阪和線の沿線から

阪和線沿線在住の筆者が記している日記です。
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JRグループ

【鉄道博物館】EF58形61号機を展示へ。お召列車を数多くけん引した「ロイヤルエンジン」をいつでも観覧可能に(2022.10.30〜)

埼玉県さいたま市の鉄道博物館では、2022年10月30日(日)より「EF58形61号」電気機関車を、同館内で常設展示することを発表しました。

鉄道博物館における EF58形61号電気機関車の常設展示について|鉄道博物館

概要は以下のとおりです。

【EF58形61号電気機関車について】
・製造年:
1953年

・特徴:
60号機とともに初めから「お召し列車専用機」として指定した上で車両メーカーに発注、新製。
1953年から2001年までの間、90回以上お召列車の先頭に立ち、その他にも臨時列車やイベント列車を多くけん引し、日本の電気機関車を代表する存在。

【展示開始日】
2022年10月30日(日)

【展示場所】
本館1階

【参考画像】
rwy-museum_ef58-61
▲EF58形61号電気機関車(1984年9月)
(上記発表資料(https://www.railway-museum.jp/press/pdf/20220921_1.pdf)より引用)


詳細は、上記発表資料をご覧下さい。



天皇・皇后両陛下等のために特別に運行される列車である「お召し列車」(お召列車)。
そのために製造された客車、電車のみならず、お召し列車用の指定を受けて製造された機関車が、このEF58形61号機でありました。

上述のとおり、通算90回及びお召列車の先頭に立ってきたことから、「ロイヤルエンジン」とも呼ばれるようになったこのEF58形61号機。
しかし近年はお召列車の運転機会も減少した上、お召列車を初めとするVIP輸送用の車両としてE655系「なごみ」が導入されたこともあり、同機は2008年4月からは休車の状態が続いていました。

休車から14年も経過し、今後の動向を多くのファンがずっと気にしていた中、今回鉄道博物館での常設展示が発表されました。



思えば、今年は「鉄道開業150年」であります。

JRグループも分割・民営化して30年以上が経過していることもあり、JRグループ全社で共通の取り組みを実施するのが難しくなってきていることもあるのでしょうが、正直あまりめぼしいイベントが用意されている、とは思っていませんでした。

しかし、この9月に入り、下記記事でご紹介したように京都鉄道博物館では「マイテ49形2号車」が扇形車庫で保存されることが発表されましたが、加えて今回、EF58形61号機も保存・展示されることとなり、東西の鉄道博物館で、ファン待望の展示がこの10月から開始されることとなりました。
阪和線の沿線から : 【京都鉄道博物館】マイテ49形を収蔵車両に(2022.10.14)お披露目式典も計画

考えてみれば、「EF58形61号機」にしろ「マイテ49形2号車」にしろ、何年も前から休車や保留状態となっていたように思えます。
そんな車両が、わざわざ今年、そしてこの10月の展示開始に向けて相次いで搬入されていったところを見ると、いずれも随分前から「鉄道開業150年」に向けて展示を行うことが計画されていたのかな、と感じたりしました。


ともあれ、お召列車を初めて数多くの「晴れ舞台」でファンの注目を浴びた「EF58形61号機」。
今後は、鉄道博物館で数多くの来館者に、「お召列車」の歴史を伝えることとなりますが、その役割を末永く果たしてもらえると嬉しいな、とも感じたニュースでありました。




【関連ニュースサイト】



「ロクイチ」ことEF58形61号機、鉄道博物館で展示へ 車両数は計42両に | 乗りものニュース

お召用電気機関車が鉄道博物館へ…「ロイヤルエンジン」ことEF58 61 10月30日から常設展示 | レスポンス(Response.jp)



【関連ブログ】
【鉄道博物館】EF58形61号電気機関車を常設展示 - kqtrain.net(京浜急行)



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【JR東日本】オフピーク定期券導入に向けた手続きを開始。現行より10%値下げ、2023年3月導入予定

JR東日本では、コロナ禍により社会で高まっている混雑緩和への強いニーズを踏まえ、首都圏の朝のピーク時間帯前後にシフトして利用する代わりに、現行より割安となる「オフピーク定期券」を2023年3月に導入する予定とし、これに向けて国土交通大臣に通勤定期運賃の変更認可申請を行ったことを発表しました。

通勤定期運賃の変更認可申請について|JR東日本

概要は以下のとおりです。

【オフピーク定期券とは】
平日朝のピーク時間帯以外の時間帯(オフピーク時間帯)にのみ利用可能な、通常の通勤定期券より割安なSuica通勤定期券。
2022091601
(上記発表資料(https://www.jreast.co.jp/press/2022/20220916_ho01.pdf)より引用)

【オフピーク定期券発売開始及び運賃改定時期】
2023年3月

【設定区間】
東京の電車特定区間(下図エリア)内完結となる区間
2022091602
(上記発表資料(https://www.jreast.co.jp/press/2022/20220916_ho01.pdf)より引用)

【定期運賃概要】
・オフピーク定期運賃は、現行より約10%値下げした額。
・東京の電車特定区間内完結おなる通常の通勤定期運賃については、現行より約1.4%値上げした額を認可申請。

【その他】
通学定期券にはオフピーク定期券の設定はなく、現行の運賃から変更せず。
・グリーン定期券・FREX(東京〜大宮・東京〜新横浜間等)にはオフピーク定期券の設定は行わないものの、その価格は通勤定期運賃と料金相当額の合算額であることから、通常の通勤定期運賃の値上げに伴い価格も値上げとなる。
・上記のように通勤定期運賃の値下げ・値上げを行うが、これにより同社の定期運賃収入全体としては増収とならないことを想定。
・2023年3月からの通常の通勤定期券・オフピーク定期券の発売額は、上記の定期運賃に「鉄道駅バリアフリー料金」(1箇月280円、3箇月790円、6箇月1,420円)を加算した額となる。


