での運用となった271系。
本領がいつ発揮できるのか、全く分からない状況のなか、ここまで巡り合わせの悪い車両も不運としか言いようがないな、と思った次第です。




ともあれ、来年以降も新型コロナウイルス感染症の影響は続くものと考えられますし、公共交通機関の運営はまだまだ厳しい事態が続くものと思います。

当ブログとしてできることは、こういった状況の中から各事業者が何とかして利用者を戻していこうという対策を積極的、かつポジティブにご紹介し、失われた需要を少しでも回復させることのお手伝いだと感じています。
勿論そこには、感染症対策等を講じた上で、でありますが、感染症対策を講じた上であれば、公共交通機関の利用を極端に不安視しなくて済むように、少しでもご協力できればと思っています。



とにかく、新型コロナウイルス感染症の関係を記すとキリがないので、この程度にしておきますが、最後に今年1年で当ブログ運営上の報告と、御礼を述べさせていただければと思います。


今年の5月の月間PV(ページビュー)数が、13万4千を記録し、記録の残る限り当ブログでは月間最多のPV数を記録しました。

新型コロナウイルス感染症の影響で、交通以外にも様々な分野で影響が生じ、このブログでご紹介した「吹奏楽コンクール」は全国大会が中止、そして「アドベンチャーワールド」では再開に際し、和歌山県民向けに入園料金を半額にする、というニュースをご紹介しましたが、これら「非交通」の情報もPV数を押し上げた結果、上述のとおり過去最多の月間PV数を記録しました。

また直近では、「Go To トラベル」関連記事もPV数を集めており、12月の月間PVも昨日までで11万超を記録しています。

昨年までは、「達成できればいいな」と思っていた目安の「月間10万PV」ですが、今年は新型コロナウイルス感染症の影響もあり、一気に達成できたのは、今年の大きな成果、と感じています。

とはいえ、このブログはPV数もそうですが、それより何より「私自身がいつまでも続けること」が目標となっています。
ただ、PV数が増えると、やはり続けたいと思う気持ちにも少なからず影響はあるだけに、これは素直に嬉しいな、と思っています。
ただ、PV数自体は、Googleの検索結果などに左右され、私自身の力ではどうにもならないことも多いことから、今後もPV数が減ってもあまり気にせず、引き続き訪問される方々の為になる、そして何より「自分の為になる」内容を更新していきたいと思っています。



以上、長々ではありますが、今年最後の記事を書かせていただきました。
今年は本当に環境が変化し、大変な方々も多かったかと思いますが、来る年はいい年になるように、願いたいものです。

そして、皆様の生活スタイルで少しでもお役に立てるブログとして、来年も執筆を続けていくことができればと思っています。

繰り返しになりますが、今年一年多数のご訪問有り難うございました。
来年も引き続きよろしくお願いいたします。



【追伸】
今年も様々な鉄道系ブロガーさんにお世話になりました。
御礼の意味も込めて、今年一年の総括記事へのリンクを貼らせて頂きました。
今年一年、有り難うございました。来年も引き続きよろしくお願いいたします。

Msykの業務(鉄道)日誌:2020年の纏めに
【謝辞】2020年もありがとうございました。当サイトへリンクを掲載してくださった皆様を紹介します | Osaka-Subway.com




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