当ブログでは、鉄道や交通関係の書籍・雑誌について、個人的に興味の持ったものを中心にご紹介しています。

今回ご紹介するのは、鉄道ピクトリアルの最新号であります。
特集名は「私鉄の夜行列車」です。

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鉄道ピクトリアル 2021年 05月号 [雑誌]
鉄道ピクトリアル 2021年 05月号 [雑誌]



現在、JRグループでも定期列車としては「サンライズ出雲・瀬戸」のみ、そして臨時列車を含めてもクルーズトレインや観光列車といった、ごく限られた存在となってしまった夜行列車でありますが、かつてはそれこそ全国津々浦々でその姿をみることができました。

一方で、国鉄・JRを除く私鉄では、国鉄・JR線と直通する列車や、スキー、登山等の早朝から活動が求められる行楽への手段として、設定されていた過去がありました。

前者の例としては、南海電鉄から国鉄紀勢本線へ直通して、新宮まで運転されていた直通夜行列車、そして後者の例は東武鉄道で現在も設定されている「スノーパル」「尾瀬夜行」「日光夜行」が代表的な例といえるでしょう。

その他、富士急行、長野電鉄、上信電鉄、松本電鉄、富山地方鉄道といった地方私鉄、また首都圏に近い伊豆急行でも終点の伊豆急下田到着後の仮泊列車といった事例も、今回の特集で余すところなく紹介されています。


今回の特集では、特に東武鉄道と南海電鉄の夜行列車の歴史に大河のページが割かれています。

東武鉄道の夜行列車は、現在の「スノーパル」「尾瀬夜行」「日光夜行」のはるか以前からシーズンに設定されており、かつては赤城方面への夜行列車も設定されており、記事中の写真などから当時のレジャー事情も垣間見える、興味深い内容でありました。

一方、南海電鉄の夜行列車では、国鉄線直通列車に連結されていた「サハ4801」が特徴的で、同車両が南海線内は電車牽引、国鉄線内は国鉄線列車に併結という独特の運行スタイルを写した多くの写真は、もうそれだけで貴重な記録と言えそうです。
また本文でもこのサハ4801も含めた南海電鉄から国鉄への夜行列車に使用された車両やその運用など、まとまった記録としても読みごたえのあるものと感じました。


「私鉄の夜行列車」という、かなりマイナーな特集テーマでありますが、個人的には大いにツボにはまった今回の特集号でありましたので、ご紹介してみましたので、興味ある方は是非手に取ってみてはいかがでしょうか。




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