詳細は、上記発表資料をご覧下さい。



新型コロナウイルス感染症の影響により利用者が減少し、今後の回復も完全には見込めないなか、鉄道の運賃や料金に様々な変化が生まれています。

多くは値上げの実施となりますが、それだけでなく、コロナ禍後の社会変容に対応した運賃・料金制度の構築を実施しようという動きも見られます。


今回JR東日本より発表のあった「オフピーク定期券」は、まさにその「コロナ禍の社会変容」を踏まえた運賃制度で、これまでは様々な要因で実現し得なかった「ピーク時以外に使用できる割安な定期券」が、交通系ICカードの普及と、そして鉄道運賃の変動に対する社会的理解の高まりを得て、ようやく実現することになった、といえるでしょう。

「オフピーク定期券」の運賃体系をみますと、現行の定期運賃よりもおよそ10%値下げする一方、現行の定期運賃を約1.4%値上げすることで、同社全体の定期運賃収入が増えないものとしています。

勿論、ピーク時の利用が減少することで、ピーク時に対応した設備(車両、人員等)をスリム化することができれば、同社全体のコスト削減にもなるわけで、このコロナ禍を機会に、利用者の行動変容と収益性の確保を目指している、ともいえるでしょう。


具体的なピーク時間帯は明らかにされていませんが、この「オフピーク定期券」の開始で会社によっては始業時間をシフトしたりして、通勤定期にかかるコストを削減しよう、という動きも出てくるかも知れません。

一方、そのように柔軟に始業時間を変えることのできる事業所はまだまだ少数派で、実質手的な値上げなのではないか、という意見もあるかも知れませんが、果たして今回JR東日本が導入を発表した「オフピーク定期券」、利用者にどれだけ支持されるのか、また、他事業者で追随するところは出てくるのか、引き続き注目していきたいニュースであります。



【関連ニュースサイト】


首都圏JRに「オフピーク定期券」導入へ認可申請 通常定期は値上げ 来年春から JR東日本 | 乗りものニュース

JR東日本「オフピーク定期券」の詳細判明 使えないピーク時間帯って? “元が取れる日数”も変わる | 乗りものニュース

JR東日本「オフピーク定期券」導入へ手続き開始、通常より10%割安 | マイナビニュース

JR東日本が「オフピーク定期券」の導入を申請…通常の通勤定期券は約1.4%値上げ 2023年3月 | レスポンス(Response.jp)



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【JR北海道】H100形の観光仕様の投入を発表。国と北海道による支援を受けて導入へ

JR北海道では、国(鉄道・運輸機構)と北海道による助成・補助制度を活用したH100形車両を導入することを発表しました。

【社長会見】国と北海道による支援を受けたH100形車両がデビューします|JR北海道

概要は以下のとおりです。

【導入概要】
・北海道高速鉄道開発株式会社(JR北海道・北海道及び一部沿線自治体が出資した第三セクター会社)が車両を取得し、JR北海道に無償貸与を行う。
・地域の特色を活かしたラッピングに加え、内装も一般のH100形から変更し、定期列車の他、観光列車としても活用。
・今年10月から来年度にかけて、順次運行開始。

【配置計画】
・2022年度は4両を配置(釧網、花咲、石北、富良野の各路線ラッピングを実施)
・2023年度も4両を配置(室蘭、日高、根室、宗谷の各路線ラッピングを実施)

【運行】
・定期列車として、新得〜釧路、旭川〜名寄・上川間で運行。
・その他、今後観光列車として運行する予定。
・2022年度に配置する4両のうち、釧網線・花咲線の各ラッピング車両は、今年10月末の使用開始予定。

【車両概要】
[釧網線ラッピング]
jrhokkaido_h100_senmo
・H100-82号
・根室線 新得〜釧路間で運転

[花咲線ラッピング]
jrhokkaido_h100_hanasaki
・H100-83号
・根室線 新得〜釧路間で運転

[石北線ラッピング]
jrhokkaido_h100_sekihoku
・H100-80号
・宗谷線 旭川〜名寄間及び石北線 旭川〜上川間で運転

[富良野線ラッピング]
jrhokkaido_h100_furano
・H100-81号
・宗谷線 旭川〜名寄間及び石北線 旭川〜上川間で運転

(画像はいずれも上記発表資料(https://www.jrhokkaido.co.jp/CM/Info/press/pdf/220914_KO_H100.pdf)より引用)


詳細は、上記発表資料をご覧下さい。



JR北海道では、今年の6月に「JR北海道グループ 経営改善に関する取り組み」「として、2022年度の目標設定について発表していますが、その中で、「H100形気動車の観光列車化改造」が明記されていました。
阪和線の沿線から : 【JR北海道】H100形気動車の観光列車化改造を実施へ。2022年度の経営改善に関する取り組みで発表

今回の発表は、この「H100形観光列車版」についてのもので、今年度と来年度に4両ずつ、計8両を導入することとなっています。

その車両ですが、上述のとおり、道内の各路線をテーマにしたラッピングが実施されています。
ここでの留意点は、「ラッピングの線区と実際の運行線区は現段階では異なる」ことでして、例えば「釧網線」「花咲線」の各ラッピングを施した車両であっても、実際に運行されるのは根室線・新得〜釧路間、となります。

とはいえ、今回導入されるH100形は、定期列車以外でも観光列車として運行することが予定されており、そういったイベント列車として、ラッピングされた路線で運行される可能性は高いと考えられます。

では未来永劫、ラッピングテーマ路線と実際の運行路線が違うままなのか、というと、近い将来は一致するのではないか?という見立ても可能です。

現在、JR北海道には国鉄時代から引き継いだ一般形気動車として、「キハ40形」「キハ54形」が在籍しています。
このうち、キハ40形については、近年導入を続けているH100形(一般仕様)にて置き換えが続けられていますが、その目途がつけば、今度は「キハ54形」の置き換えが検討されるのではないか、と考えます。

キハ54形は現在、花咲線、釧網線、留萌線、宗谷線、石北線を中心に運用されています。
これらの線区のうち、留萌線は2026年3月に全廃で同意済みとなっており、単純に留萌線でのキハ54形が余ることが予想されます。
阪和線の沿線から : 【JR北海道】留萌線・石狩沼田〜留萌間の鉄道廃止届提出を発表。繰上が認められれば2023年3月末廃止に

