長崎本線の諌早から、島原半島の中央部の島原港を結ぶ島原鉄道(島鉄)では、来る9月23日の西九州新幹線に併せてダイヤ改正を実施することを発表しました。

ダイヤ改正について | 新着情報 | 島原鉄道

概要は以下のとおりです。

【実施日】
2022年9月23日(金・祝)

【改正点】
・平日一部列車の運行時刻を変更します。
・土日祝日に休日ダイヤを導入します。

【改正前後の本数比較】
・改正前
諫早・本諫早〜島原港・島原船津:
下り21本(うち1本は本諫早発、3本は島原船津行き)
上り21本(うち3本は島原船津発、土休日の1本は急行列車

諫早〜本諫早:
下り13本、上り12本

・改正後:
諫早・本諫早〜島原港・島原船津:
平日:
下り21本(うち1本は本諫早発、3本は島原船津行き)
上り21本(うち3本は島原船津発)

土休日:
下り18本(うち1本は本諫早発、2本は島原船津行き)
上り18本(うち2本は島原船津発、全て普通列車

諫早〜本諫早:
平日:
下り13本、上り12本

土休日:
下り14本、上り13本


詳細は、上記発表資料をご覧下さい。



9月23日の西九州新幹線開業を期に、博多〜諫早〜長崎を中心としたエリアの鉄道輸送体系が大きく変化しますが、それに併せて島鉄でもダイヤ改正を実施するのは、当然の措置とは思えます。

今回のダイヤ改正では、西九州新幹線及び長崎本線のダイヤ改正に併せて、接続を考慮した時刻変更等を実施しますが、大きなポイントとしては、「土休日ダイヤの導入」「急行の廃止」が挙げられるでしょう。


これまで島鉄では、平日・土休日ともに運転本数は同じ(但し一部運行時間を変更する列車が上下2本ずつあり)となっていました。
しかし、土休日は通学・通勤の利用が減少することから、本数が過剰気味だったと思われ、今回の改正では、土休日ダイヤを新たに導入し、本数の適正化を図ることとなっています。

土休日ダイヤでは、諫早〜島原港・島原船津間の全線通しの列車は3本減少する一方、諫早〜本諫早間の一駅間の列車は逆に1往復増やすこととしています。

島原鉄道でも、主な利用者は高校生かと思慮されますが、それでも長年に渡り平日と土休日を同一ダイヤで運行してきたことは、少し意外にも感じました。
しかし、厳しい経営状況が故に、こういった点でも見直しが必要な状況なのかな、と感じました。


もう一つのポイント、「急行の廃止」についてですが、島鉄では、長年に渡り「急行」という種別を運行してきました。
歴史を紐解けば、国鉄線への直通急行列車も運行されていた時代もあったようで、この島鉄の急行は、随分前から運行されてきた模様です。

国鉄への直通運転が廃止になった後も、島鉄線内での急行列車は引き続き運行されてきましたが、雲仙普賢岳の噴火に伴う一部区間運休の間は休止、その後全線復旧の後は、時代によって増えたり減ったりしていた模様です。
現在では土休日の朝1本(島原港8:24発・諫早9:27着)が設定されていますが、今回のダイヤ改正によりこの急行列車は取り止めとなりました。

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▲2004年5月に撮影した島原鉄道の急行列車。
当時は南目線の廃止前でしたので、行先はご覧のとおり「加津佐」となっていました。


また島鉄の急行列車は、かつては別途急行料金が必要な時代がありました(現在は料金不要)。
この急行料金ですが、10km以上利用の際に必要という規定となっていたのが特徴といえるでしょう。
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▲島原鉄道の急行券(車内補充券)
発行年が省略されていますが、恐らく昭和57年であったと考えられます。
ご覧のとおり「10km以上100円」となっていました。



私の両親の出身地を走る鉄道であったこともあり、ひときわ思い入れのある島鉄ですが、そこで国鉄時代から運行されてきた「急行」が新幹線開業を期に廃止、というのも利用者の変化による時代の流れなのかな、とも感じたニュースでありました。




【関連ニュースサイト】


島原鉄道、西九州新幹線開業に合わせダイヤ改正 - 休日ダイヤ導入 | マイナビニュース

島原鉄道,9月23日にダイヤ改正を実施|鉄道ニュース|2022年9月7日掲載|鉄道ファン・railf.jp



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