JR西日本では、2024年春に開業を予定している、北陸新幹線(金沢〜敦賀間)の新駅名を発表しました。

「北陸新幹線(金沢〜敦賀間)」新駅の駅名について:JR西日本

概要は以下の通りです。

【新駅名】
(仮称)南越駅の正式駅名:「越前たけふ(えちぜんたけふ)」駅。

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(上記発表資料(https://www.westjr.co.jp/press/article/2021/05/page_17841.html)より引用)


詳細は、上記発表資料をご覧下さい。



北陸新幹線の金沢〜敦賀間は、当初2023年春の開業でありましたが、昨年になって工事の遅延と工事地増額の見通しが明らかとなり、新たな開業時期は2023年度末(2024年春)が示されたところです。
北陸新幹線の敦賀開業「2023年度末」に 1年延期 2658億円増で計画変更認可 | 乗りものニュース

今回開業予定の区間では、多くの駅が在来線と併設されることとなりますが、唯一単独の駅となる(仮称)南越駅について、今回「越前たけふ」駅と命名されることが発表されました。
なお、JR西日本の新幹線駅名でひらがなを使うのは初めてとのことです。

ところでこの「越前たけふ」という駅名ですが、ひらがなでなく漢字の「武生」という名称が、既に存在しているところに注目です。

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福井鉄道の「越前武生」駅であります。
かつては、「武生新」と称していましたが、武生市と今立町と合併し「越前市」となったことから、2010年3月に現在の駅名「越前武生」に改称されました。
写真は、改称して間もない2010年7月に訪問した際の記録でありますが、まさか同じ読み方の駅名が(仮称)南越駅の正式名称として使用されることになるとは、訪問した際には思いもしませんでした。

福井鉄道の「越前武生」駅については、同社が越前市の費用負担を条件に駅名変更に応じる考えを示していることが、一部で報道されている旨、下記Webニュース記事でも報じられています。
北陸新幹線福井県内の仮称・南越駅は「越前たけふ」駅に…福井鉄道にも同読みの駅 | レスポンス(Response.jp)

福鉄「越前武生」駅が改称されるとなれば、「福鉄武生」あたりが無難なところかも知れませんが、こちらの駅名についても、今後注目していきたいところではあります。



【関連ニュースサイト】
JR西、北陸新幹線の新駅名を「越前たけふ」に決定 - 鉄道コム
2024年春 北陸新幹線で「ひらがな初使用」の新駅誕生へ 金沢〜敦賀間の延伸開業区間 | 乗りものニュース
JR西日本,北陸新幹線 金沢—敦賀間の駅名を決定 〜福井—敦賀間に設置される新駅は「越前たけふ」駅に〜|鉄道ニュース|2021年5月14日掲載|鉄道ファン・railf.jp
北陸新幹線 福井駅〜敦賀駅間の新駅名は「越前たけふ駅」に決定。JR西日本の新幹線駅で初めてひらがな使用 - トラベル Watch
北陸新幹線の新駅名、「越前たけふ」に 福井〜敦賀間に設置 - TRAICY(トライシー)



【関連ブログ】
【北陸新幹線】越前市新駅名は「越前たけふ」に決定! | 鉄道プレス
【越前たけふ】駅名被ったけど大丈夫!北陸新幹線南越駅 駅名決定 | Pass-case


【余談ではありますが、福井県内の並行在来線会社名について】

今回の「越前たけふ」「越前武生」の駅名とは関係ありませんが、名称という意味では、福井県内の並行在来線会社の会社名も気になるところです。
福井県並行在来線準備株式会社
現在は「福井県並行在来線準備株式会社」という名称ですが、「準備」とあるように、営業開始までにいずれ会社名が変更されることが予定されています。

その際、問題になるのが、既に福井県内には「福井鉄道」(略称・福鉄)、「えちぜん鉄道」(略称・えち鉄)という、「県名」「旧国名」を記した鉄道事業者が存在していること、またその略称が定着している点でありましょう。

そのため並行在来線会社の会社名には、福井鉄道、えちぜん鉄道の両社と混同されないような名称及び略称が求められます。

加えて、県内随一の河川である「九頭竜川」に因んで「くずりゅう鉄道」というのもあり得るかも知れませんが、そうすると今度は略称が「くず鉄」という、鉄道会社としてはあまり有り難くないものとなるため、これも採用することは難しいかも知れません。

更に、並行在来線という観点では、敦賀以南の延伸で、小浜線が並行在来線となるのか否かの扱いも、この会社名にも少なからず影響を及ぼすことになるかも知れません。
言うまでもなく、小浜線の沿線となると「若狭国」の地域も含まれ、そこに走るであろう会社名に「越前○○鉄道」という名称を付けるのも、旧若狭国エリアの住民感情を考慮すると、これまた可能性としては低いかも知れません。

現在のところ、敦賀以南の延伸での並行在来線が相当する区間については、全く議論はなされてはいないのですが、それが故に小浜線が並行在来線と扱われる可能性も見込んで会社名を考える必要があるかも知れません。


素人の私が思いつくだけで、これだけ色々な条件をクリアする会社名を採用する必要があるので、会社名決定の際には相当苦労があるのかな、とも思います。
個人的には、「ふくいザウルス鉄道」(略称・ザウ鉄)「福井きょうりゅう鉄道」(略称・きょうりゅう鉄道)といったように、旧国名でなく県名を、そして福井県で有名な「恐竜」を採用してしまう、というのもあるかも知れないな、と思った次第です。

ちなみにNHK福井放送局の夕方6時台のニュース番組名は「ニュースザウルスふくい」とのことですので、県内全域を網羅する並行在来線会社名としても、採用に耐えうるものではないか、とも思います。
【参考】
ニュースザウルスふくい - NHK

先行して並行在来線を運営している「あいの風とやま鉄道」「IRいしかわ鉄道」は、いずれも会社名が現在の名称に決定したのは、開業の2年3ヶ月ほど前とのことでした。
(両社とも2013年6月に現在の名称に決定)

逆算すれば、福井県内の並行在来線会社の会社名が決定するのは、2021年末から2022年はじめになるのでは、とも思います。
上述のように、会社名の決定には諸条件をクリアする必要のあるので、果たしてどのように決定していくのか、今後注目していきたいところであります。