JR四国では、利用者の状況や同社を取り巻く経営環境の変化を踏まえ、2022年9月末をもって、JR四国線内完結となる普通回数乗車券(11枚回数券)の発売を終了することを発表しました。

普通回数乗車券の発売終了について|JR四国

概要は以下のとおりです。

【発売を終了する区間】
JR四国線内完結となる全区間
(※)身体障害者用、知的障害者用及び通学用の割引普通回数乗車券は発売を継続

【発売終了時期】
2022年9月30日(金)
(※)発売終了後も、購入済みの普通回数乗車券は有効期間満了まで利用可能


詳細は、上記発表資料をご覧下さい。



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▲JR四国・多度津駅に停車中の2700系と7000系。

新型コロナウイルス感染症の影響による経営環境の変化もあり、JRグループ各社では普通回数乗車券の見直しが進んでいます。
既に、JR西日本(ICOCAエリア内)、JR九州(同社内完結全線)で既に発売を終了しており、この9月にはJR東日本(同社内完結全線、JR東海にまたがる区間)、JR東海(同社内完結全線、JR東日本にまたがる区間)での普通回数乗車券の発売終了が発表されています。
阪和線の沿線から : 【JR西日本】ICOCAエリア内の普通回数券発売終了を発表(2021.9.30)代替でICOCAポイント付与率拡充
阪和線の沿線から : 【JR九州】普通回数券の発売終了を発表(2021.6.30限り)代替措置は無し
阪和線の沿線から : 【JR東日本】普通回数乗車券の発売終了を発表(2022年9月末)Suicaエリア外も含めたJR東日本内完結区間は全区間で発売終了
阪和線の沿線から : 【JR東海】普通回数乗車券の発売終了を発表(2022.9.30)


今回、これら4社に加え、JR四国でも普通回数乗車券(11枚つづり)の発売を終了することが発表されました。
理由は他のJR各社と同様、経営環境の変化に伴うものであります。
発売終了時期は、JR東日本・JR東海と同じく今年9月末限りとなります。



ここまでの内容なら、一連の普通回数乗車券の見直しで、利用者に対して実質値上げとなる内容であり、JR四国も同様の対応、ということになるかと思います。

ただ、JR四国ではこれとは別に「6枚回数券」という商品も発売しています。
6枚回数券 |四国旅行 JR四国ツアー(駅コミ)
この6枚回数券、読んで字の如く「6枚つづりの回数券」というわけですが、注目はその価格であります。

上記商品案内によると、「6枚回数券」の金額は以下の通り計算されます。
<大人>
ご利用区間の大人片道普通旅客運賃を6倍した額を1割引きし、10円未満のは数を切り捨てた額。
例)高松〜国分(大人)運賃260円
260円×6×0.9=1,404円
回数券のおねだん=1,400円

つまり、1枚あたり1割引の回数券となるわけですが、この割引率は、実は普通回数券(11枚つづりで10枚分の価格)よりも若干高い(すなわち安い)ものとなっています。
(※)
普通回数券の割引率=10÷11≒0.91・・・約9%の割引

また、利用区間についても、「JR四国線内の片道200km以内の駅相互間」となっていることも考えると、普通回数乗車券発売終了後も引き続き「6枚回数券」を利用することで割引利用が可能である、といえるでしょう。

他のJR各社のように、ICカードのポイントサービスや、そもそも代替措置がないことから実質値上げとなるケースが多い回数券の発売終了ですが、ことJR四国に関しては、それは直接当てはまらなさそうなので、他のメディアのニュースを見る上では注意が必要であります。

とはいえ、JR四国とて更に経営状況が悪化すれば、将来的にこの「6枚回数券」についても何らかの見直しが行われる可能性があることは、容易に想像できますので、この手の見直しが更に進む前に利用者の回復が軌道に乗ればいいな、と願いたいと思ったニュースでありました。




【関連ニュースサイト】
JR四国 普通回数券 発売終了(2022年9月30日) - 鉄道コム

JR四国 割り引きとなる普通回数券の販売 ことし9月末で終了へ | NHK | 新型コロナ 経済影響
11枚つづり普通回数券、9月末で販売終了 JR四国|愛媛新聞ONLINE
(NHK及び愛媛新聞では、「6枚回数券」の販売が継続される旨、報道されていますので、併せてご確認ください。)



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