JR西日本では、去る6月30日からの大雨により被災した美祢線(厚狭〜長門市)及び山陰線(長門市〜小串)の被災状況及び今後の見通しについて発表しました。

大雨に伴う美祢線・山陰線の被災状況と今後の見通しについて:JR西日本

概要は以下のとおりです。

【美祢線】
●被災状況:
発生区間:湯ノ峠(山陽小野田市)〜長門湯本(長門市)駅間の約 37 劼龍茣
箇所数:80 箇所

●被災原因等:
第6厚狭川橋りょう流失をはじめ、盛土(路盤)やバラスト流失の多くが二級河川厚狭川の水位上昇や氾濫によって生じたものと想定。
なお、厚狭川に架かる他の6橋りょうも橋桁に至る水位上昇を現地調査により確認。

【山陰線】
●被災状況:
発生区間:長門市(長門市)〜小串(下関市)駅間の約 51 劼龍茣
箇所数:69 箇所

●被災原因等:
大雨による土砂災害であると想定。
なお、粟野川橋りょうの橋脚傾斜は引き続き専門技術者による調査分析を実施。

【今後の見通し】
●美祢線:
2010年7月に引き続いての厚狭川に起因する大規模な被災であることから、当該橋りょうだけでなく、河川管理者において、厚狭川全体の河川計画を検討される必要があると考える。
また、被災前の美祢線利用促進協議会では、同社から地域交通における美祢線の役割についての議論を沿線自治体の皆様に要請してきたところ。

これらを踏まえ、厚狭川全体の河川改修など沿線地域の防災強度向上の検討に対応するとともに、今後の進め方について関係自治体の皆様に相談したいと考える。

●山陰線:
粟野川橋りょうの被災メカニズムの調査や構造物の詳細調査を引き続き進める。
調査結果についてはまとまり次第報告。


詳細は、上記発表資料をご覧下さい。




ここ近年、異常気象の影響もあるのかも知れませんが、通常をはるかに上回る豪雨等が発生し、様々な災害が発生しています。

鉄道についても例外ではなく、この6月30日には、上述のとおり山口県内を中心とした豪雨の影響で、美祢線及び山陰線で多数の豪雨被害が発生しました。
今回その被災状況が発表され、美祢線では80箇所、山陰線では69箇所での被災が確認されました。

一方で、美祢線では、この被災前に「美祢線利用促進協議会」で美祢線の役割について議論するよう、沿線自治体に要請してきたこともあり、今後の進め方を自治体に相談する考えを発表しています。

「データで見るJR西日本」によりますと、2021年度の美祢線(厚狭〜長門市)の平均通過人員(輸送密度)は346人/日・kmと、民営化直後の1987年のおよそ1/5に減少しており、かつ、国が協議会を設置することも可能な水準である輸送密度1,000人/日・kmの3割程度しかなく、鉄道として求められる役割が果たせていない現状となっています。
(参考)
データで見るJR西日本2022:区間平均通過人員および旅客運輸収入(2021年度)

こういったことも含めて、上記発表資料では「今後の進め方を相談」したい、とJR西日本では表明しています。
上述の状況を踏まえると、「相談」の内容については、復旧費用の大きさだけでなく、鉄道としての役割が果たせていない現在の輸送状況、そしてそれが好転する要素のないことなどを併せて、この美祢線を今後も鉄道として維持していくのが、果たして社会経済的に望ましい姿なのか、という議論もあるものと考えられます。


ともあれ、JR西日本が美祢線の今後について「相談」したい意向を明らかにしたことから、今後同社と沿線自治体とでどのような議論が進められていくのか、引き続き注目していきたいと思います。




【関連ニュースサイト】
JR西、山陰本線・美祢線の被災状況を発表 関係自治体との相談も要望 - 鉄道コム
JR西日本、美祢線で橋りょう流失など被災80カ所 - 山陰本線69カ所 | マイナビニュース



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