奈良県及び奈良市では、大和西大寺駅の高架化及び近鉄奈良線の移設を記載した踏切道改良計画を、国土交通省へ提出したことを発表しました。

踏切道改良計画の策定について/奈良県公式ホームページ

概要は以下の通りです。

【解消される踏切】
合計8ヶ所

【移設等の計画概要】
・大和西大寺駅付近の高架化
・国営平常宮跡歴史公園を南側へ迂回するルートへ移設
・移設区間は高架化及び地下化を実施
nara_pref_kintetsuline
(上記発表資料(http://www.pref.nara.jp/57888.htm)より引用)

【予定工期】
・工事着手予定・・・令和23年度(2041年度)
・工事完了予定・・・令和42年度(2060年度)



詳細は、上記発表資料をご覧下さい。



近鉄西大寺駅付近の踏切は、元より列車本数の多い区間に加え、隣接する西大寺検車区への入出庫もあることから、いわゆる「開かずの踏切」の状態となっています。

これを改善する計画として踏切道改良促進法に基づき「踏切道改良計画」を今年度末までに提出することが求められていました。

今回、同法に基づき提出された改良計画では、上述のとおり、「西大寺駅の高架化」「近鉄奈良線の南側への移設及び地下化」により、当該区間に8ヶ所存在する踏切を解消する計画となっています。


やはり注目は、「近鉄奈良線の南側の移設」で、この区間は「平城宮跡」を横切る区間として、古都・奈良を象徴する区間で有名であります。
DSC_0026
▲大和西大寺駅〜新大宮間で通過する平城宮跡。
復元された「朱雀門」も車窓から眺めることができます。

平城京が存在したのは、およそ80年程度ですが、それよりも長い期間、この地を走り続けている近鉄線が、今回の計画により平城宮跡から移設されることとなります。


これで平城宮跡を走る近鉄線の姿を見ることもできなくなるのか、と思われますが、その工事完成予定時期を見ますと、令和42年度(2060年度)と、これから40年も先の話になりそうです。

このブログでも、10年や20年くらい先の計画についてご紹介はしていますが、流石にこれから40年後の2060年度の話となると、私自身この世に生きているのか、といった根本的な問題が出てきそうです。

その頃になると恐らく85歳くらいとなっているはずで、男性の平均寿命よりもかなり長く生きながらえなければ、この目で移設された姿を見ることができないので、残念ながらその姿をみることができない可能性も出てくる計画を、初めてこのブログでご紹介することになりそうです。


逆に言えば、いましばらくは、平城宮跡を走り抜ける近鉄電車を見続けることはできるわけですので、その姿が過去のものになる前に、しっかりと記録しておきたいニュースであります。




↓↓鉄道系ブログ・ニュースポータルサイト「鉄道コム」はこちらをクリック↓↓
鉄道コム