ダイムラートラック社、三菱ふそうトラック・バス、日野自動車、トヨタ自動車の4社は、CASE(※)技術開発の加速を目指すとともに、三菱ふそうトラック・バスと日野を統合する基本合意書を締結したことを発表しました。
(※)CASE:「Connected(コネクテッド)」「Automated/Autonomous(自動運転)」「Shared & Service(シェアリング)」「Electrification(電動化)」というモビリティの変革を表す4つの領域の頭文字をつなげた造語。2016年のパリモーターショーで提唱された、自動車業界の未来像を語る概念
出典:CASEとは?|国立研究開発法人産業技術総合研究所
●ダイムラートラック、三菱ふそう、日野およびトヨタ、CASE 技術開発の加速を目指すとともに、三菱ふそうと日野を統合する基本合意書を締結|日野自動車
●ダイムラートラック、三菱ふそう、日野およびトヨタ、CASE技術開発の加速を目指すとともに、三菱ふそうと日野を統合する基本合意書を締結 | Mitsubishi Fuso Truck and Bus Corporation
●ダイムラートラック、三菱ふそう、日野およびトヨタ、CASE技術開発の加速を目指すとともに、三菱ふそうと日野を統合する基本合意書を締結 | コーポレート | グローバルニュースルーム | トヨタ自動車株式会社 公式企業サイト
概要は以下のとおりです。
詳細は、上記発表資料をご覧下さい。
三菱ふそうトラック・バス(以下、「三菱ふそう」)と日野は、商用車における長年のライバル企業として、市場のシェア争いを続けてきました。
両社とも、トラック・バスともに大型から小型まで幅広くラインナップするメーカーであり、商用車における国内の双璧、ともいえるブランドとして君臨しつづけました。
トラックでいえば、三菱ふそうは「キャンター」、日野は「レンジャー」といった、商用車に無縁の方でも聞いたことのあるくらい、浸透しているブランドですし、バスに目をやれば、観光バスは三菱ふそう「エアロクイーン」、日野「セレガ」と、いずれも高速バスや観光バスで行楽地、サービスエリアで多く見かける車両でお馴染み、といったところでしょうか。
一方で両社とも経営を揺るがす不祥事を起こしており、三菱ふそうでは前身の三菱自動車が2000年代初頭に起こしたリコール隠しが契機とした販売の激減と、経営支援を経て現在のダイムラートラック社の子会社となりました。
また日野も、エンジン認証に関する燃費や環境性能に関する不正行為を長年続けていたことが判明し、一時は殆どの車種が受注中止となり、業績が悪化している状況にあります。
(参考)
●阪和線の沿線から : 【日野自動車】エンジン認証に関する不正行為により多くの車種が出荷停止に。「セレガ」「ポンチョ」等の大型・小型バスも受注不可に。
一方で、CASEと称される今後の技術開発には、多額の投資が必要な一方、乗用車に比べて市場の小さい商用車では、そういった投資を行うには現在の企業規模では限界があったことから、そういった自動車業界の変革期にどう乗り切るのか、課題となっていました。
今回三菱ふそうと日野の統合、として統合した持株会社を、両社の親会社であるダイムラートラック及びトヨタが同割合で保有することで、将来的な技術開発への資金と知見を共有し、そしてこの変革期を乗り切ることになるとのことですが、冒頭に記したように、これまでのライバル事業者どうしが、このような形で経営統合するとは、本当に隔世の感を抱かずにはいられません。
なお、国内の商用車メーカー-では、他にもいすゞ自動車はトヨタと資本提携を行っているほか、日野自動車と合弁でバスメーカー「ジェイ・バス」を有していますが、この「ジェイ・バス」がらみのバス事業についても、何らかの再編があり得るかも知れません。
統合後後も、両社のブランドは引き続き維持するとのことですが、上述のジェイ・バスの絡みもあり、今後販売体制やブランドといった、商品ラインナップにどのような変化が出てくるのか、そして公共交通の担い手の一つである「バス」業界で、どのような変化が見られるのか。
両社の経営統合はそのスタート地点なだけに、今後も引き続き、国内商用車各メーカーの動向をご紹介していきたいと思います。
【関連ニュースサイト】
●日野×三菱ふそう“統合”へ ダイムラーとトヨタで株保有 「水素およびCASE普及」の大同団結 | 乗りものニュース
●日野と三菱ふそう、2024年内経営統合へ | レスポンス(Response.jp)
●日野自動車と三菱ふそうが経営統合へ - Impress Watch
●三菱ふそうと日野が統合し新会社設立 ダイムラートラック、三菱ふそう、日野、トヨタが基本合意書締結 - Car Watch
●水素領域で4社協力も ダイムラートラック、三菱ふそう、日野、トヨタが共同記者会見 三菱ふそうと日野の統合後ブランドは存続 - Car Watch
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(※)CASE:「Connected(コネクテッド)」「Automated/Autonomous(自動運転)」「Shared & Service(シェアリング)」「Electrification(電動化)」というモビリティの変革を表す4つの領域の頭文字をつなげた造語。2016年のパリモーターショーで提唱された、自動車業界の未来像を語る概念