加えて、今後北海道新幹線の開業に伴い、長万部〜小樽間については、既に沿線自治体が廃止を同意している状況です。
阪和線の沿線から : 【JR北海道】函館線・長万部〜余市間廃止へ。並行在来線対策協議会でバス転換容認に
阪和線の沿線から : 【JR北海道】函館線・小樽〜余市間も廃止へ。北海道・小樽市・余市町の三者協議で合意へ

そして、現在北海道新幹線開業に伴う在来線の扱いで協議が難航している新函館北斗〜長万部間についても、貨物輸送をどうするかはまだ方針が決まっていない一方、普通列車によるローカル輸送については、バスに移行せざるを得ない程度の利用者である状況となっています。

これらのことを考えると、少なくとも2026年3月(留萌線廃止)、そして2030年度(北海道新幹線開業)の余剰が発生するものと考えられます。

一方、2030年度となれば、国鉄末期に導入されたキハ54形とて車齢40年以上を経過することとなり、流石に置き換えが必要なタイミングとなるのではないか、と考えます。

これらから考えると、JR北海道の一般形気動車は、2030年度には「キハ150形」「キハ201形」「H100形」の3形式に集約されることとなり、現在導入されていない各線にもいずれ、H100形がやってくるではないか、とも考えられます。

もっとも、その時期がいつになるのかは、各線区でもバラバラでしょうが、現在のように集団見合い形の特徴ある座席配置のキハ54形についても、乗車が楽しめるのは今のうち、といえるでしょう。


H100形本題の話ではありませんが、今後北海道の一般形気動車についても激動の時代がやってくるのは確実でありましょうから、しっかり乗車・記録しておきたいところだな、と感じたニュースでした。




【関連ブログ】
JR北海道、国と道の支援を受けたH100形を導入へ - 鉄道プレス



【関連ニュースサイト】


JR北海道H100形ラッピング車両、内装も変更 - 10月末から順次導入 | マイナビニュース

JR北海道の新たなローカル線の顔「H100形」に“観光仕様”登場 外観ド派手 内装カワイイ! | 乗りものニュース

JR北海道、H100形「観光列車化」の詳細。ラッピングなど施す | タビリス



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【JR北海道】Kitacaエリアを拡大(2024年春)函館・旭川エリアでも利用可能に

JR北海道では、交通系ICカード「Kitaca」の利用エリアを、函館・旭川地区に拡大することを発表しました。

【社長会見】ICカードKitacaエリアを拡大します!〜2024年春、函館・旭川各エリアでKitacaサービスを開始します〜|JR北海道

概要は以下のとおりです。

【拡大エリア】
・函館エリア:
函館本線・函館〜新函館北斗間の6駅

・旭川エリア:
函館本線・岩見沢〜旭川の14駅

・エリアマップ
kitaca_area_2024
(上記発表資料(https://www.jrhokkaido.co.jp/CM/Info/press/pdf/220914_KO_Kitaca.pdf)より引用)

【サービス開始時期】
2024年春(予定)
(サービス開始日、詳細は決定次第発表)


詳細は、上記発表資料をご覧下さい。



JR北海道では、今年度の事業計画において、「Kitacaエリアの拡大」について既に計画の中に記しており、その拡大エリアがどこになるのか、が今後の注目点であったかといえます。
(参考)
阪和線の沿線から : 【JR北海道】令和4年度事業計画を発表。ワンマン電車新製やKitacaエリア拡大が記載

今回の発表では、旭川エリア(岩見沢〜旭川)、函館エリア(函館〜新函館北斗)の両エリアでKitacaのサービスを開始することとなりました。

DSC06050_R
▲岩見沢駅に到着する特急「ライラック」。
2024年春からは、岩見沢から先の「ライラック」運行区間でも、「Kitaca」をはじめとした交通系ICカードが利用可能となります。


DSC_0576_R
▲新函館北斗駅に停車中の特急「スーパー北斗」(当時)。
函館〜新函館北斗間は、北海道新幹線のアクセス路線でもありますので、Kitaca導入は従前から望まれていたものと思われます。



上記の過去記事では、函館エリア(函館〜新函館北斗)に加え、JR西日本で実施されている「特急停車駅のみの交通系ICカード対応」を予想してました。

前者はそのとおりでしたが、後者は外れで、その代わり岩見沢から先の函館本線各駅が新たにサービスエリアとなるのが、「正解」でありました。
この岩見沢〜旭川間、特急列車は「ライラック」「カムイ」等が少なくとも1時間に1本は運転されている一方、普通列車は2時間以上運転間隔が空く時間もあり、正直特急停車駅のみの対応になるのでは、と思っていたのですが、意外にも区間内全ての駅で交通系ICカード対応が発表されました。

これは個人的な予想でしかありませんが、先に室蘭本線・苫小牧〜室蘭間に導入が発表された「737系」を、2024年にはこの岩見沢〜旭川間にも投入し、併せて車載式ICカード端末を搭載して、ワンマン化とICカード対応を同時に実施する、というのも考えられなくはないのではないか、とも思いました。
(参考)
阪和線の沿線から : 【JR北海道】新型電車「737系」導入(2023年春)室蘭線・苫小牧〜室蘭間に投入
(※)
もっともその際、留萌線から直通する列車(旭川〜深川)の扱いをどうするか、という点が残りますが、そもそも留萌線自体2026年3月末での廃止が沿線自治体と合意に至っていることもあるので、それまでの間、「留萌線からの直通列車は交通系ICカード利用不可」として取り扱うのも可能とは考えられます。
(参考)
阪和線の沿線から : 【JR北海道】留萌線・石狩沼田〜留萌間の鉄道廃止届提出を発表。繰上が認められれば2023年3月末廃止に


「Kitaca」エリア拡大の詳細は、正式に決定次第発表されるとのことですので、特に列車本数の少ない駅での対応方法等、今後の詳細にも注目しておきたいな、と感じたニュースでありました。




