JR東日本では、久留里線の久留里〜上総亀山間について、沿線地域の発展に貢献していくため、利用者にとって利便性が向上する交通体系のあり方を総合的に検討する必要があると考え、沿線地域の総合的な交通体系に関する議論を行うために、協議の場についての設置の検討依頼を、沿線自治体である君津市及び千葉県に申し入れたことを発表しました。

久留里線久留里〜上総亀山間沿線地域の総合的な交通体系に関する議論の申し入れについて|JR東日本


今回、JR東日本が沿線自治体へ協議を申し入れた久留里線は、千葉県の木更津駅から上総亀山駅に至る32.2kmの路線です。
このうち、木更津〜久留里間については、輸送密度が2021年度で1,091人/日、コロナ前の2019年度は1,425人/日で、終日概ね1時間に1本以上の列車本数が確保されています。
(※)
輸送密度(平均乗車人員)のデータについては、JR東日本の「路線別ご利用状況」から入手しています。
https://www.jreast.co.jp/rosen_avr/pdf/2017-2021.pdf

一方で末端区間の久留里〜上総亀山間を見ますと、2021年度の輸送密度は55人/日、コロナ前の2019年でさえも85人/日と、100人に満たない水準でしかありません。
これが民営化直後の1987年度は823年/日でありますので、この35年程度で6%程度に縮小してしまっており、もはや鉄道として維持するのか妥当なのか、考え直さなければならないレベルの利用状況であります。
一方それでも列車本数は朝夕を中心に8往復確保されているものの、その利用者は多くが高校生であることも、容易に予想がつきそうです。

この久留里線が、他のJR東日本のローカル線と異なるのは、末端区間であることで、仮にバス等へ転換したとしても他線区の利便性に及ぼす影響が少ないことが考えられます。

「僅少な利用状況」「末端区間」という意味では、先にご紹介した津軽線・蟹田〜三厩間と似たような状況であると思えるだけに、同社としても「今後のあり方」の協議を行いやすい環境であった、と思えます。
(参考)




ともあれ、すぐにではないにしろ、このような協議の申し入れが行われた、という時点で、将来的に何らかの見直しが行われることは避けられません。
しかもそれは、鉄道に関しては見直しの方向となる可能性が高いものと考えられますので、今回のニュースで改めて久留里線の当該区間を訪問したい方は、早いうちに訪問しておいた方がよいのではないか、と考えます。


かくいう私も、この久留里線自体は今から25年くらい前に乗車したきりで、当時運行されていた安房鴨川駅〜上総亀山駅間の路線バスに乗車して乗りつぶしました。

現在は、当該路線は既に廃止されており、その代わり千葉〜鴨川間の高速バスが運行されています。
千葉〜鴨川線 | 高速バス | 千葉中央バス株式会社

こういった高速バスの発達も、久留里線の利用者が大きく減少した一因とも考えられるだけに、より利用しやすい交通体系の構築、というのは必要なのかな、とも感じました。
ともあれ、私自身乗車したのが四半世紀も前なので、機会があれば早いうちに再訪したいな、とも感じたニュースでありました。




【関連ニュースサイト】
久留里線末端区間に関する協議を自治体に申し入れ、JR東 - 鉄道コム
東京近郊一の赤字路線「久留里線」 JR東日本が今後の在り方を議論へ | 乗りものニュース
久留里線「廃止協議」はどう進むか。JR東日本がバス転換打診へ | タビリス
JR東日本、久留里線久留里〜上総亀山間「総合的な交通体系」議論へ | マイナビニュース



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