南海電鉄では、来る10月21日(土)に南海線のダイヤ修正を実施することを発表しました。
10月21日(土)に南海線のダイヤを修正します | 南海電鉄
概要は以下のとおりです。
詳細は、上記発表資料をご覧下さい。
南海電鉄の特急「ラピート」は、運行開始当初より基本的に日中1時間に2本の運転を維持してきましたが、2020年からの新型コロナウイルスの影響による利用者減少を受け、減便が続けられてきました。
一時期は昼間は全く「ラピート」が運行されない時期もあり、下記画像のように、通常は「ラピート」が発着する9番線を利用した「すみっコぐらし」ラピートの展示といったイベントさえも実施される状況でありました。

その後、2021年10月には土休日の昼間時間帯の運転再開、2022年5月には平日についても昼間時間帯の運転が再開されました。
とはいえ、現在では引き続き、昼間時間帯は1時間につき1本の運転で、コロナ禍前の本数には完全に戻っていない状況でありますが、今回、ようやく昼間時間帯についても、1時間につき2本の運転が再開され、ここにきてようやく「コロナ禍前の本数復活」が実現することになりました。
既に訪日外国人旅行者数が、中国等を除いてほぼ回復、あるいはコロナ禍前以上となっているのにも関わらず、「ラピート」の本数が即座に復活されなかったのは、「ラピート」車両が「泉北ライナー」として使用されていたことも、理由にあったものと考えられます。
昨年5月に発生した高野線の小原田車庫で発生した車両トラブルに起因した高野線系統の特急用車両の不足は、「泉北ライナー」までにも影響が及ぶことになり、昨年11月から「ラピート」50000系が「泉北ライナー」で使用されることになりました。
この「ラピート」車両による「泉北ライナー」の運行も今月末で終了となり、いよいよコロナ禍前の姿に完全に戻ることになりました。
思えばコロナ禍発生から3年半をかけ、ようやく元の「終日1時間2本運転」が復活することとなり、長かった減便のように感じました。
ただ上述のとおり、「ラピート」に関しては、単にコロナ禍だけでなく、「泉北ライナー」への充当もあった、というのは特殊な事情かも知れませんが、これで本来の空港利用客の輸送に全編成が活躍することになる、というのは、「コロナ禍からの復活」の姿を印象づけることになるのではないのでしょうか。
空港急行の8両編成の増加も含めて、活況が戻りつつある空港線に対し、今回のダイヤ修正のもう一つのトピックは「多奈川線の大減便」といえるでしょう。
多奈川線とは、南海本線のみさき公園駅から多奈川駅を結ぶ、全長2.6kmの支線であります。
かつては深日港駅で接続する淡路航路へのアクセスとして、難波から直通の急行「淡路号」も運行された時代もありましたが、現在は2両編成のワンマン列車が日中1時間に2本が行き来するローカル線となっています。
多奈川線各駅の乗降人数をみますと、直近の2022年度では、深日町404人、深日港656人、多奈川463人となっています。
(引用:ハンドブック南海 | 南海電鉄(2023年度版))
各支線でみると、これらより利用者数の少ない駅もありますが、一方で多奈川線の走る岬町は、大阪府内の中でも少子高齢化も進んでおり、また観光誘客となるコンテンツも、同じく支線である加太線に比べると決して多くないのが現状です。
そういった状況を合わせて考えると、利用者の開拓、という点では他線に比べてかなり厳しい状況であるともいえるでしょう。
この多奈川線、私自身が住んでいるところからほど近い路線でありますので、何かと乗りに行く機会はあるのですが、残念ながら賑やかな車内、という印象はあまりありませんでした。
そんな多奈川線で今回、大幅な減便を伴う改正が実施されることとなりました。
本数ベースでみると、平日は半減に近いくらいの削減となりますので、日中は60分間隔(現行30分間隔)、ラッシュ時は30分間隔くらいに削減するのではないか、とも思われます。
今回の多奈川線の減便ダイヤ改正、利用状況からみると何らかのテコ入れは今後行われるのではないか、とも思えましたが、意外にも早く、そしてかなり大規模に実施されるという印象でした。
今回の見直しが相当抜本的にも感じましたが、これでも更に利用者の減少が止まらなければ、次にどのような見直しが行われるのか、と考えると悲観的なストーリーも思い浮かばないわけではないだけに、今後の動向も見守りつつ、多奈川線の利用活性化のイベント等があれば、当ブログでも積極的に取り上げていきたいな、と感じたニュースでありました。