【関連ニュースサイト】
交通系IC「Kitaca」函館・旭川へ拡大 函館本線の計20駅で利用可能に 2024年春 | 乗りものニュース

JR北海道「Kitaca」2024年春から函館・旭川エリアでもサービス開始 | マイナビニュース

JR北海道「Kitaca」が函館・旭川で利用可能に - Impress Watch



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【JR北海道】留萌線・石狩沼田〜留萌間の鉄道廃止届提出を発表。繰上が認められれば2023年3月末廃止に

JR北海道では、留萌線の沿線自治体の深川市、秩父別町(ちっぷべつちょう)、沼田町、留萌市と協議してきた結果、石狩沼田〜留萌間は2023年3月末、深川〜石狩沼田間は2026年3月末での廃止について合意が至ったことから、本日石狩沼田〜留萌間の鉄道事業廃止届出書を提出したことを発表しました。

留萌線(石狩沼田・留萌間)の鉄道事業廃止届の提出について|JR北海道

概要は以下のとおりです。

【廃止路線】
留萌線の一部 石狩沼田〜留萌間(35.7km)

【廃止予定日】
令和5年(2023年)9月30日

【今後の予定】
・上記予定日で届出を行った後、鉄道事業法第28条の2第2項の規定に基づき、北海道運輸局の主催で意見の聴取が実施される。
・同社は、上記意見の聴取の中で、鉄道事業法第28条の2の規定に定められている廃止日の繰上を実施したい旨の陳述を行う。
・上記の繰上が認められれば、2023年4月1日(最終運行日は2023年3月31日)に廃止予定日を繰り上げる


(参考:鉄道事業法第28条の2)
第二十八条の二 鉄道事業者は、鉄道事業の全部又は一部を廃止しようとするとき(当該廃止が貨物運送に係るものである場合を除く。)は、廃止の日の一年前までに、その旨を国土交通大臣に届け出なければならない
2 国土交通大臣は、鉄道事業者が前項の届出に係る廃止を行つた場合における公衆の利便の確保に関し、国土交通省令で定めるところにより、関係地方公共団体及び利害関係人の意見を聴取するものとする。
3 国土交通大臣は、前項の規定による意見聴取の結果、第一項の届出に係る廃止の日より前に当該廃止を行つたとしても公衆の利便を阻害するおそれがないと認めるときは、その旨を当該鉄道事業者に通知するものとする。
4 鉄道事業者は、前項の通知を受けたときは、第一項の届出に係る廃止の日を繰り上げることができる


詳細は、上記発表資料をご覧下さい。



JR北海道の留萌線廃止については、今年の7月、石狩沼田を境に段階的に廃止を行う方向で調整している旨の報道があり、このブログでも下記記事で取り上げました。
阪和線の沿線から : JR北海道・留萌線の一部(石狩沼田〜留萌間)が2023年3月末でも廃止の報道。深川〜留萌間も3年程度存続の後廃止

留萌線の利用状況も上記記事で触れていますが、まとめて言えば「利用者が大幅に少なく」、かつ「石狩沼田以北の定期利用者が僅少」という状況であります。

そんな中、JR北海道と沿線自治体では、定期利用者が非常に少ない石狩沼田〜留萌間を先に廃止し、逆に定期利用者がそれなりに存在する深川〜石狩沼田間は更に3年間存続させて廃止するという、二段階での廃止に同意したとのことでした。

今回の届出は、そのうち先行して廃止する石狩沼田〜留萌間に関するものであります。
上記で引用した鉄道事業法の規定にもあるように、「廃止の日の一年前まで」に廃止の届出を行う一方、「意見の聴取」で「届出に係る廃止の日より前に廃止を行ったとしても公衆の利便を阻害するおそれがない」場合には、「廃止の日を繰り上げることができる」こととなっているので、今回のJR北海道もこれらの規定に基づき、認められた場合は2023年3月末をもって廃止する意向を示しています。


当該「意見の聴取」は、「関係地方公共団体及び利害関係人」が出席するものとなっていますが、沿線自治体(地方公共団体)が合意していることから、繰上が認められない可能性は低いと思われます。



過去記事でも述べたように、留萌線については私自身は、2016年6月に乗車しました。
当時は、深川〜留萌〜増毛間で運行していて、そのうち留萌〜増毛間が同年12月に廃止となる前に訪問したわけですが、そのおよそ6年後に、段階的に全線廃止が決定するとは、当時は想像していなかったと思います。

そのため、今回の届出で廃止となる留萌駅の写真もあまり満足には撮影していなかったのが、少々悔やまれたりしますが、記録がないよりかずっと良いと思い、今回もその時の写真を再掲しておきたいと思います。

DSC06277_R
▲留萌駅に停車中のキハ54。

DSC06274_R
▲留萌駅駅名標。
当時は留萌駅から先も路線が伸びていました。

DSC_6156
▲留萌駅駅舎



ところで、旧国鉄では、多数ある路線のうち、基軸となる路線には「本線」という名称を付けていました。

この名称は民営化後、JR四国では正式な路線名から「本線」から「線」(例:予讃本線→予讃線)に変更する例はありましたが、他のJR各社では正式名称としてはそのまま「本線」が引き継がれました。

この「留萌線」も、現在でも正式には「留萌本線」と称していますが、今回の廃止決定により、「本線」と称するJR線が全廃となるのは、「名寄本線」(1989年5月1日)以来2例目となります。

もとより「本線」は、基軸となる路線に付けられているわけですから、「鉄道」としての役割を果たしている線区であることが前提にあったかと思われます。
しかし、その後の社会状況の変化により、「本線」であっても廃止されるケースはあり得ない話では無いのですが、その2例目がここ留萌本線となったのか、と改めて感じた次第です。


「留萌本線」が完全に廃止となるまであと3年半ほどとなりました。
今回の一部廃止には間に合いませんが、石狩沼田までの留萌線、機会があれば実際に乗車してみて、期間限定となる同駅での折り返し設備を記録する、というのもできればいいな、とも感じたニュースでありました。




