下記記事でご紹介したように、京都鉄道博物館では、「建築限界測定用試験車」オヤ31形31号車の展示を実施しています。

阪和線の沿線から : 【京都鉄道博物館】オヤ31形31号車の展示を実施。いわゆる「オイラン車」の貴重な展示(2022.7.26〜8.14)

建築限界が守られているかどうかを測定するため、車体から矢羽根が突き出している、その姿が「花魁(おいらん)」のようであることから、「オイラン車」という愛称が付けられています。


このオヤ31形ですが、その目的が「周囲の建築物が線路に支障となっていないか」を確認するための車両であります。
そのため、当たり前ですが実際に使用されるのは、新規路線や高架化等の線路の付け替え等での試験走行時のみとなるため、実際に目にする機会も非常に限られます。

加えて、近年の技術の発達により、こういった建築限界の測定はレーダー等を用いることで可能となることから、このオヤ31形とてそう遠くない将来には置き換えが考えられるのではないか、とも思われます。


そんな貴重な「オイラン車」オヤ31形が、今回京都鉄道博物館の引き込み線で展示されることなりましたので、早速見に行くことにしました。

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▲オヤ31形
前後で印象が異なっており、特徴的な「矢羽根」のある側が、よく見られる「オヤ31形」といえるでしょう。

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▲矢羽根の設置されている側を真正面から撮影してみます。

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▲矢羽根の部分をアップしてみます。

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▲車両中央部分にも矢羽根がついており、カーブを通過する際の建築限界を測定することができます。

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▲車両番号と矢羽根。

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▲矢羽根のみを更にズームアップしてみます。


今回の展示では、8月4日まで車内を公開していましたので、こちらもじっくり見に行くことにします。

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▲こちらが丁度「矢羽根」の内側となります。
試験走行の際、仮に建築限界を超えていた場合は、この矢羽根が動く様子が、車内からでもモニタリングすることで分かるようになっています。
「オイラン車」の矢羽根の様子は、外からは写真等でご覧になった方も多いかと思いますが、その内側はこのようになっていた、というのは貴重な記録ではないでしょうか。

また車内には、矢羽根1本ごとの番号が付けられています。この番号は、矢羽根の外側にも同様の番号か書かれていて、どのあたりが支障となっているのか、番号で把握することができるようになっています。

そして、このオヤ31形を上から眺めてみます。
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▲天井側から「オや31形」を眺めることができる機会は、そうそう無いのではないのでしょうか。
このように、「天窓」があるのも、天井から眺めないと分かりませんね。




以上が、京都鉄道博物館での「オイラン車」オヤ31形の展示の様子でありました。
京都鉄道博物館では、営業線と接続した引き込み線を使用して、様々な現役車両の展示を行っています。

その一部はこのブログでも取り上げていますが、まさか「オイラン車」がここで展示されるとは、思ってもみませんでした。

私が訪問した時も、平日の夕方にも関わらず、絶えず鉄道ファンが撮影に勤しんでおり、その注目度の高さがそういった所からもうかがえました。


この「オヤ31形」の展示は、8月14日まで実施となっています。
「オヤ31形31号車」特別展示関連イベントのおしらせ|京都鉄道博物館

残念ながら、車内の見学は本日(8月4日)をもって終了となりましたが、8月12日(金)からはDE10型ディーゼル機関車との連結シーンも公開されるとのことですので、この夏休み、是非京都鉄道博物館を訪問してみてはいかがでしょうか。





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