【関連ニュースサイト】
●南海 ダイヤ修正・ラピート増発(2023年10月21日) - 鉄道コム
●南海ラピート“完全復活” 空港急行も増車へ 一方で本数“激減”の路線も 10月ダイヤ改正 | 乗りものニュース
●南海電鉄、ダイヤ修正で多奈川線を減便 - 運行本数は現行の6割前後 | マイナビニュース
●特急ラピートの運転本数はコロナ禍前と同数に 南海電鉄、10月21日ダイヤ修正で空港線の輸送力増強 | 鉄道ニュース | 鉄道チャンネル
●南海,10月21日に南海本線・空港線・多奈川線・和歌山港線のダイヤを修正|鉄道ニュース|2023年9月19日掲載|鉄道ファン・railf.jp
【関連ブログ】
●[南海]多奈川線が大幅減便で日中は毎時2→1本か。ラピートは終日毎時2本に。2023/10/21にダイヤ改正: 鉄道ダイヤ改正ニュース
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10月21日(土)に南海線のダイヤを修正します | 南海電鉄
概要は以下のとおりです。
【実施日】
2023年10月21日(土)
【対象路線】
南海本線、空港線、多奈川線、和歌山港線
【主な内容】
○特急「ラピート」増便
上下各6本を増発し、コロナ禍前と同様に終日1時間につき2本を運行。
○空港急行の両数見直し(増結)
一部の空港急行の両数を6両から8両に変更し、需要増加に対応。
<8両編成の空港急行の本数>
・下り:
平日ダイヤ・・・30本→49本(+19本)
土休日ダイヤ・・・17本→48本(+31本)
・上り:
平日ダイヤ・・・31本→51本(+20本)
土休日ダイヤ・・・17本→49本(+32本)
○多奈川線の運行形態見直し
利用状況を踏まえ、多奈川線の運行本数を見直し。
・列車本数の見直し
平日ダイヤ・・・現行46往復→修正後26往復(△20往復)
土休日ダイヤ・・・現行37往復→修正後23往復(△14往復)
・始発列車及び最終列車の見直し
(平日ダイヤ)
始発:
下り・みさき公園発・・・5:40発→6:18発(38分繰り下げ)
上り・多奈川発・・・5:30発→6:08発(38分繰り下げ)
最終:
下り・みさき公園発・・・23:56発→23:08発(48分繰り下げ)
上り・多奈川発・・・23:41発→22:31発(70分繰り下げ)
(土休日ダイヤ)
始発:
下り・みさき公園発・・・5:53発→6:18発(25分繰り下げ)
上り・多奈川発・・・5:40発→6:05発(25分繰り下げ)
最終:
下り・みさき公園発・・・23:56発→23:10発(46分繰り下げ)
上り・多奈川発・・・23:20発→22:26発(54分繰り下げ)
○和歌山市発 急行難波行きの運行区間変更
<平日ダイヤ>
和歌山市発19:41発急行難波行き→和歌山港19:35発急行難波行きに変更
詳細は、上記発表資料をご覧下さい。
南海電鉄の特急「ラピート」は、運行開始当初より基本的に日中1時間に2本の運転を維持してきましたが、2020年からの新型コロナウイルスの影響による利用者減少を受け、減便が続けられてきました。
一時期は昼間は全く「ラピート」が運行されない時期もあり、下記画像のように、通常は「ラピート」が発着する9番線を利用した「すみっコぐらし」ラピートの展示といったイベントさえも実施される状況でありました。

その後、2021年10月には土休日の昼間時間帯の運転再開、2022年5月には平日についても昼間時間帯の運転が再開されました。
とはいえ、現在では引き続き、昼間時間帯は1時間につき1本の運転で、コロナ禍前の本数には完全に戻っていない状況でありますが、今回、ようやく昼間時間帯についても、1時間につき2本の運転が再開され、ここにきてようやく「コロナ禍前の本数復活」が実現することになりました。
既に訪日外国人旅行者数が、中国等を除いてほぼ回復、あるいはコロナ禍前以上となっているのにも関わらず、「ラピート」の本数が即座に復活されなかったのは、「ラピート」車両が「泉北ライナー」として使用されていたことも、理由にあったものと考えられます。
昨年5月に発生した高野線の小原田車庫で発生した車両トラブルに起因した高野線系統の特急用車両の不足は、「泉北ライナー」までにも影響が及ぶことになり、昨年11月から「ラピート」50000系が「泉北ライナー」で使用されることになりました。