【関連ニュースサイト】
留萌本線、石狩沼田〜留萌間の鉄道事業廃止届が提出 - 鉄道コム

JR留萌本線(石狩沼田〜留萌)23年9月末で廃止に JR北海道、さらに半年前倒ししたい考えも | 乗りものニュース

留萌本線石狩沼田-留萌間、2023年9月30日付け廃止を届出…4月1日に繰上げの意向 | レスポンス(Response.jp)

JR北海道、留萌線の石狩沼田〜留萌間を2023年9月末で廃止(1/2 ページ) - ねとらぼ

JR北海道、留萌本線石狩沼田〜留萌間の廃止届提出 - 2023年廃止へ | マイナビニュース

JR北海道,留萌本線 石狩沼田—留萌間の鉄道事業廃止届を提出|鉄道ニュース|2022年9月10日掲載|鉄道ファン・railf.jp



【関連ブログ】
留萌線代替バスは町営バス: たべちゃんの旅行記「旅のメモ」



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【JR西日本】在来線特急料金の一部値上げを発表。B特急料金・岡山以西での乗継割引を廃止へ(2023.4.1〜)

JR西日本では、コロナ禍の厳しい経営状況の長期化、またデジタル化の進展等の社会変容を踏まえ、在来線特急料金の一部見直し(値上げ)を実施することを発表しました。

在来線特急料金の一部見直しについて:JR西日本

概要は以下のとおりです。

【在来線特急料金の一部見直し】
B特急料金をA特急料金に統一
(指定席特急料金[通常期]での比較)
50kmまで・・・現行:1,190円→改定1,290円(+100円)
100kmまで・・・現行:1,520円→改定1,730円(+210円)
150kmまで・・・現行:1,950円→改定2,390円(+440円)
200kmまで・・・現行:2,290円→改定2,730円(+440円)
300kmまで・・・現行:2,510円→改定2,950円(+440円)
400kmまで・・・現行:2,730円→改定3,170円(+440円)
401km以上・・・現行:3,060円→改定3,490円(+440円)

[参考:B特急料金の適用範囲]
jrwest_ltdexp_b
※上記のうち、「JR西日本エリア」が対象。
(JR西日本Webサイト(https://www.jr-odekake.net/railroad/ticket/guide/express_tickets/limited_express06.html)より引用)

・おトクな特急料金(特定特急料金)の見直し
津幡〜和倉温泉間(51km以上の区間):
指定席特急料金[通常期]・・・現行1,190円→改定1,290円
自由席特急料金・・・660円→760円

鳥取〜出雲市、米子〜益田間の自由席特急料金:
101〜150kmの区間・・・現行1,320円→改定1,560円
159km以上の区間・・・現行1,320円→改定1,800円

岡山〜児島間または同区間とJR四国内にまたがる場合の50kmまでの自由席特急料金(*):
現行560円→改定760円

博多〜博多南間:
100円→130円

(※)特急用定期券「パスカル」の特急料金相当額も見直し。
但し博多〜博多南間で通学定期を利用の場合の定期券用特急料金は据え置き

【新幹線と在来線特急列車との「乗継割引」の一部見直し】
山陽新幹線の岡山〜新下関間の新幹線停車駅で、新幹線と在来線特急列車とを乗り継ぐ場合に適用となる「乗継割引」を廃止

【見直し時期(予定)】
・在来線特急料金:2023年4月1日(土)(上記(*)はJR四国運賃改定実施日)購入分から)
・乗継割引:2023年4月1日(土)乗車分から


(関連)
乗継割引の廃止及びJR西日本に跨る場合のおトクな特急料金の廃止について|JR四国
・JR四国内を運行する在来線特急列車と新幹線を、乗継駅において直接乗継ぐ場合(同時に購入の場合に限る。)に適用していた乗継割引を廃止。
【乗継駅】岡山、高松、坂出(高松及び坂出は岡山で新幹線と乗り継ぐ場合に限る。)

・JR四国内を運行する在来線特急列車と寝台特急サンライズ瀬戸を乗継駅において直接乗継ぐ場
合(同時に購入の場合に限る。)に適用していた乗継割引を廃止。
【乗継駅】高松、坂出



詳細は、上記発表資料をご覧下さい。



JR西日本では厳しい経営状況、そしてコロナ禍後の社会変容を踏まえて、運賃・料金の見直し(値上げ)を行うこととしています。
これまでも下記記事でご紹介したような内容の見直しを、来年4月1日購入分より実施予定として、既に発表しています。
阪和線の沿線から : 【JR西日本】京阪神エリアの特定区間運賃を一部見直し。天王寺〜和歌山間は870円→890円へ
阪和線の沿線から : 【JR西日本】山陽新幹線「のぞみ」「みずほ」指定席特急料金の値上げを実施(2023.4.1購入分〜)

また、「鉄道駅バリアフリー料金制度」を活用するべく、電車特定区間において大人普通運賃で10円の値上げを実施することも発表しています。
阪和線の沿線から : 【JR西日本】鉄道駅バリアフリー料金制度による値上げを実施(2023.4.1)2025年度からは料金収受エリア拡大を予定

そして今回、在来線の特急料金の一部についても値上げを実施することとし、上記と合わせて、都合4種類の値上げを来年4月1日付けで実施することとなります。


これらの値上げについては、コロナ禍後の利用者回復が望めないのと、バリアフリー整備のための料金徴収ということで、いずれもJR西日本を取り巻く環境が厳しいことから、やむを得ずの実施、と個人的には理解しています。

勿論、値上げそのものは利用者の財布を直撃するわけですから、利用者の反発がでてくることは、同社としても想定内ではありましょうが、もはやそういった利用者の意見だけで運賃・料金を維持することが難しくなってきている、というのは値上げを批判する際でも理解はしておきたいところでしょう。


とはいえ、今回の値上げは、「B特急料金」「乗継割引」の廃止と、かなり大ナタを振ってきた印象があります。

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▲B特急料金エリアの一つである「阪和線」を運行する特急「くろしお」287系。

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▲同じくB特急料金エリア内である「きのくに線白浜駅」に停車中の特急「くろしお」283系。

