毎年3月に実施されているJRグループのダイヤ改正。
来年(2023年)の改正は、3月18日(土)に実施されることが発表されました。
当ブログでも例年どおり、各社の発表内容を取り上げ、その中で気になる内容をコメントしていきますが、3本目の記事は、JR東日本の改正内容をご紹介します。
2023年3月ダイヤ改正について:JR東日本
営業エリアも広く、故に改正内容をも多岐に渡るJR東日本ですので、本当に一部だけのご紹介となります。
全貌および詳細は、上記発表資料内の各PDFファイルをご覧下さい。
【高崎線特急にE257系リニューアル車両投入】
現在、高崎線の特急「スワローあかぎ」「あかぎ」「草津」には、かつて常磐線「スーパーひたち」等に使用されていた651系電車が使用されていますが、これらの高崎線特急列車に、今回の改正で「E257系リニューアル車両」が投入されることになります。
これにより、2014年ダイヤ改正で185系置き換えとして投入された651系「あかぎ」等の姿も、定期列車としては見納め、となります。
阪和線の沿線から : 3月15日より運行開始した651系「あかぎ」をみる
なお、E257系リニューアル車投入に伴い、列車は5両編成となり、普通車のみ(グリーン車は非連結)となります。
また、これまで「スワローあかぎ」(平日・全車指定)、「あかぎ」(土休日・一部指定)と分かれていましたが、今回の改正で全て「あかぎ」に統一の上、全車指定となります。
「スワロー」という、「座ろう」と「ツバメ」をかけたネーミングも、来年3月で見納め、ということになります。
【特急「草津」は「草津・四万」へ列車名を変更】
高崎線から吾妻線に入り、長野原草津口(ながのはらくさつぐち)に向かう特急「草津」ですが、今回の改正で「草津・四万」(くさつ・しま)に改称されます。
新しい列車名に入っている「四万」は、吾妻線沿線の「四万温泉」(しま おんせん)から採られた名前です。
四万温泉は、吾妻線の中之条駅からバスで約40分に位置しており、これまでも特急「草津」利用が同温泉へのアクセスとなっていましたが、今回車両リニューアルを機に、草津温泉だけでなく四万温泉への特急列車、という位置づけを明確にするために、「草津・四万」と改称したのかも知れません。
それにしても、列車名に「・」(中黒・なかぐろ)が入る列車、というのも、臨時列車ではたまに見かけますが(「富良野・美瑛ノロッコ号」など)、定期列車では大変珍しいものになるのではないのでしょうか。
「中黒」繋がりで触れると、この「草津・四万」が運行する吾妻線では、「万座・鹿沢口」という、これまた「中黒」が駅名に入っている駅が存在します。
民鉄も含めると、「栂・美木多」(泉北高速鉄道)、「元町・中華街」(横浜高速鉄道みなとみらい線)などに事例はあるものの、JRグループではこの「万座・鹿沢口」が唯一と思われます。
この「万座・鹿沢口」も、「万座温泉」「鹿沢温泉」という二つの温泉に近い駅ということで命名された経緯もあるようですが、この吾妻線では駅名にも列車名にも「中黒」が入るという、というのもなかなか面白いものですね。
【青梅〜奥多摩間でワンマン運転開始】
【「ホリデー快速おくたま」青梅駅で系統分割】
【「ホリデー快速あきがわ」取り止め】
続いて青梅線関係の話題です。
「東京アドベンチャーライン」とう愛称も付けられている青梅線・青梅〜奥多摩間ですが、E233系の4両編成が基本ですが、一方で青梅駅などで分割・併合を行い、新宿・東京方面へ直通運転を行っている列車もあります。
今回のダイヤ改正では、青梅〜奥多摩間で「ワンマン運転」を開始するとともに、奥多摩・御嶽〜立川・東京間の直通運転を取り止め、青梅駅で折り返し運転することとします。
加えて、土休日に運行されている「ホリデー快速おくたま」(奥多摩行き)、「ホリデー快速あきがわ」(武蔵五日市)については、以下のとおり運行体系が変更となります。
かつて、東京都多摩地区の中央線沿線に住んでいた頃、立川駅などで「奥多摩」という行先を掲げた103系の姿をみて、一体この列車はどこまで行くのか、と思ったりした思い出があります。
