JR北海道では、今年の6月に発表した「JR北海道グループ経営改善に関する取り組み」の報告の中で、「2両ワンマン電車」の新製検討を行うことを表明していました。
(過去記事)
阪和線の沿線から : 【JR北海道】H100形気動車の観光列車化改造を実施へ。2022年度の経営改善に関する取り組みで発表

今回、この2両ワンマン電車となる新型車両「737系」の導入が発表されました。

【社長会見】737系通勤形交流電車が登場します|JR北海道

概要は以下のとおりです。

【車両形式】
737系通勤型交流電車

【車両仕様】
・2両(1M1T)最大6両まで併結可能
・アルミ合金製車体
・オールロングシートの室内

【車両落成時期】
2022年冬に最初の編成が落成、2023年春までに順次落成

【車両運用時期】
2023年春より室蘭線(苫小牧〜室蘭間)で運用予定

【デザイン】
・エクステリア:
優しさが感じられ、親しみやすく明るく若々しいイメージとして「さくらいろ」をイメージした淡いピンク色の塗装。
jrhokkaido_737_exterior


・インテリア:
乗降ドアを淡いピンク色、座席は北海道内に咲く色とりどりの華をイメージしたドットをちりばめたデザイン。
jrhokkaido_737_interior

(いずれも上記発表資料(https://www.jrhokkaido.co.jp/CM/Info/press/pdf/220817_KO_737.pdf)より引用)


詳細は、上記発表資料をご覧下さい。



冒頭の当ブログ過去記事でも触れたように、JR北海道では2両ワンマン電車の新製を検討していました。
これまで同社の通勤型電車(721系・731系・733系・735系)はいずれも3両編成でしたが、より利用者の少ない電化区間に導入するため、2両編成でワンマン運転ができる電車の新製を行うこととしていました。

上記過去記事で触れたJR北海道グループの中期経営計画でも、733系を2両編成にしたイラストが掲載されていたこともあり、てっきり「733系2両バージョン」が導入されると思いきや、新形式の導入、しかもエクステリアは同社で既に導入している電気式気動車「H100形」に似たデザインということで、意外に思われた方も多かったのではないかと思います。

一方投入線区は、室蘭線の苫小牧〜室蘭間が挙げられています。
この区間では、かつては711系・721系といった電車が普通列車として運用されていましたが、現在はキハ141系またはH100形といったディーゼルカーにより運行されています。

折角の電化設備があるにも関わらず、利用しているのは特急「すずらん」6往復のみという、設備の利用という観点では勿体ないとも思える状態が続いていました。

しかし今回、737系が導入され、本区間の普通列車も再び電車化されることにより、電化設備も現在より有効的に活用されるのかな、とも思ったりしました。


一方で、札沼線が電化された後も、当区間で運用されてきたキハ143形についても、その引退の時期が近づいている、とも考えられるでしょう。

元は「レッドトレイン」50系51形から改造されたキハ143形。
誰しも思いつく改造でありながら、実際の成功が難しい「客車の気動車化」で、ほぼ唯一の成功例といってよいのが、この141系でしょうか。
もはや「客車」よりも「気動車」としての経歴が長くなってしまいましたが、その数奇な活躍も、間もなく見納めとなりそうです。

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▲東室蘭駅に停車中のキハ143形。
737系電車の導入により、この駅でも見納めとなりそうです。



ところで「737」という数字から、こちらの乗りものを想像された方も少なからずおられるかもしれません。
DSC05913_R

旅客機の「ボーイング737」です。

本当にどうでもいい話ですが、ボーイングの機種名とJRグループの型式番号が同じとなるのは、今回の「737」で3例目となりますでしょうか。

・717:
JR・・・東北・九州向け近郊型電車
ボーイング・・・ナローボディ・リアエンジン2発の旅客機

・787:
JR・・・九州の特急型電車
ボーイング・・・ワイドボディ・2発エンジンの中型旅客機

・737:
JR・・・JR北海道の通勤形電車
ボーイング・・・ナローボディ・2発エンジンの小型旅客機


旧国鉄の形式ルールでは、百の位が「7」は交流形電車となっており、そのルールをJR各社は基本的に引き継いでいます。
今後類似の例があるとすれば、757や727あたりが考えられそうですが、いずれもJRグループでは、751系・E721系と、一の位が「1」だけのため、相当系式のモデルチェンジが進まないと、このようなボーイング旅客機とのダブりは見られないのかなとも、余談ではありますが、感じたニュースでありました。



【関連ブログ】
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【JR北海道】通勤形交流電車「737系」導入へ - kqtrain.net(京浜急行)

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列車番号T-TAKE(てぃーていく) : JR北海道737系の登場(+2004年の運用表、検査標)



【関連ニュースサイト】


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JR北海道,737系を導入 〜キハ143形などを置換えへ〜|鉄道ニュース|2022年8月17日掲載|鉄道ファン・railf.jp

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