B特急料金は、国鉄時代に多数の急行列車を特急列車へ格上げした際、大幅な値上げを緩和するべく、これまでの特急料金(「A特急料金」に相当するもの)よりも割安な料金として設定されたものでありました。
上述の「くろしお」が運行する阪和線・紀勢本線では、かつては急行「きのくに」も運行されていました。


一方、「乗継割引」は、新幹線開業による在来線直通列車の廃止・整理により、これまで乗り換えなしで利用できた特急・急行列車で、新幹線との乗り換えが発生することにより、利用者の料金負担が大幅に上昇するのを緩和する制度として設定されました。
制度概要としては、在来線特急・急行列車と新幹線を乗り継ぐ場合、在来線の特急・急行料金、指定席料金が半額になる、というものであります。
(参考)
新幹線と在来線の乗継割引│きっぷのルール:JRおでかけネット

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▲岡山駅で発車を待つ特急「南風」2700系。
ここ岡山駅で山陽新幹線とこの特急「南風」の特急券を同時に購入する場合、特急「南婦」の特急料金が半額になるのが「乗継割引」になります。


しかし今回のJR西日本とJR四国の発表では、JR西日本管内の「B特急料金」、そして岡山以西の「乗継割引」をいずれも廃止にする、というもので、驚いた方も多くおられたかと思います。

これらの値上げにより、例えば岡山乗換で四国方面へ特急列車利用の場合、乗継割引の廃止により1,000円以上の値上げ(例:山陽新幹線からの乗継割引適用の岡山駅〜宇和島間・・・1,580円→3,170円)となる区間も発生し、確かに利用者にとっては痛手、といえるでしょう。


一方、乗継割引については、1駅でも新幹線の区間を含んでいれば適用されることから、1駅間等で割安な料金が設定されている新幹線の自由席特急券と組み合わせて、在来線特急料金を安く済ませるという制度の趣旨にもとる利用方法もあるため、適切な料金体系への整理、という意味もあるのではないか、とも考えられます。


加えて、上記JR西日本発表資料では、「JR西日本ネット予約「e5489」では便利でおトクな商品もご用意しています。詳細は決まり次第お知らせいたします。」(上記発表資料より引用)と敢えて記しているところから、料金体系の整理で窓口・みどりの券売機等からネット予約へのシフトを図ろうとする意図も見えなくはないのかな、とも思ったりします。
(もっともこれは、ネット予約での価格設定如何とは思いますが…)


ともあれ、JR西日本やJR四国の苦しい事情が分かるだけに、かなり痛い値上げではありますが、単純に反対できるものではない、とも思うだけに、今後はネット予約等でおトクな商品を見つけて活用していきたいと思いますし、そういったおトクなきっぷの情報も積極的に当ブログでご紹介していきたいと思います。




【関連ブログ】
【JR西日本】「B特急料金廃止」など特急料金を値上げへ - 鉄道プレス



【関連ニュースサイト】


JR西日本、在来線特急料金をA特急料金に統一 - 乗継割引は一部廃止 | マイナビニュース

JR西日本、博多南線の特急料金を値上げ - 改定後は130円、4/1から | マイナビニュース

消えゆく乗継割引制度、本来は利用者向けの高額料金救済制度だった | マイナビニュース



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「フルムーン夫婦グリーンパス」販売終了の「タビリス」報道。国鉄時代からのJR各社共通商品がまた一つ消滅へ【JRグループ】

JRグループでは、国鉄時代からこれまで、「フルムーン夫婦グリーンパス」という商品を毎年発売してきました。

商品の概要としては、二人の年齢が合計88歳の夫婦を対象に、同一行程で特急列車(新幹線も含む、「のぞみ」等一部列車は除く)のグリーン車指定席等に乗り放題という、非常にお得なきっぷとなっていました。

昨年も、2021年9月1日から発売、同年10月1日〜2022年6月30日まえの連続した5・7・12日間有効な商品として発売されてきました。
「フルムーン夫婦グリーンパス」の発売について|JR西日本

しかし今年度は、毎年のような発売開始の発表がJRグループから特に発表がなかったこともあり、この「フルムーン夫婦グリーンパス」について、「旅行総合研究所「タビリス」」が取材したところ、今後の発売が予定されていない旨の回答を得たとのことでした。

「フルムーン夫婦グリーンパス」が販売終了。40年の歴史に幕 | タビリス
フルムーン夫婦グリーンパスは、2人の年齢の合計が88歳以上の夫婦が、同一行程で旅行する場合に利用できるJRの特別企画乗車券です。JR全線のグリーン車が5日間・7日間・12日間にわたり乗り放題で、2人で82,800円〜127,950円という破格値が売り物です。

国鉄時代の1981年に発売が開始されたロングセラー商品で、2021年に40周年を迎えたところです。「青春18きっぷ」とともに、JR全線が乗り放題となる貴重なきっぷとして存続してきました。

例年、10月1日〜6月30日が利用期間で、8月下旬に詳細が発表されてきました。しかし、2022年は公式発表がなく、筆者が問い合わせたところ、今後の発売が予定されていない旨が伝えられました。

JR各社のウェブサイトでも、フルムーン夫婦グリーンパスの情報は表示されなくなっていて、販売終了により、40年の歴史に幕を閉じたことが明らかになりました。

上記「タビリス」記事(https://tabiris.com/archives/fullmoon2022/)より引用、太字・下線は管理人による。



上述のとおり、国鉄時代から継続して、かつJRグループ旅客6社の共通商品としてこれまでラインナップされてきたこの「フルムーン夫婦グリーンパス」。
民営化当初は同様に、国鉄から引き継いだ企画きっぷは多くありましたが、徐々にその数を減らし、今回の販売終了により、「青春18きっぷ」を残すのみとなってしまいました。

この「フルムーン夫婦グリーンパス」ですが、昨年度の発売で、5日間84,330円(2名分・一般用)なので、1名当たり約4万3千円、1名あたり1日9千円弱でJRグループ各社のグリーン車が乗り放題となる、「破格」ともいうべききっぷだったといえます。

