JR東日本では、乗客の利用状況や経営環境の変化、チケットレスサービスの普及などを踏まえ、2022年9月末をもって、JR東日本線内完結となる全区間の普通回数乗車券の発売を終了することを発表しました。

普通回数乗車券の発売終了について|JR東日本

概要は以下のとおりです。

【発売終了する区間】
JR東日本線内完結となる全区間
(身体障害者割引、知的障害者割引および通学用割引の普通回数乗車券は引き続き発売)

【発売終了時期】
2022年9月30日(金)

【その他】
回数券サービス終了後は、Suicaチャージ残高で回数券のように繰り返し利用することにより、JRE POINTを還元する「リピートポイントサービス」を利用可能。
jreast_suica_repeatpoint
▲リピートポイントサービスの概要
(上記発表資料(https://www.jreast.co.jp/press/2022/20220426_ho01.pdf)より引用)


詳細は、上記発表資料をご覧下さい。



交通系ICカードの普及に加えて昨今のコロナ禍による収入確保の観点もあり、JR・民鉄問わず、「回数券」という制度の見直し(廃止)が進んでおり、既にJRグループではJR西日本、JR九州が廃止をしています。




このうち、JR九州は同社内完結全区間廃止で代替となる割引サービスは特になし、一方JR西日本ではICOCAエリア相互間のみ廃止で、代替となる割引サービスとしてICOCAポイントの付与を用意しています。

今回のJR東日本でのケースでは、同社内全区間廃止となる一方、代替となる割引サービスについては、Suicaエリア相互間では「リピートポイントサービス」が利用可能であるものの、Suicaエリア外の場合はそういった割引(還元)サービスは用意されておらず、実質的な値上げ、ともいえます。

勿論、ここまで大きく見直しを実施したのは、ひとえに新型コロナウイルス感染症による影響と、その後の利用者の回復がコロナ禍前の水準に達しないことから、割引サービスの見直しを迫られていること、そしてチケットレスサービスの普及により回数券に代わる、より低コストで運営可能な割引サービスへの転換が可能になった、という点があるでしょう。

その点は、他の鉄道事業者も同様であるかと思われますが、JR東日本という規模の大きな事業者が回数券廃止に踏み切ったことは、今後同様の動きが更に加速するものと考えられます。


少し前までは当たり前の商品であった「回数券」が、こうも見直しが続くとは、コロナ禍前には想像もつかなかった、というのが正直な感想でしょうか。

今後、どういった事業者が回数券の見直しに着手していくのか、注目していきたいとも思います。



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