大阪府富田林市に拠点を持つ金剛自動車(金剛バス)は、来る2023年12月20日をもって、バス事業を廃止することを発表しました。

バス事業廃止のお知らせ|金剛自動車

概要は以下のとおりです。

【バス事業廃止日】
2023年(令和5年)12月20日

【廃止理由】
乗務員の人手不足・売上の低下等様々な要因もあり、あらゆる可能性も新調に検討したが、上記日をもってバス事業の廃止を決定したもの。

【今後の運行について】
2023年12月21日以降の運行に関しては、富田林市、太子町、河南町、千早赤阪村の地域公共交通会議及び法定協議会で協議してもらえるよう依頼中


詳細は、上記発表資料をご覧下さい。



金剛自動車(金剛バス)という会社名は、大阪府南東部以外の方にとっては、本当に聞き馴染みのない事業者名かも知れません。

それもそのはずで、金剛バスが拠点とする鉄道駅は、近鉄長野線の富田林駅及び喜志駅と、近鉄南大阪線の上ノ太子駅の3駅に限られており、また、交通系ICカードも未導入であり、それに何より、大手民鉄のグループではない独立系の事業者でありました。

これらが組み合わさったことから、大阪府内の中でもマイナーな事業者として、ファンの間では注目の事業者でありました。

ただ、「マイナー」といえども、富田林市や太子町、河南町、そして千早赤阪村といった、大阪府南東部の鉄道駅から離れている地域では重要な公共交通機関であります。

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▲金剛バス路線図(同社Webサイト(http://kongoujidousha.com/search.php)より引用)


その金剛バスが、本日バス事業の廃止を発表しました。
廃止の理由をみますと、乗務員の人手不足や売上の低下等の様々な要因が挙げられていますが、報道等によりますと、自治体から補助金等による経営支援が水面下で伝えられたものの、会社の考えは変わらなかったとのことで、収益性以上に人手不足が理由で、今回廃止に至ったというべきでしょうか。

今回の廃止発表を受けて、金剛バス沿線の4市町村では、首長のコメントを発表しています。
金剛自動車株式会社のバス事業廃止を受けて 市長コメント - 富田林市公式ウェブサイト
金剛自動車株式会社のバス事業廃止を受けて 町長コメント/大阪府太子町
金剛自動車株式会社のバス事業廃止について|河南町
金剛自動車株式会社のバス事業廃止について|千早赤阪村

今後これらの4自治体では、連携して代替交通機関の確保が急務となります。
折からの人手不足から、新たに引き受ける事業者があるのか、といった問題がある上に、12月20日の運行終了まであと3ヶ月ということで、限られた時間の中で果たして代替手段は確保できるのか。

もはやどこの地域でも起こり得る、決して他人事では済まされない問題とも思えますので、今後の展開をきっちりみていきたいと思ったニュースでありました。




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