東海道・山陽・九州新幹線のネット予約・チケットレス乗車サービスの「エクスプレス予約」「スマートEX」について、JR東海・JR西日本・JR九州の各社は、新たな価格体系への移行(値上げ)を実施することを発表しました。

「エクスプレス予約」・「スマートEX」における価格体系の見直し 及び新早特商品の発売について :JR西日本
「エクスプレス予約」・「スマートEX」における価格体系の見直し及び新早特商品の発売について|JR東海
「エクスプレス予約」・「スマートEX」における価格体系の見直し及び新早特商品の発売について|JR九州

概要は以下のとおりです。

【エクスプレス予約】
○対象商品:
「EX予約サービス」、「EX予約サービス(往復割引)」、「e特急券」
○見直し内容:
・普通車自由席は現在と同額に据え置き
・普通車指定席・グリーン車は、所定の運賃・料金からの割引を縮小
・シーズン別(通常期・閑散期・繁忙期・最繁忙期)の料金を設定
※閑散期は通常期より200円引き、繁忙期は通常期より200円増し、最繁忙期は通常期より400円増し
・「のぞみ」または「みずほ」を利用の際は一般の特急券と同額の加算額を適用

○主な発売額:
東京〜新大阪:
・所定運賃・料金:14,720 円
・現行EX予約サービス:13,620 円
・改定後EX予約サービス:14,230 円(所定運賃・料金からの割引額:▲490 円)
・改定額:+610 円


【スマートEX】
○対象商品:
「スマートEXサービス」、「スマートEXサービス(往復割引)」
○見直し内容:
・東海道新幹線完結区間(東京〜新大阪)及び九州新幹線完結区間(博多〜鹿児島中央)は現在と同額に据え置き
・山陽新幹線に係る区間(東海道新幹線及び九州新幹線にまたがってご利用になる場合を含む)では、「のぞみ」または「みずほ」の普通車指定席及びグリーン車を利用の際の加算額を一般の特急券と同額に改定

【その他】
・「EX予約サービス」「スマートEXサービス」では、東京〜品川間及び京都〜西明石間の各駅相互間の乗車において、鉄道駅バリアフリー料金として10円を加算。

【新早特商品】
・乗車日28日前までの予約で、東京・品川・新横浜〜名古屋・京都・新大阪間の「のぞみ」普通車指定席に「EX早特28ワイド」を新たに発売。
(東京・品川〜新大阪間:12,240円)


詳細は、上記発表資料をご覧下さい。



東海道新幹線のネット予約サービスとして開始された「エクスプレス予約」。
当初は年会費が必要な専用カードのみでの利用のみでしたが、その後交通系ICカードに紐付けて利用が可能な「スマートEX」のサービスも開始し、現在ではこれらネット予約は東海道新幹線の利用者の5割近くが利用(JR東海ファクトシート2022)するまでに拡大してきました。

特に「エクスプレス予約」では、年会費が必要(1,100円)が必要な一方、所定運賃・料金に比べて大幅な割引を享受できることもあり、年数回の利用であったとしても、年会費を支払ってもペイできる価格設定となっていました。

そのため私も、コロナ禍で出張・旅行が大きく減少したことがあっても、引き続き「エクスプレス予約」の会員となっていました。

しかし今回発表のあった、価格改定では、これまでの「エクスプレス予約」にとって、結構な値上げとなることが明らかとなりました。

具体的な例でみますと、東京〜新大阪間では、現行のエクスプレス予約が13,620円であったものが、改定後は14,230円となります。
一方、「スマートEX」は現行据え置きのため14,520円と、その差は300円に満たない額となってしまいました。
改定前の「エクスプレス予約」「スマートEX」との差が900円であることを考えると、東京〜新大阪間においては、少なくとも年間2往復してようやく会費分を回収できることとなり、年数回東海道・山陽新幹線を利用するライトユーザーにとっては、エクスプレス予約を退会すべきか続けるか、各自のライフスタイルと相談しながら判断しなければならなくなりました。

その他、「エクスプレス予約」では、これまで年間同額であった価格についてもシーズン別の料金が導入されたり、「のぞみ」「みずほ」の加算額が設定されたり(現在は「ひかり」「こだま」「さくら」「のぞみ」と同額)、また自由席と指定席との価格差が発生したり(現在は同額)と、全般的に大きな見直しを図ってきています。


「エクスプレス予約」の価格自体が、かつて存在していた回数券の価格もにらみながらの設定ということもあり、割安感があったわけですが、新幹線に限らず在来線でも相次いで回数券が廃止される中、「エクスプレス予約」の価格についても、昨今の収益性の確保の観点から見直しが図られたのかな、との印象です。


ともあれ、例えば年3往復以上は東京〜新大阪を往復する、程度の利用頻度の方は、引き続き「エクスプレス予約」のままでも良さそうですが、それ以下の方はスマートEXでもいいのかな、とも思ってしまします。
かくいう私がそれくらいの利用頻度なので、秋の価格改定までに会員を続けるかどうか判断しないといけないな、とも感じたニュースでありました。

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▲岡山駅に入線するN700系「さくら」。
エクスプレス予約に関しては、全般的な価格改定が実施され、この山陽新幹線でもこれまで割安であった「エクスプレス予約」の価格も、「スマートEX」との価格差が大幅に縮小することとなりました。




【関連ニュースサイト】
東海道・山陽・九州新幹線「エクスプレス予約」料金改定へ 最大で約1200円値上げに - 鉄道コム
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【関連ブログ】
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