南海電鉄とセブン-イレブン・ジャパンは、本日南海電鉄グループの運営するコンビニエンスストアのフランチャイズ化に関する業務提携契約を締結したことを発表しました。

南海グループとセブン-イレブン・ジャパン コンビニエンスストアのフランチャイズ化に関する業務提携契約を締結 〜駅構内のコンビニエンスストアをセブン-イレブンに転換〜|南海電鉄

概要は以下のとおりです。

【業務提携の内容】
南海電鉄グループ(南海フードシステム)が運営するコンビニエンスストアを、セブン-イレブンのフランチャイズ店に転換。

【第1号店オープン時期】
2022年12月オープン予定

【該当店舗】
アンスリー、nasco+


詳細は、上記発表資料をご覧下さい。



「アンスリー」という名前の駅ナカコンビニ。
かつては南海以外にも聞いたことがある方も多かったのではないのでしょうか。

それもそのはずで、この「アンスリー」、当初は南海の他、阪神、京阪の在阪民鉄3社の共通ブランドとして展開されていた駅ナカコンビニでありました。

名前の由来が、「NANKAI」「HANSHIN」「KEIHAN」と、社名に共通の「AN」(アン)が3社揃っているので、「AN」が「3(スリー)」から、「アンスリー」となったのも、有名な話でありましょう。

しかしこの「アンスリー」ですが、阪神電鉄、京阪電鉄が相次いでブランド・業態変更(阪神は「アズナス」へ変更の後、現在は「ローソン」、京阪は「もより市」へ変更中)を行っている中、南海電鉄のみが「アンスリー」ブランドを守っていましたが、今回の発表により、南海の「アンスリー」は「セブンイレブン」に変更されることとなりました。


近いうちの消滅が正式決定した「アンスリー」、南海林間田園都市駅のお店を見てきました。
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▲アンスリー林間田園都市店

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▲赤が基調の「アンスリー」の看板も近いうちに見納めです。

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▲「アンスリー林間田園都市店」は、林間田園都市駅の駅出入口にあります。


思えば、南海や京阪で、コンビニを探すときは、必ずと言っていいほどこの「赤」と「緑」のアンスリーを探していたように思えます。

それくらいに個人的には馴染みがあったブランドではありますが、駅ナカコンビニについては近年の動きとして全国チェーンのコンビニに業態変更し、運営ノウハウや魅力ある商品を揃えて収益性を上げる動きが続いています。

関西地区でも、JR西日本が展開していた駅ナカコンビニ「ハートイン」等は「セブンイレブン」に、近鉄の「K PLAT」は「ファミリーマート」といった具合に、事業者独自ブランドが次々に全国ブランドに転換されていきました。

そして今回、関西地区では唯一オリジナルブランドとして運営していた南海の「アンスリー」も、セブンイレブンに転換ということになり、これで関西地区の民鉄等のコンビニは、全て全国ブランドの店舗に転換(※)されることになりました。
(※)京阪電鉄については、独自ブランド「もより市」に転換していますが、コンビニとは異なる業態であることから、除外しています。

確かに、セブンイレブン、ローソン、ファミリーマートのコンビニ大手の有する運営や商品開発のノウハウは、利用者や収益の店では非常に強く、鉄道事業者が関連事業で行うコンビニのそれとは、量・質ともにはるかに凌駕するのは確かでありましょう。
また、コンビニ大手についても、駅ソトでの店舗開拓の余地が減ってきていることから、新たな出店先として、駅ナカコンビニのブランド転換に活路を見いだすことは、お互いにとってメリットがありますし、何より利用者がより満足して買い物ができる、ということでも「三方一両得」なものといえるでしょう。

一方で、各鉄道事業者が関連事業を強化する中で生まれた「アンスリー」「アズナス」等のオリジナルブランドがあった、ということも、これまた歴史として語り継いでいくことができればいいな、と思います。



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