名古屋鉄道(名鉄)では、去る5月26日に旅客運賃の改定を申請するとともに、運賃改定の認可後、特別車両料金の改定を届け出ることを発表しました。

鉄軌道旅客運賃の改定を申請しました|名古屋鉄道

概要は以下のとおりです。

【実施予定時期】
2024年3月(予定)

【運賃改定内容(概要)】
・初乗り運賃:
現行170円→申請180円

・改定率:
合計10.0%(増収率8.9%)

・その他:
普通運賃で利用の多い7kmまでの区間は改定率を抑制。
通学定期は、家計負担に配慮し運賃を据え置き。
知多新線、豊田線、羽島線、空港線に設定している加算運賃は変更せず。

【特別車両料金改定内容】
現行料金360円
⇒概定後:
基本料金・・・450円
閑散時間帯割引料金・・・300円
車内精算料金・・・500円



詳細は、上記発表資料をご覧ください。



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▲名鉄名古屋駅に停車中の名鉄車両。
今回普通運賃の値上げを申請しています。


既に多くの大手民鉄が運賃改定(値上げ)を発表しているなか、今回名鉄でも値上げの運賃改定申請が発表されました。


今回の発表では、運賃改定以外にも、特別車両料金の改定を届出予定であることも、併せて発表されています。

こちらをみますと、現行は一律360円であるところが、改定後は、「基本料金」「閑散時間帯割引料金」「車内精算料金」の3つの料金に細分化されることとなります。

既に首都圏の民鉄では、有料着席サービスで車内精算を行った場合、通常より割高な料金を設定している例が存在していますが、首都圏以外の大手民鉄でこのような料金設定を行うのは、名鉄が初めてではないかと思います。

今後、このような割高となる車内精算料金の設定は、関西圏の民鉄有料着席サービスでも広がるのかな、とも感じています。

また、閑散時間帯にネット予約サービス限定で割引を実施するのも目新しいものがあります。
閑散時間帯には、土休日の終日も含まれることから、今回の設定で恩恵を受ける特別車両ユーザーも多いかと思われます。
ただこの割引料金については、中部国際空港発着の場合は対象外となりますので、注意が必要です。

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▲名鉄2200系の特別車両(名鉄名古屋駅)
今回、乗車日時及び購入時期で料金が変動する仕組みが導入されました。
車内精算では一般料金以上に高くなる一方、閑散時間帯は割安になるといった、メリハリのついた料金体系になることが予想されます。



ともあれ、少子高齢化により利用者の減少が続く一方で、行動様式の変容により、特に通勤利用がコロナ禍前に戻るのは厳しい状況です。
しかも名鉄では、元々鉄道利用の割合が低い上に、もとより利用状況の厳しい線区も抱えていることから、値上げの運賃改定は仕方がないのではないかと思ったニュースでありました。



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名鉄,鉄軌道旅客運賃の変更認可を申請|鉄道ニュース|2023年5月28日掲載|鉄道ファン・railf.jp



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