JR九州では、来年(2022年)秋に西九州新幹線(武雄温泉〜長崎間)の開業を予定しています。


整備新幹線開業後の並行在来線については、基本的に第三セクター鉄道に移管されて運営されることとなっていますが、この西九州新幹線の並行在来線については、肥前山口〜諫早間において、新幹線開業後上下分離方式を導入し、JR九州が新幹線開業時点から23年間運行を維持することとなっています。
(諫早〜長崎間は引き続きJR九州が上下一体で運営。)

その上下分離方式の導入に向けた手続きの一つとして、同区間の第一種鉄道事業を廃止する届出があったことが、国土交通省九州運輸局より発表がありました。


九州旅客鉄道株式会社の鉄道事業の一部を廃止する届出及び本届出に係る公衆の利便の確保に関する意見の聴取について|国土交通省九州運輸局

概要は以下の通りです。

【届出日】
令和3年8月31日

【届出事項】
鉄道事業法第28条の2第1項の規程による第一種鉄道事業の一部廃止

【廃止の届出のあった路線・区間】
長崎線 肥前山口駅〜諫早駅間 60.8km

【廃止を予定する日】
九州新幹線(武雄温泉・長崎間)開業日(令和4年秋頃を予定)

【その他】
上記廃止届出の区間については、JR九州から第二種鉄道事業許可申請書、一般社団法人佐賀・長崎鉄道管理センターから第三種鉄道事業許可申請書が提出済

【参考資料】
kyushu_unyukyoku_nagasakiline
(上記発表資料(https://wwwtb.mlit.go.jp/kyushu/content/000244051.pdf)より引用)


詳細は、上記発表資料をご覧下さい。



冒頭でも記したように、これまで整備新幹線の開業に伴う並行在来線区間については、基本的に地元が負担するというスキームのもと、沿線自治体等が出資する第三セクター鉄道が引き継ぐことが基本的な流れとなっていました(一部例外あり)。

今回の西九州新幹線区間で、並行在来線として扱われる肥前山口〜長崎のうち、長崎市内への近郊輸送が多い諫早〜長崎間はJR九州が引き続き運行する一方、肥前山口〜諫早間は第三セクター鉄道が線路等の設備を保有し、運営はJR九州が行う、上下分離方式を採用することとなりました。
今回の手続きは、その上下分離方式への一環となります。

並行在来線は地元移管が基本、というスキームの例外とでもいうべき、この肥前山口〜諫早間ですが、新幹線開業区間が長崎本線ではなく大村線沿線であること、一方新幹線開業に伴い特急列車が激減するのは、他ならぬ長崎保線であることもあり、こういった歪な運営方法となったのは、ある意味特徴的かも知れません。

また、JR九州による運営機関が開業から23年と、期限が設けられているのも特徴的です。
当初の23年間はJR九州が第二種事業者として「上」の部分を運営し続けるとして、その後はどうするのか、といったところも、将来注目せざるを得ない点といえるでしょう。

そもそも、コロナ禍後の需要回復が見通せない中、果たして23年間もこの区間をJR九州が運営し続けることができるのか、ということさえも気になる昨今の状況ですが、ともあれ、関係者で合意に達した枠組みですから、まずはそのスタートが確実に行われることを願いたいところです。



なお、引き続きJR九州が上下一体で運営する諫早〜長崎間については、新幹線開業を期に電化設備が撤去されることとなっています。
これは、上述の肥前山口〜諫早間では、既存の電化設備を残すのが肥前浜以北となるため、肥前浜〜諫早間は非電化となること、また諫早で接続する大村線が非電化であるため、電化設備を有する車両を送り込むことができなくなることが理由とされています。

1976年(昭和51年)に全線電化し、485系特急「かもめ」が走り始めた長崎本線ですが、それから46年後に、その半分以上が非電化化されることになるとは、電化当時は想像さえもされなかったのではないか、とも思われます。

時刻表の索引地図上では、既存の路線に西九州新幹線が加わるだけですが、そこを走る列車は大きく変わることが予想される長崎本線。
機会があれば、非電化化前の長崎本線の姿を見にいくことができればいいな、と同時に感じたニュースでありました。




【関連ニュースサイト】
JR九州、上下分離に向け長崎本線の第一種鉄道事業廃止を届出 - 鉄道コム
長崎本線肥前山口-諫早間の第一種鉄道事業廃止を届出…23年間は上下分離で運行 西九州新幹線の並行在来線 | レスポンス(Response.jp)



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