しかし今回の改正で、立川駅でさえも「奥多摩」と記された行先の列車をみることができなくなります。
背景には、青梅以遠の利用者の減少が挙げられますが、長年続いてきた「ホリデー快速」の運転も変化、そして武蔵五日市方面へは廃止と、首都圏の行楽需要に対応してきた列車でさえも、見直しの時代になってきているのかな、とも感じた次第です。
【塩尻〜松本〜長野間に通勤特急列車新設】
JR東日本でひとまず最後のポイントとしては、長野支社の発表資料にある「通勤に便利な臨時特急列車」を挙げてみます。
2023年3月ダイヤ改正について|JR東日本長野支社
概要は以下のとおりです。
これだけの情報で、通常特急列車に付けられる「列車名」も現段階では未決定なようで、何かと異例の発表内容であります。
この区間ですが、松本地区から長野市内への通勤需要に対応する列車、というのは分かるのですが、では現行はというと、朝は塩尻→松本→長野の快速列車と、上諏訪→塩尻→松本→長野の快速列車が存在しています。
時代を遡れば、2019年まで塩尻→松本→長野間で、乗車整理券(310円)で着席利用できる「おはようライナー」が設定されていましたが、現在は、朝通勤時間帯に有料着席サービスが存在していません。
松本から長野という、県内きっての大都市間の通勤列車としては、現行では些か手薄な感じがしていたのですが、今回の特急列車設定により、「有料であっても着席したい」という通勤客のニーズに応えることができるのではないか、と思われます。
それにしても、「列車名」が何になるのか、というのも本当に気になりますね…
以上、JR東日本のダイヤ改正のうち、ごく限られた話題について、取り上げてみました。
他にも詳しくみれば、様々な改正点が見つけられるのではないのでしょうか。
ひとまずこれでJR本州3社の2023年3月ダイヤ改正の内容は終了です。
引き続き、北海道・九州・四国の各社について、準備でき次第ご紹介したいと思います。
【関連ブログ】
●2023年春『JRダイヤ改正』まとめ - 鉄道プレス
●【ダイヤ改正2023】草津,あかぎ号にE257系・全車指定に〜651系全廃? | 鉄道ファンの待合室
●2023年3月ダイヤ改正発表(2)(JR東日本、北陸新幹線): たべちゃんの旅行記「旅のメモ」
【関連ニュースサイト】
●高崎線特急にE257系を投入、2023年春のダイヤ改正 - 鉄道コム
●高崎線にE257系特急投入 自由席全廃 2023年3月以降は「草津・四万」&「あかぎ」 | 乗りものニュース
●京葉線新駅「幕張豊砂」3月開業へ 海浜幕張と新習志野の中間 巨大イオンまでもラクラク!? | 乗りものニュース
●JR東日本「草津」が「草津・四万」に! E257系リニューアル車両投入 | マイナビニュース
●JR東日本「ホリデー快速あきがわ」ダイヤ改正に合わせ運転取りやめ | マイナビニュース
●JR東日本、青梅線の運行体系変更 - 青梅〜奥多摩間でワンマン運転 | マイナビニュース
●JR東日本,3月18日にダイヤ改正を実施|鉄道ニュース|2022年12月16日掲載|鉄道ファン・railf.jp
●JRグループ、2023年3月18日にダイヤ改正。東海道新幹線・上越新幹線で所要時間短縮など - トラベル Watch
●青梅〜奥多摩“完全分離”ホリデー快速も 中央線系統ダイヤ改正 かいじ・あずさは延長も | 乗りものニュース
●高崎線特急にE257系導入、「タキシードボディ」はどうなる? 今週一週間の鉄道注目ニュース - 鉄道コム
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来年(2023年)の改正は、3月18日(土)に実施されることが発表されました。
当ブログでも例年どおり、各社の発表内容を取り上げ、その中で気になる内容をコメントしていきますが、3本目の記事は、JR東日本の改正内容をご紹介します。
2023年3月ダイヤ改正について:JR東日本