上記「タビリス」の記事によりますと、国鉄時代は7日間7万円だったそうで、昨年度の104,650円に比べると値上げはされてきた模様です。
しかし、それを上回る勢いで新幹線の延伸・スピードアップが行われ、結果として簡単に元が取れてしまう商品になってしまったことが想定されます。

勿論、コロナ禍前までは、そういった商品であっても少なくない利用者があったことから、存在理由もあったことでしょうが、このコロナにより厳しい経営状況のJR各社にとって、ここまで「破格」のきっぷを最早販売し続ける余裕が無くなった、とも考えられます。

また、「夫婦セットで発売」というきっぷの形態についても、発売当初には想定できない程に夫婦や結婚に対する考え方が複雑化・変化してしまった、という背景事情もあるかも知れません。
「フルムーン夫婦グリーンパス」発売当初に比べると現在では、生涯未婚率は大きく上昇していますし、また、性別に関しても、単に男女で区切るという考え方では済まなくなった、ということも無視できないでしょう。

加えて、こういった社会環境の変化を見据えて、JR東日本「大人の休日倶楽部」、JR西日本「おとなび」のように、「フルムーン夫婦グリーンパス」よりもう少し上の年齢層からを対象にした、そして夫婦に限定されない会員向けのフリーパスを用意してきたことも考えられるでしょうか。


ともあれ、国鉄時代から引き継がれてきた商品が、また一つ消えることに、一抹の寂しさを感じざるを得ません。
国鉄〜JRに引き継がれた企画きっぷのうち、「周遊券」「青春18きっぷ」は、年齢・性別に関係なく使えましたが、この「フルムーン夫婦グリーンパス」は、夫婦でかつ合計88歳以上という、年齢に加え、誰か「相手」を見つけないといけない商品でありましたから、おいそれと簡単に購入できるものではありませんでした。

それがために、将来いつか利用してみたいな、と思いながら年月は経ち、今や「フルムーン夫婦グリーンパス」の利用条件を満たすことができましたが、そんな折にこの販売終了のニュースに、流石に落胆していないわけではありませんが、上述の状況を考えると、致し方ないのかな、とも感じたニュースでありました。



「フルムーン夫婦グリーンパス」では、「グリーン車乗り放題」が大きな目玉でありました。
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▲JR西日本283系「オーシャンアロー」。
先頭車「パノラマグリーン車」も「フルムーン夫婦グリーンパス」で利用できました。

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▲東海道新幹線「ひかり」グリーン車。
東海道・山陽新幹線では「のぞみ」「みずほ」はグリーン車だけでなく、指定席、自由席も利用はできませんでした。
そのため、特に東海道新幹線では1時間に2本の「ひかり」「こだま」だけが利用できました。

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▲北海道新幹線「はやて」グリーン車。
「はやぶさ」「はやて」については、「フルムーン夫婦グリーンパス」で利用可能でした。



今回の「フルムーン夫婦グリーンパス」発売終了により、国鉄時代から継続して発売されている企画きっぷは「青春18きっぷ」だけになりました。

「フルムーン夫婦グリーンパス」よりも更に多くの枚数を発売しているもようのこの「青春18きっぷ」、性別や年齢は不問のきっぷなだけに、それが理由で発売終了というのは考えにくいいっぽう、整備新幹線の延伸に伴う並行在来線も増えてきたことから、そのルールも年々複雑化してきています。

今後のシーズンも発売され続ける保証はないだけに、「使えるうちに使っておく」というのも大事な考え方なのかな、とも感じた次第であります。




【関連ニュースサイト】
「フルムーン夫婦グリーンパス」が販売終了。40年の歴史に幕 | タビリス

(2022年9月1日追記:)
他の報道機関も、「フルムーン夫婦グリーンパス」の廃止について報じていますので、併せてご紹介します。
フルムーン夫婦グリーンパス、事実上の廃止 2022年9月の発売なし - TRAICY(トライシー)

JRフルムーン切符、40年で幕 夫婦でグリーン車乗り放題 | 共同通信



【関連ブログ】
「フルムーン夫婦グリーンパス」廃止へ: たべちゃんの旅行記「旅のメモ」



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【JR九州】西九州新幹線「かもめ」試乗会にSNS・ブログ等でのPR投稿者を招待(2022.9.14)

JR九州では、9月23日に開業する西九州新幹線の乗り心地や西九州の旅の魅力等を、自身のYouTubeやInstagram、Twitterやブログ等でPRする方を、9月14日(水)の試乗会に招待することを発表しました。

西九州新幹線かもめを SNS 等で PR してくれる方を大募集!〜9 月 14 日(水)の試乗会に約100名をご招待〜|JR九州

概要は以下のとおりです。

【概要】
開催日:
2022年9月1 日(水)

行程:
武雄温泉駅15:45発〜(西九州新幹線)〜長崎駅16:17着

募集対象:
上記列車に乗車し、自身の SNS 等で「かもめ」に試乗した感想や、西九州エリアの旅の魅力等を発信する者(※SNSの種類等は不問)

参加費:
無料

募集人数:
約100名(※同行者等を含む)

【応募方法】
上記発表資料内「募集要項」を確認の上、下記URLに必要事項を入力して申し込み。
応募多数の場合は、同社で厳正な審査を行い、当選者を決定。

URL:
https://forms.office.com/r/WuF0JLR28h

入力必要事項:
「氏名」「在住都道府県」「電話番号」「メールアドレス」「乗車人数(一組につき3名まで)」「SNS等のアカウント」「どのような撮影・投稿を予定しているか」「座席種別や座席数の希望」

【審査のポイント】
・西九州新幹線「かもめ」が大好きで、開業を一緒に盛り上げられるか
・投稿数やフォロワー数だけでなく、様々な切り口(旅、食、ファッション、エンタメ等)で、ワクワクする西九州新幹線の旅を発信できるか

応募期間:
8月30日(火)10:00〜9月6日(火)23:59まで


【西九州新幹線イメージ】
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(上記発表資料(https://www.jrkyushu.co.jp/common/inc/news/newtopics/__icsFiles/afieldfile/2022/08/29/220829_kamomePR_1.pdf)より引用)



