南海電鉄では、2021年4月から「Visaのタッチ決済による交通利用」「QRコードを用いたデジタルきっぷ」の実証実験を続けてきましたが、今回この実証実験の期間を終了し、12月12日以降もサービスを継続することを発表しました。

南海グループは12月12日以降も、「Visaのタッチ決済」「デジタルきっぷ」のサービスを継続します〜インバウンド旅客を含む、お客さまの受け入れ体制強化〜|南海電鉄

概要は以下のとおりです。

【サービス継続事業者】
南海電鉄、泉北高速鉄道、南海りんかんバス、南海フェリーの4社

【サービス継続実施日】
2022年12月12日(月)〜

【各社の今後の取り組み】
・南海電鉄:
2023年度より、順次利用可能駅を拡大し、全駅で利用できることを目指すとともに、新たなサービスにチャレンジする。

・泉北高速鉄道:
2022年12月に日本初となるVisaのタッチ決済機能のあるカード(クレジット、デビット、プリペイド)・QR 乗車券(デジタルきっぷ)・交通系 IC カードの3つの乗車券類に対応した一体型改札機を導入
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▲一体型改札機イメージ
(上記発表資料(https://www.nankai.co.jp/library/company/news/pdf/221206.pdf)より引用)

・南海りんかんバス:
Visaのタッチ決済収受額の上限を、現在紙媒体で発売している1日フリー乗車券と同じ収受額とする(大人のみ)とし、窓口でのチケット購入を省略可能に。
(サービス開始日は別途発表)

【その他クレジットカードブランドへの展開】
現在は、Visa のタッチ決済機能のあるカード(クレジット、デビット、プリペイド)のみ利用可能であるが、今後その他の国際カードブランドにも対応予定
(詳細は決定次第、改めて発表。)


詳細は、上記発表資料をご覧下さい。



南海電鉄等では、上述のとおり一部の駅で「Visaのタッチ決済」「QRコード決済」による交通利用サービスの実証実験を行ってきました。
この間、このブログでもVisaのタッチ決済による「50%割引」や「実質無料」といったキャンペーンなどが実施されてきたこともご紹介してきました。
阪和線の沿線から : 【南海電鉄】Visaのタッチ決済で50%割引となるキャンペーンを実施(2021.9.2〜9.8、9.16〜9.22)
阪和線の沿線から : 【南海電鉄】Visaのタッチ決済で12月25日は実質無料で乗車に(区間限定)

また、今年4月には、Visaのタッチ決済導入拡大を発表し、泉北高速鉄道では全駅、南海電鉄でも新たに5駅での利用が可能となりました。
阪和線の沿線から : 【南海・泉北高速】Visaのタッチ決済導入拡大を発表。泉北線全線では4月25日から、南海電鉄線でも新たに5駅で5月以降利用可能予定に

このように様々な展開が進められたこのVisaのタッチ決済ですが、今回実証実験を終了し、今後もVisaのタッチ決済及びQRコード決済を継続していくことが発表されました。

利用駅拡大の時点で、本格的な導入は間違いないのかな、と思っていましたが、果たしてそのようになりましたが、同時に今後の展開も発表されていることが注目といえるでしょう。

まず南海電鉄では、「全駅での導入」が明言されています。
導入駅拡大は、2023年度より順次拡大していくこととしますが、これまで訪日外国人旅行者が多く立ち寄るであろう駅が中心であったものが、全駅に拡大することで、交通系ICカードも持たない利用者でも、キャッシュレスでの乗車が非常にしやすくなるものと思われます。

加えて、南海りんかんバスでは、利用額上限を1日フリー乗車券と同額とするサービスを実施することを発表しています。
これにより、一日フリー乗車券を購入する手間が省けるのは勿論、予想外にバスを利用した際でもフリー乗車券の料金までの支払いとなるので、利用者に取ってもおトクなサービスになるかと思います。

更に注目は、現在「Visaのタッチ決済」のみ利用可能なところを、他の国際カードブランドにも対応していくことでしょうか。
現在、クレジットカードの非接触サービスは、上述の「Visaのタッチ決済」以外でも、JCB、Mastercardでも実施されています。
JCBのタッチ決済(JCBコンタクトレス) | JCB グローバルサイト
Mastercardタッチ決済 これからの決済のカタチ| MastercardR

これらの他の国際カードブランドでも利用できるようになれば、カードのブランドを気にせずタッチ決済で利用することができるようになりますので、これまた利用者にとっては便利なものといえるでしょう。


私自身も、南海電鉄や泉北高速鉄道、南海りんかんバスでの「Visaのタッチ決済」を何度か利用してきました。
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▲Visaのタッチ決済改札(上:南海高野線橋本駅、下:泉北高速鉄道和泉中央駅)

実証実験だけでは終わらず、本格導入に移行するのは確実と踏んでいたので、今回の発表自体は当然の流れ、とも感じていましたが、それに加えての今後の展開がむしろ楽しみな内容だったと思いました。

今後も、南海電鉄グループ各社でのタッチ決済及びQRコード利用の情報について、適宜ご紹介していきたいと思います。



【関連ニュースサイト】
南海グループ、Visaのタッチ決済による乗車サービスを本格提供へ - 鉄道コム
南海電鉄、「Visaのタッチ決済」サービスを継続 - 日本初の3券種対応改札機導入も | マイナビニュース
南海電鉄全駅にVisaタッチ決済導入へ。タッチ・QRなど3方式改札も - Impress Watch
「Visaタッチ/QRで南海電車に乗れる」サービスが継続へ、ほかのカードブランドへの拡大も - ケータイ Watch



【関連ブログ】
南海、泉北等、全駅でVisaのタッチ決済可能に: たべちゃんの旅行記「旅のメモ」



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