この「ラピート」車両による「泉北ライナー」の運行も今月末で終了となり、いよいよコロナ禍前の姿に完全に戻ることになりました。
思えばコロナ禍発生から3年半をかけ、ようやく元の「終日1時間2本運転」が復活することとなり、長かった減便のように感じました。
ただ上述のとおり、「ラピート」に関しては、単にコロナ禍だけでなく、「泉北ライナー」への充当もあった、というのは特殊な事情かも知れませんが、これで本来の空港利用客の輸送に全編成が活躍することになる、というのは、「コロナ禍からの復活」の姿を印象づけることになるのではないのでしょうか。
空港急行の8両編成の増加も含めて、活況が戻りつつある空港線に対し、今回のダイヤ修正のもう一つのトピックは「多奈川線の大減便」といえるでしょう。
多奈川線とは、南海本線のみさき公園駅から多奈川駅を結ぶ、全長2.6kmの支線であります。
かつては深日港駅で接続する淡路航路へのアクセスとして、難波から直通の急行「淡路号」も運行された時代もありましたが、現在は2両編成のワンマン列車が日中1時間に2本が行き来するローカル線となっています。
多奈川線各駅の乗降人数をみますと、直近の2022年度では、深日町404人、深日港656人、多奈川463人となっています。
(引用:ハンドブック南海 | 南海電鉄(2023年度版))
(※)
コロナ禍前の2019年度でみますと、深日町488人、深日港697人、多奈川603人でした。
(引用:バックナンバー | 南海電鉄(2021年度版))
各支線でみると、これらより利用者数の少ない駅もありますが、一方で多奈川線の走る岬町は、大阪府内の中でも少子高齢化も進んでおり、また観光誘客となるコンテンツも、同じく支線である加太線に比べると決して多くないのが現状です。
そういった状況を合わせて考えると、利用者の開拓、という点では他線に比べてかなり厳しい状況であるともいえるでしょう。
この多奈川線、私自身が住んでいるところからほど近い路線でありますので、何かと乗りに行く機会はあるのですが、残念ながら賑やかな車内、という印象はあまりありませんでした。
▲深日港駅に到着する「めでたいでんしゃ なな」
昨年11月に「めでたいでんしゃ」3編成が順に多奈川線で運行するというイベントがあり、その際撮影しました。
そんな多奈川線で今回、大幅な減便を伴う改正が実施されることとなりました。
本数ベースでみると、平日は半減に近いくらいの削減となりますので、日中は60分間隔(現行30分間隔)、ラッシュ時は30分間隔くらいに削減するのではないか、とも思われます。
▲多奈川線・みさき公園駅の時刻表
(南海電鉄Webサイト(https://www.nankai.co.jp/traffic/jikoku/pdf/misakikoen/n_01.pdf)より引用)
短い支線ではありますが、早朝から深夜に渡り一定程度の本数は確保されていますが、今回これがおよそ半減という大規模な削減が行われます。
今回の多奈川線の減便ダイヤ改正、利用状況からみると何らかのテコ入れは今後行われるのではないか、とも思えましたが、意外にも早く、そしてかなり大規模に実施されるという印象でした。
今回の見直しが相当抜本的にも感じましたが、これでも更に利用者の減少が止まらなければ、次にどのような見直しが行われるのか、と考えると悲観的なストーリーも思い浮かばないわけではないだけに、今後の動向も見守りつつ、多奈川線の利用活性化のイベント等があれば、当ブログでも積極的に取り上げていきたいな、と感じたニュースでありました。
【関連ニュースサイト】
●南海 ダイヤ修正・ラピート増発(2023年10月21日) - 鉄道コム
●南海ラピート“完全復活” 空港急行も増車へ 一方で本数“激減”の路線も 10月ダイヤ改正 | 乗りものニュース
●南海電鉄、ダイヤ修正で多奈川線を減便 - 運行本数は現行の6割前後 | マイナビニュース
●特急ラピートの運転本数はコロナ禍前と同数に 南海電鉄、10月21日ダイヤ修正で空港線の輸送力増強 | 鉄道ニュース | 鉄道チャンネル
●南海,10月21日に南海本線・空港線・多奈川線・和歌山港線のダイヤを修正|鉄道ニュース|2023年9月19日掲載|鉄道ファン・railf.jp
【関連ブログ】
●[南海]多奈川線が大幅減便で日中は毎時2→1本か。ラピートは終日毎時2本に。2023/10/21にダイヤ改正: 鉄道ダイヤ改正ニュース
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