JR東海の特急「ひだ」「南紀」で長年活躍してきた「キハ85系」。
既に「ひだ」では今月18日のダイヤ改正での置き換えが決定しており、「南紀」についても6月末をもって置き換えが報道されています。



そんな中、この2月23日から3月5日にかけて、京都鉄道博物館で、このキハ85系と新型車両「HC85系」の展示が実施されました。



京都鉄道博物館での展示も先週末に終了したことから、その後のキハ85系の動向が注目されていましたが、本日の中日新聞によりますと、京都府の京都丹後鉄道に譲渡されることが報道されました。

JR東海の特急キハ85系、京都丹後鉄道に譲渡へ:ニュース:中日BIZナビ
 JR東海の特急「ひだ」や「南紀」として活躍し、年内に定期運行を終える気動車「キハ85系」の一部車両が、京都丹後鉄道(京都府)に譲渡されることが分かった。早ければ2023年度中にも京都府内などで運行を始める。東海地方で活躍した特急車両が関西で「第二の人生」を歩む。

 京都丹後鉄道は京都府と兵庫県北部を走るローカル線。JR東海によると、キハ85系の車両4両を京都丹後鉄道側に譲渡する。

 このうち2両は2月から京都鉄道博物館(京都市)で特別展示された。展示を終えて引き渡された車両が、今月6〜7日に京都丹後鉄道の西舞鶴駅の車庫に向けて回送される様子が鉄道ファンに目撃され、交流サイト(SNS)で話題になっていた。残りの2両も今後譲渡する。

 京都丹後鉄道によると、現行の特急車両の老朽化が進み、更新が必要だった。「特急車両として運行する予定だが、どの路線を走るかなど詳細は検討中」としている。取得額は非公表。

 JR東海によると、キハ85系は7月までに全ての定期列車で最新のハイブリッド車両「HC85系」に置き換えられる。引退した車両の大半は廃車となって解体される予定。同社では過去にも特急「あさぎり」として活躍した371系を富士急行に譲渡した例がある。

上記記事(https://biz.chunichi.co.jp/news/article/10/57638/)より引用、太字下線は管理人による。


また、鉄道ニュースサイト「鉄道プレスネット」でも、同様にキハ85系の京都丹後鉄道への譲渡を報道しています。

京都丹後鉄道「キハ85系」導入 JR東海の特急車、京都鉄博での展示後そのまま現地へ | 鉄道ニュース【鉄道プレスネット】
京都丹後鉄道(丹鉄、京都府・兵庫県)を運営する「WILLER TRAINS」(ウィラー・トレインズ)がJR東海から特急型気動車「キハ85系」を譲り受け、営業車両として導入することが3月7日、分かった。

ウィラー・トレインズ親会社の「WILLER」(ウィラー)によると、キハ85系の2両編成1本を導入する計画。車両の内外装はほぼ変更しない。運行開始時期は未定という。

ウィラー・トレインズは鉄道事業法に基づき公表している安全報告書の2021年度版で、車両更新のため2両1編成の中古車両を導入する計画を明らかに。京都府も老朽化した丹鉄の特急車両「タンゴエクスプローラー」の継続使用が不能だとし、ダイヤ維持や安定運行確保のための中古特急車両の導入経費を支援するものとして3600万円を2022年度6月補正予算に計上していた。
上記記事(https://news.railway-pressnet.com/archives/49320)より引用、太字下線は管理人による。


(※)
現在のところ、JR東海及び京都丹後鉄道よりキハ85系の譲渡についての正式発表はありません。


上記の報道から、キハ85系が京都丹後鉄道へ譲渡されるのは確実であることがわかります。
一方で、譲渡車両数が中日新聞が「4両」に対し鉄道プレスネットは「2両」とされ、若干の違いがありますし、また車両内外装についても、「鉄道プレスネット」では「車両の内外装はほぼ変更しない」と報じています。
オリジナルの姿のまま第二の活躍を期待したいファンにとっては、気が気でならないところ、かも知れませんが、何はともあれ確かなところは両社の正式発表を待ちたいところです。

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▲京都鉄道博物館で展示されていたキハ85系。
この後、京都丹後鉄道まで回送されたとのことで、新天地での活躍が期待されます。


JR東海の車両の譲渡例といえば、119系(えちぜん鉄道)、キハ11(ひたちなか海浜鉄道)、371系(富士山麓電気鉄道)と、これまで3種類の車両が譲渡されており、意外と事例があるものだと、今更ながら気がつきました。
阪和線の沿線から : えちぜん鉄道が新型車両MC7000形を導入。元はJR東海119系電車。
阪和線の沿線から : 【ひたちなか海浜鉄道】JR東海・東海交通事業より譲受したキハ11は本日12月30日より運行開始
阪和線の沿線から : 【富士急行】JR東海より371系車両の購入を発表。平成27年度中の営業運転開始を計画

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▲富士急行(現:富士山麓電気鉄道)に譲渡されたJR東海371系。

これまでの例では、119系と371系は譲渡先で全く違うカラーに塗装変更された一方、キハ11はJR東海時代の塗装を引き継いで、ひたちなか海浜鉄道でも活躍していますが、今回のキハ85系の譲渡で、どの程度外装が変更されるか、これまたコアなファンにとっては気になるところでしょう。


振り返れば、1990年(平成2年)に「タンゴエクスプローラー」としてKTR001形を導入した当時の「北近畿タンゴ鉄道」。
この「タンゴエクスプローラー」は、老朽化により引退していますが、まさかそのKTR001形とほぼ変わらない車齢の車両を譲り受けるとは、まさかの展開に驚いた方も多かったのではないのでしょうか。


中日新聞の報道によれば、京都丹後鉄道でのキハ85系運用は2023年度中を予定しているとのことですが、丹後半島を駆ける「ワイドビュー」キハ85系をこの目で見て、実際に乗車することができればいいな、と期待に胸が膨らむニュースでありました。




【関連ブログ】
【JR東海】キハ85系、丹鉄へ譲渡回送! - 鉄道プレス
キハ85が京都丹後鉄道に: たべちゃんの旅行記「旅のメモ」



【関連ニュースサイト】
キハ85系が京都丹後鉄道へ|鉄道ニュース|2023年3月7日掲載|鉄道ファン・railf.jp
引退の「キハ85系」2両が「京都丹後鉄道」に移籍へ! 「第二の人生」出発はいつ?姿はどうなる? | 乗りものニュース



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