2023年3月に開業する相模鉄道(相鉄)及び東急の新横浜線(羽沢横浜国大〜新横浜〜日吉)について、この度両社では旅客運賃設定に係る認可申請を行った旨、発表しました。

相鉄・東急直通線の運賃認可申請および直通線定期券の新サービス導入【相模鉄道】 | 相鉄グループ
2023年3月開業予定の東急新横浜線の旅客運賃設定に係る認可申請を実施|ニュースリリース|東急電鉄株式会社

概要は以下のとおりです。

【概要】
新線建設などにかかった設備投資費用の一部を利用者に負担させるため、両社新横浜線の区間、または他の区間にまたがって乗車する場合に、基本運賃に加え加算運賃を設定。

【加算運賃】
<相鉄(羽沢横浜国大〜新横浜)>
普通旅客運賃:40円
通勤定期旅客運賃(1ヶ月):1,520円
通学定期旅客運賃(1ヶ月):580円

<東急(新横浜〜日吉)>
普通旅客運賃:70円
通勤定期旅客運賃(1ヶ月):2,620円
通学定期旅客運賃(1ヶ月):970円

【定期券に関する特例】
<相鉄>
相鉄新横浜線・西谷〜新横浜間を含むIC通勤定期乗車券を所持する利用者は、追加運賃不要で相鉄本線・横浜駅の乗降が可能。
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(上記発表資料(https://www.sotetsu.co.jp/pressrelease/train/r22-120/)より引用)
(※)相鉄の特例は、IC通学定期乗車券及び磁気定期乗車券は対象外。

<東急>
新綱島駅(新横浜線)と綱島駅(東横線)が非常に近接した位置にあるため、日吉〜新綱島または日吉〜綱島のいずれか1区間の定期券を所持している場合、両駅での乗降が可能。
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(上記発表資料(https://www.tokyu.co.jp/company/news/list/Pid=post_435.html)より引用)


詳細は、上記発表資料をご覧下さい。



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▲相鉄横浜駅に停車中の9000系。
来年3月開業の「新横浜線」(西谷〜新横浜間)の通勤定期券を利用している場合、この横浜駅での乗降が可能となります。


来年3月開業予定の相鉄・東急の新横浜線。
これまでJR横浜線と横浜市営地下鉄が乗り入れていたこの駅に、相鉄と東急が新たに乗り入れることにより、この新横浜駅へのアクセスが格段に向上することになります。

これは、単に関東地方方々のみならず、東海道新幹線沿線の人々にとっても朗報でありますので、その開業を待ち遠しく思っている方も多いのではないのでしょうか。


今回その新たに開業する両社の「新横浜線」について、加算運賃等が発表されました。
加算運賃の額は上記のとおりですが、今回の発表で注目したのは、定期券に関する特例です。

まず相鉄では、新横浜線を含む区間の定期券を利用している場合、追加運賃不要で横浜駅での乗降が可能となります。
相鉄の発表資料では、「平日は新横浜線経由で通勤、休日は横浜駅周辺での買い物」といった利用が可能となります。

類似の例(新線開業に伴い、既存ターミナル駅での定期乗車券乗降が利用可能)というのは、丁度阪神電鉄・なんば線の定期券で大阪梅田駅の乗降が可能となるケースがあります。
定期券|運賃・乗車券|阪神電車
九条駅−大物駅(全区間)を含む通勤定期券をご利用のお客さま(OSAKAどっちも定期)

・九条駅−大物駅間(全区間)を含む通勤定期券(IC定期券を含む)をご利用の場合、(阪神)大阪梅田駅でも乗り降りできます。
なお、選択乗車でのご乗車時に福島駅−杭瀬駅間で乗り降りされた場合は、別途運賃が必要です。
※IC定期券で福島駅−杭瀬駅間で乗り降りされた場合は、実乗車区間(PiTaPaはポストペイ(後日口座引き落とし))の運賃をいただきます。
※通学定期券は対象外となります。
(上記Webサイトより引用)

阪神の場合は磁気定期券も対象となりますが、一方で通勤定期のみ対象、という点は今回の相鉄新横浜線の特例と共通なのは興味深いところです。


一方東急新横浜線では、新横浜線の新綱島と、東急線の綱島の両駅が近いことから、これら両駅のいずれかを含む区間の定期券で、もう片方の駅が乗降可能となる特例を設けます。

これについても、類似の例として、京阪電鉄の大江橋(中之島線)と淀屋橋(京阪線)、なにわ橋(中之島線)と北浜(京阪線)というケースがあります。
定期券|きっぷ・ICカード|電車・駅のご案内|京阪電気鉄道株式会社
定期券の特例扱いについて

定期券の場合、「大江橋駅」「淀屋橋駅」のどちらか一方をご利用いただける定期券であれば、もう一方の駅でも乗り降りができます。
同じく、「なにわ橋駅」「北浜駅」のどちらか一方をご利用いただける定期券であれば、もう一方の駅でも乗り降りができます。
例えば、「京橋駅〜淀屋橋駅」の定期券をお持ちの場合、券面区間「京橋駅〜淀屋橋駅」に加えて、「なにわ橋駅」「大江橋駅」でも乗り降りができます。
(上記Webサイトより引用)



私自身が、これら新横浜線の定期券を利用する可能性は、現在のところかなり低いと思われますが、一方で関西地区で既に実績のある別々の特例が、この新横浜線の開業を契機に両社で採用されるのも、少し面白いなと感じ、ご紹介してみたニュースでありました。




【関連ニュースサイト】


新横浜直通の定期券で「横浜駅もOK」 相鉄が特例設定 運賃詳細あきらかに | 乗りものニュース

東急新横浜線へ加算運賃 認可申請へ 定期券なら綱島・新綱島の両駅利用可 | 乗りものニュース

3月開業「東急新横浜線」は70円加算 新横浜-日吉が250円 - Impress Watch

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相鉄・東急直通線の運賃認可を申請 〜直通線IC通勤定期券利用者向けの新サービスを導入へ〜|鉄道ニュース|2022年8月10日掲載|鉄道ファン・railf.jp

東急新横浜線の運賃認可を申請|鉄道ニュース|2022年8月10日掲載|鉄道ファン・railf.jp



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