9月11日に開催された「こみっくトレジャー40」で入手した同人誌のご紹介です。

本記事でご紹介するのは、「関西乗車券研究会」さんで頒布されていた「大阪市営地下鉄乗継乗車票の変遷」「南海電気鉄道南紀直通列車の乗車券類」の2冊です。


【お知らせ】
この記事の最後に、ご紹介した同人誌のネット販売リンクを掲載しています。
気になった方は是非訪問・入手してみてください。





はじめに「大阪市営地下鉄 乗継乗車票の変遷」についてご紹介します。
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「乗継乗車票」というのは耳慣れない言葉ですが、これは大阪市営地下鉄(現在のOsaka Metro(大阪メトロ)でも実施)で、梅田・西梅田・東梅田の3駅については、同じ駅として扱っている一方、いずれの駅も改札口が別に設けられているため、相互の乗り換えの際には、一旦改札を出る必要があります。
梅田3駅(梅田・東梅田・西梅田駅)の改札外乗継について|Osaka Metro

その乗り継ぎの際、「間違ってきっぷを黄緑色ではない自動改札機に通してしまった」等のイレギュラー時に発行されるのが、この「乗継乗車票」というものです。

本書を見ていただければ分かりますが、様式は大阪市交通局(→大阪メトロ)の路線図が描かれ、そこに発着駅を記載する、というシンプルなものになっています。
一方、路線図が描かれているということは、歴史をたどっていけば大阪市交通局の地下鉄・ニュートラム路線網の拡大が手に取るようにして分かるものとなっています。

私自身、実はこの「乗継乗車票」という存在を今まで知らず、この梅田3駅乗継の場合も「間違ってきっぷが回収されたら別途運賃必要なんちゃうの?」とばかり思っていたのですが、実は手厚い仕組みになっていたのですね…



二冊目は、「南海電気鉄道 南紀直通列車の乗車券類」です。
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南海電鉄では、昭和9年から昭和60年まで、南海本線から紀勢本線への直通列車(南紀直通列車)を運行してきました。

当初は「黒潮号」という名称で、そして太平洋戦争による中断期を経て、戦後は阪和線・天王寺発着の準急「くろしお」への併結、そして昭和34年には南海電鉄発注のディーゼルカー「キハ5501形・キハ5551形」による準急「南紀」「きのくに」として運行され、その後急行に格上げされても引き続き、直通列車として運行され続けました。


しかし、車両の老朽化と急行「きのくに」の特急格上げを契機とし、昭和60年3月のダイヤ改正で廃止となり、長らく続いた南海電鉄による南紀直通列車の歴史に終止符が打たれました。

本書では、この昭和の時代を通して続いた南海電鉄の南紀直通列車に関する乗車券類を、運行当初から終了に至るまで記録したものとなっています。


観光地へ向かう列車であるが故に、昭和初期の運行開始当初は景勝地がデザインされたきっぷも用意されていたり、また戦後は料金・制度の改定とともに変化していく券面の標記を追いかけていくことで、この南紀直通列車の歴史を振り返ることができるものとなっています。

阪和線、というか大阪府南部に住み続けていたものの、この南海電鉄による南紀直通列車には乗る機会はありませんでした。

またその乗車券類も手元にありませんし、しかも直通列車運行に必要となる南海〜JRの「連絡乗車券」も、今年3月末の発売をもって終了しており、こういった直通列車があった、という名残の制度さえも、もはや過去のもの、となってしまっているといえるでしょう。

しかし、こうしてその歴史を振り返ることができるのも、同人誌の魅力でありましょうか。
著者が有するコレクションの豊富さに、ただただ感服する次第です。



関西乗車券研究会さんの同人誌では、過去にも取り上げたことがありますが、特に南海電鉄関係では、「南海高野線の料金券」をご紹介したことがあります。
阪和線の沿線から : 【こみっくトレジャー34入手本】南海高野線の料金券・私鉄版補片補往の本

高野線に引き続き、今回は南海本線の南紀直通ということで、続いての南海電鉄をテーマにした本で、
ご紹介についても少し力が入ってしまいましたが、今後も南海電鉄関係の同人誌が頒布されましたら、是非ご紹介できればと思っています。



【ネット販売リンク先】
大阪市営地下鉄 乗継乗車票の変遷 1974〜2022 | 関西乗車券研究会オフィシャルウェブショップ

南海電気鉄道 南紀直通列車の乗車券類 | 関西乗車券研究会オフィシャルウェブショップ



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