南海電鉄では、特急「サザン」の指定車を活用し、貨客混載の実証実験を実施することを発表しました。

特急「サザン」指定車を活用し、貨客混載事業の実証実験を実施します。〜沿線エリア「岬町」で養殖する「クエ」の鮮度を保ってなんばこめじるし「大阪産料理 空(そら)」にお届け!〜|南海電鉄

概要は以下の通りです。

【目的】
・鉄道輸送を活用した新しい価値の創造
輸送頻度と速達性に優れる鉄道の特性を活かし、また同社特急車両の未活用スペースを利用することにより、これまでにない特急「サザン」の活用方法を実証し、今後の新たな事業展開を模索。

・沿線エリアの豊かな自然資源を、多くの顧客に楽しんでもらえる機会の創出

・エネルギー効率に優れた、地球環境にやさしい鉄道輸送によるCO2の削減

・沿線に根ざす企業の支援


【実施期間】
2021年12月1日(水)〜12月24日(金)のうち、仕入が必要な日

【貨客輸送区間】
みさき公園駅から難波駅まで

【荷物管理】
南海電鉄従業員が、養殖場から食材(クエ)を受け取り、特急「サザン」指定車に乗車のうえ、「大阪産料理 空」(なんばCITY飲食ゾーン「なんばこめじるし」内)へ配送

【提供】
当日活〆された食材(クエ)を、夕食時間帯に提供(16時30分〜22時)


詳細は、上記発表資料をご覧下さい。



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▲特急「サザン」。
和歌山港方4両が「指定車」となっており、今回この車両を利用した貨客混載の実証実験が実施されます。


旅客列車やバスの空いたスペースを活用し、貨物輸送を実施する「貨客混載」。
今後、労働力人口が減少することを見越して、コロナ禍前から少しずつ実施されている事例はありましたが、このコロナ禍で旅客列車の利用者が激減する一方、通販等の物流ニーズが底堅いこともあり、地方の中小事業者のみならず、都市部の大手鉄道事業者も様々な形でこの「貨客混載」を始める事例が出てきています。


今回南海電鉄が実施するのは、大阪府最南端の自治体・岬町の養殖場から、なんばCITY内の店舗へ「クエ」を、特急「サザン」の指定車を利用して輸送するものであります。

これまではトラックで店舗まで配送しているとのことですが、当該店舗が南海難波駅の構内(なんばCITY)にあるため、トラック輸送に対する優位性があることもあり、今回実証実験の対象として選ばれたものと思われます。


さて、その「クエ」を運ぶのが、南海線の特急「サザン」でありますが、この「サザン」のどのスペースを活用して「クエ」を輸送するのか。

上記の発表資料では、「当社特急車両の未活用スペースを利用」と記されています。

特急「サザン」の未活用スペース、として思いつくのは、このスペースではないでしょうか。

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10000系「サザン」2号車の難波寄りにあるこのスペースであります。
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このように「サービスコーナー」として自販機が設置されていますが、その向かい側にアコーディオンカーテンで閉ざされた、カウンターのようなものがあります。


このスペース、特急「サザン」が4両に増結(または改造)された車両に設けられたもので、増結当初は売店として活用されていたようですが、ほどなく売店としての営業は終了し、その後30年近くでしょうか、このような「閉ざされた空間」として残ったままとなっています。

一方、「クエ」に限らず魚類の輸送は少なからず臭いもあり得ることから、通常の客室に持ち込むのは難しいと考えられますし、上記の「未活用スペースの利用」という意味では、このサービスコーナーの売店跡を利用する可能性が高いのではないのでしょうか。

この特急「サザン」による貨客混載、予想通り売店跡が利用されているのかも含めて、実際この目で見たい気持ちはあるのですが、何せ「仕入の必要な特定日」のみ実施とのことですので、見てみるのは難しそうではあります。

ただ、実証実験の結果、恒常的に「サザン」で「クエ」の輸送が実施されれば、思いがけずこの貨客混載の場面に遭遇することもあり得ると思われますので、まずは実証実験での良好な結果を期待したいな、と感じたニュースでありました。




【関連ブログ】
【南海】サザン、魚を運ぶ(南海電鉄の貨客混載実験がスタート)




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