営業エリアも広く、故に改正内容をも多岐に渡るJR東日本ですので、本当に一部だけのご紹介となります。
全貌および詳細は、上記発表資料内の各PDFファイルをご覧下さい。
【高崎線特急にE257系リニューアル車両投入】
現在、高崎線の特急「スワローあかぎ」「あかぎ」「草津」には、かつて常磐線「スーパーひたち」等に使用されていた651系電車が使用されていますが、これらの高崎線特急列車に、今回の改正で「E257系リニューアル車両」が投入されることになります。
▲E257系リニューアル車両
(JR東日本高崎支社発表資料(https://www.jreast.co.jp/press/2022/takasaki/20221216_ta01.pdf)より引用)
これにより、2014年ダイヤ改正で185系置き換えとして投入された651系「あかぎ」等の姿も、定期列車としては見納め、となります。
阪和線の沿線から : 3月15日より運行開始した651系「あかぎ」をみる
▲2014年3月の運用開始当日、上野駅で撮影した「あかぎ」651系。
この姿も来年3月で終わりの見込みです。
なお、E257系リニューアル車投入に伴い、列車は5両編成となり、普通車のみ(グリーン車は非連結)となります。
また、これまで「スワローあかぎ」(平日・全車指定)、「あかぎ」(土休日・一部指定)と分かれていましたが、今回の改正で全て「あかぎ」に統一の上、全車指定となります。
「スワロー」という、「座ろう」と「ツバメ」をかけたネーミングも、来年3月で見納め、ということになります。
【特急「草津」は「草津・四万」へ列車名を変更】
高崎線から吾妻線に入り、長野原草津口(ながのはらくさつぐち)に向かう特急「草津」ですが、今回の改正で「草津・四万」(くさつ・しま)に改称されます。
新しい列車名に入っている「四万」は、吾妻線沿線の「四万温泉」(しま おんせん)から採られた名前です。
四万温泉は、吾妻線の中之条駅からバスで約40分に位置しており、これまでも特急「草津」利用が同温泉へのアクセスとなっていましたが、今回車両リニューアルを機に、草津温泉だけでなく四万温泉への特急列車、という位置づけを明確にするために、「草津・四万」と改称したのかも知れません。
それにしても、列車名に「・」(中黒・なかぐろ)が入る列車、というのも、臨時列車ではたまに見かけますが(「富良野・美瑛ノロッコ号」など)、定期列車では大変珍しいものになるのではないのでしょうか。
「中黒」繋がりで触れると、この「草津・四万」が運行する吾妻線では、「万座・鹿沢口」という、これまた「中黒」が駅名に入っている駅が存在します。
民鉄も含めると、「栂・美木多」(泉北高速鉄道)、「元町・中華街」(横浜高速鉄道みなとみらい線)などに事例はあるものの、JRグループではこの「万座・鹿沢口」が唯一と思われます。
この「万座・鹿沢口」も、「万座温泉」「鹿沢温泉」という二つの温泉に近い駅ということで命名された経緯もあるようですが、この吾妻線では駅名にも列車名にも「中黒」が入るという、というのもなかなか面白いものですね。
【青梅〜奥多摩間でワンマン運転開始】
【「ホリデー快速おくたま」青梅駅で系統分割】
【「ホリデー快速あきがわ」取り止め】
続いて青梅線関係の話題です。
「東京アドベンチャーライン」とう愛称も付けられている青梅線・青梅〜奥多摩間ですが、E233系の4両編成が基本ですが、一方で青梅駅などで分割・併合を行い、新宿・東京方面へ直通運転を行っている列車もあります。
今回のダイヤ改正では、青梅〜奥多摩間で「ワンマン運転」を開始するとともに、奥多摩・御嶽〜立川・東京間の直通運転を取り止め、青梅駅で折り返し運転することとします。
加えて、土休日に運行されている「ホリデー快速おくたま」(奥多摩行き)、「ホリデー快速あきがわ」(武蔵五日市)については、以下のとおり運行体系が変更となります。
・ホリデー快速おくたま:
新宿〜青梅間・青梅〜奥多摩間に分割、青梅駅で同一ホームで乗り換え。
青梅〜奥多摩間の「ホリデー快速おくたま」は、臨時列車として利用が見込まれる時季に運転