出典:CASEとは?|国立研究開発法人産業技術総合研究所
●ダイムラートラック、三菱ふそう、日野およびトヨタ、CASE 技術開発の加速を目指すとともに、三菱ふそうと日野を統合する基本合意書を締結|日野自動車
●ダイムラートラック、三菱ふそう、日野およびトヨタ、CASE技術開発の加速を目指すとともに、三菱ふそうと日野を統合する基本合意書を締結 | Mitsubishi Fuso Truck and Bus Corporation
●ダイムラートラック、三菱ふそう、日野およびトヨタ、CASE技術開発の加速を目指すとともに、三菱ふそうと日野を統合する基本合意書を締結 | コーポレート | グローバルニュースルーム | トヨタ自動車株式会社 公式企業サイト
概要は以下のとおりです。
【協業内容】
・三菱ふそうトラック・バスと日野は対等な立場で統合し、商用車の開発、調達、生産分野で協業。グローバルな競争力のある日本の商用車メーカーを構築。
・ダイムラートラックとトヨタは、両社統合の持株会社(上場)を同割合で保有。水素をはじめCASE技術開発で協業、統合会社の競争力強化を支える。
詳細は、上記発表資料をご覧下さい。
三菱ふそうトラック・バス(以下、「三菱ふそう」)と日野は、商用車における長年のライバル企業として、市場のシェア争いを続けてきました。
両社とも、トラック・バスともに大型から小型まで幅広くラインナップするメーカーであり、商用車における国内の双璧、ともいえるブランドとして君臨しつづけました。
トラックでいえば、三菱ふそうは「キャンター」、日野は「レンジャー」といった、商用車に無縁の方でも聞いたことのあるくらい、浸透しているブランドですし、バスに目をやれば、観光バスは三菱ふそう「エアロクイーン」、日野「セレガ」と、いずれも高速バスや観光バスで行楽地、サービスエリアで多く見かける車両でお馴染み、といったところでしょうか。
一方で両社とも経営を揺るがす不祥事を起こしており、三菱ふそうでは前身の三菱自動車が2000年代初頭に起こしたリコール隠しが契機とした販売の激減と、経営支援を経て現在のダイムラートラック社の子会社となりました。
また日野も、エンジン認証に関する燃費や環境性能に関する不正行為を長年続けていたことが判明し、一時は殆どの車種が受注中止となり、業績が悪化している状況にあります。
(参考)
●阪和線の沿線から : 【日野自動車】エンジン認証に関する不正行為により多くの車種が出荷停止に。「セレガ」「ポンチョ」等の大型・小型バスも受注不可に。
一方で、CASEと称される今後の技術開発には、多額の投資が必要な一方、乗用車に比べて市場の小さい商用車では、そういった投資を行うには現在の企業規模では限界があったことから、そういった自動車業界の変革期にどう乗り切るのか、課題となっていました。
今回三菱ふそうと日野の統合、として統合した持株会社を、両社の親会社であるダイムラートラック及びトヨタが同割合で保有することで、将来的な技術開発への資金と知見を共有し、そしてこの変革期を乗り切ることになるとのことですが、冒頭に記したように、これまでのライバル事業者どうしが、このような形で経営統合するとは、本当に隔世の感を抱かずにはいられません。
▲日野「セレガ」(芸陽バス)
▲三菱ふそうトラック・バス「エアロクイーン」(北海道バス)
高速バスの市場でも激しくシェアを争ってきた両社ですが、今回経営統合が発表されました。
なお、国内の商用車メーカー-では、他にもいすゞ自動車はトヨタと資本提携を行っているほか、日野自動車と合弁でバスメーカー「ジェイ・バス」を有していますが、この「ジェイ・バス」がらみのバス事業についても、何らかの再編があり得るかも知れません。
▲日野といすゞの合弁会社「ジェイ・バス」製造のいすゞ「ガーラ」。
見た目は上記の「セレガ」とほぼ同じですが、それもそのはずで、いすゞ「ガーラ」と日野「セレガ」はともに両社の合弁会社「ジェイ・バス」で製造され、両社ブランドで販売されています。
今回の三菱ふそうトラック・バスと日野との経営統合で、この「ジェイ・バス」についても、今後どのような再編があるのか、引き続き注目していく必要があります。
統合後後も、両社のブランドは引き続き維持するとのことですが、上述のジェイ・バスの絡みもあり、今後販売体制やブランドといった、商品ラインナップにどのような変化が出てくるのか、そして公共交通の担い手の一つである「バス」業界で、どのような変化が見られるのか。
両社の経営統合はそのスタート地点なだけに、今後も引き続き、国内商用車各メーカーの動向をご紹介していきたいと思います。
【関連ニュースサイト】
●日野×三菱ふそう“統合”へ ダイムラーとトヨタで株保有 「水素およびCASE普及」の大同団結 | 乗りものニュース
●日野と三菱ふそう、2024年内経営統合へ | レスポンス(Response.jp)
●日野自動車と三菱ふそうが経営統合へ - Impress Watch
●三菱ふそうと日野が統合し新会社設立 ダイムラートラック、三菱ふそう、日野、トヨタが基本合意書締結 - Car Watch
●水素領域で4社協力も ダイムラートラック、三菱ふそう、日野、トヨタが共同記者会見 三菱ふそうと日野の統合後ブランドは存続 - Car Watch
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