・ホリデー快速あきがわ:
運転取り止め。
武蔵五日市方面へは、「ホリデー快速おくたま」利用の上、拝島駅で同一ホームの後続列車に乗り換え。
▲ホリデー快速おくたま号の改正後運転イメージ
(JR東日本八王子支社発表資料(https://www.jreast.co.jp/press/2022/hachioji/20221216_hc01.pdf)より引用
▲奥多摩駅に停車中のE233系。
ダイヤ改正後も、車両に変化はありませんが、青梅以遠の直通運転廃止となり、当駅から東京・新宿へは必ず乗り換えが必要となります。
かつて、東京都多摩地区の中央線沿線に住んでいた頃、立川駅などで「奥多摩」という行先を掲げた103系の姿をみて、一体この列車はどこまで行くのか、と思ったりした思い出があります。
しかし今回の改正で、立川駅でさえも「奥多摩」と記された行先の列車をみることができなくなります。
背景には、青梅以遠の利用者の減少が挙げられますが、長年続いてきた「ホリデー快速」の運転も変化、そして武蔵五日市方面へは廃止と、首都圏の行楽需要に対応してきた列車でさえも、見直しの時代になってきているのかな、とも感じた次第です。
【塩尻〜松本〜長野間に通勤特急列車新設】
JR東日本でひとまず最後のポイントとしては、長野支社の発表資料にある「通勤に便利な臨時特急列車」を挙げてみます。
2023年3月ダイヤ改正について|JR東日本長野支社
概要は以下のとおりです。
・使用車両:
E353系3両編成
・ダイヤ:
下り・・・塩尻7:37発→長野8:59着(停車駅:松本、明科、篠ノ井)
上り・・・長野20:47発→松本21:49着(停車駅:篠ノ井、明科)
・運転日は決定次第、別途発表
これだけの情報で、通常特急列車に付けられる「列車名」も現段階では未決定なようで、何かと異例の発表内容であります。
この区間ですが、松本地区から長野市内への通勤需要に対応する列車、というのは分かるのですが、では現行はというと、朝は塩尻→松本→長野の快速列車と、上諏訪→塩尻→松本→長野の快速列車が存在しています。
時代を遡れば、2019年まで塩尻→松本→長野間で、乗車整理券(310円)で着席利用できる「おはようライナー」が設定されていましたが、現在は、朝通勤時間帯に有料着席サービスが存在していません。
松本から長野という、県内きっての大都市間の通勤列車としては、現行では些か手薄な感じがしていたのですが、今回の特急列車設定により、「有料であっても着席したい」という通勤客のニーズに応えることができるのではないか、と思われます。
それにしても、「列車名」が何になるのか、というのも本当に気になりますね…
▲松本駅に停車中のE353系。
今回の改正で新設される臨時特急は、このE353系の3両編成を使用します。
通勤客の着席ニーズに応える列車としての定着を願いたいところです。
以上、JR東日本のダイヤ改正のうち、ごく限られた話題について、取り上げてみました。
他にも詳しくみれば、様々な改正点が見つけられるのではないのでしょうか。
ひとまずこれでJR本州3社の2023年3月ダイヤ改正の内容は終了です。
引き続き、北海道・九州・四国の各社について、準備でき次第ご紹介したいと思います。
【関連ブログ】
●2023年春『JRダイヤ改正』まとめ - 鉄道プレス
●【ダイヤ改正2023】草津,あかぎ号にE257系・全車指定に〜651系全廃? | 鉄道ファンの待合室
●2023年3月ダイヤ改正発表(2)(JR東日本、北陸新幹線): たべちゃんの旅行記「旅のメモ」
【関連ニュースサイト】
●高崎線特急にE257系を投入、2023年春のダイヤ改正 - 鉄道コム
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●JR東日本,3月18日にダイヤ改正を実施|鉄道ニュース|2022年12月16日掲載|鉄道ファン・railf.jp
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