詳細は、上記発表資料をご覧下さい。



いよいよ開業が間近に迫ってきた西九州新幹線。
下記の昨日の記事では、きっぷの取扱い等について、JR九州他のWebサイトでも明らかになってきたことをご紹介しました。
阪和線の沿線から : 【西九州新幹線】長崎本線(在来線)とのきっぷのルールについてまとめてみました。現川経由と新幹線は同一線に、浦上〜長崎間は分岐駅通過特例が適用になります(2022.9.23〜)

加えて本日、SNSを活用して西九州新幹線をPRする人を試乗会に募集する旨が発表されました。

もはやこの時代、様々なSNS投稿者が出てきて、本当に多くの情報を発信しており、百花繚乱を呈しています。
これらの発信者は、利用するSNSツールによって、「ユーチューバー」「インスタグラマー」、そして「ブロガー」とも呼ばれていますが、こういった人々に試乗会に参加していただき、西九州新幹線の開業や、西九州新幹線での旅行を発信してもらおう、というものといえます。


上記太字で記したように、「開業を盛り上げる」「様々な切り口で西九州新幹線の旅を発信する」ことが、試乗会当選に向けての「審査のポイント」として挙げられていますので、ただ単に西九州新幹線のみを発信する人は、あまりお呼びでないのではなさそうですので、いわゆる「鉄道系YouTube」やら「鉄道系ブロガー」にとっては、少々難易度が高そうな条件かも知れません。


かくいう私ですが、このブログ「阪和線の沿線から」をかれこれ18年近く書いてきていますが、それでもやはりメインは「乗りもの」であるだけに、「様々な切り口で西九州新幹線の旅を発信する」ことができるかどうか、他の洗練されたSNSインフルエンサーと比べると正直劣るかも知れないね、と思ったりもします。

仮に私が応募するなら、やはり諫早から分岐する「島原鉄道」を絡めた投稿かな、とも思いますが、試乗会が平日な上に、その前後に島鉄沿線に向かう時間的余裕もあるのかどうか疑問なところはあります。

「ブロガー向け試乗会の募集」ということで、やっている期間だけは一丁前に長いブロガーの一人として興味はありますが、応募自体はじっくり検討したいと思います。


ともあれ、このブログを読まれている方の中には、自身でブログ等を執筆されている方も少なからずいらっしゃるかと思いますので、そういった方々にも是非応募していただければ嬉しいですし、幸いにも試乗会に当選された際には、当方からも記事を紹介していければいきたいな、と思います。



【関連ニュースサイト】
9月14日 JR九州,西九州新幹線“かもめ”をSNSなどでPRできる方を募集|鉄道イベント|2022年8月30日掲載|鉄道ファン・railf.jp




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【西九州新幹線】長崎本線(在来線)とのきっぷのルールについてまとめてみました。現川経由と新幹線は同一線に、浦上〜長崎間は分岐駅通過特例が適用になります(2022.9.23〜)

来る9月23日に開業する西九州新幹線。
既に指定券等の発売も開始されていますが、JR九州によりますと、開業日の1番列車である「かもめ1号」(武雄温泉7:03発)、「かもめ2号」(長崎6:17発)は、いずれも発売開始後10秒ほどで完売したとのことでした。

西九州新幹線「かもめ」・新D&S列車「ふたつ星4047」指定席きっぷの発売状況について|JR九州


さて、この西九州新幹線でも、開業に併せて各種の割引きっぷが設定されています。
西九州新幹線開業に伴う割引きっぷについて|JR九州

上記発表資料では、「かもめネットきっぷ」「かもめネット早特3」「おためし!かもめネット早特7」等の割引きっぷが新たに設定されることとなっています。

その設定区間を眺めていて気になったのは、設定区間の長崎側が、「長崎」まででなく、「長崎・浦上となっている点が、個人的に気になっていました。

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▲JR九州「かもめネットきっぷ」の価格の一例
https://www.jrkyushu-kippu.jp/fare/ticket/329より引用)

この浦上駅、現行ダイヤでは全ての特急「かもめ」が停車していますが、西九州新幹線開業後は新幹線は停車しないことから、一旦長崎駅まで出向く必要が出てきます。
そのため、同新幹線開業後は、新たな乗り換えが発生するのに加え、浦上〜長崎間を往復して乗車することになるため、新たな運賃負担が発生するのではないか、とも考えられます。

上記「かもめネットきっぷ」の場合、「発着を「浦上・長崎」とする設定区間の場合は浦上〜長崎を復乗できます」と記されているので、「西九州新幹線〜長崎〜浦上」という利用は認められていることが分かります。
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▲「かもめネットきっぷ」の「きっぷの効力」
https://www.jrkyushu-kippu.jp/fare/ticket/329より引用)


では、こういった割引きっぷではなく、通常のきっぷで計算する場合、この浦上駅と、浦上駅から分岐する線区(「長与経由」と「現川(うつつがわ)」経由)の取扱いはどうなるのか。
Webサイトにも西九州新幹線開業後の規程が整備されつつありますので、開業を前に一度、見ておきたいと思います。

ちなみに、西九州新幹線開業後の、諫早〜長崎間を含む長崎本線・西九州新幹線の路線図を、交通新聞社「デジタル時刻表Lite」から引用しますので、適宜ご確認下さい。
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▲長崎周辺の路線図
(交通新聞社「デジタル時刻表Lite」より引用、確認日:2022年8月28日、赤枠は管理人による)


<免責事項>
このブログでの記載内容については、管理人が自身で調査し、まとめたものであります。

間違い等が無いように留意していますが、JR九州の公式見解ではありませんので、実際の利用の際には、JR九州等に確認いただく等お願いします。

また本記事に記載の内容に基づき被った損害等については、管理人はその責を負いませんので、自己責任でご活用ください。



【諫早〜現川〜長崎間は新幹線・在来線ともに同じ線として計算】
まずはじめに、新幹線と在来線と並行する場合、基本的に同じ線として取り扱うこととしています。
これは、東海道、山陽新幹線等、他の新幹線でも基本的な扱い方となっていますが、この「同一路線としての取扱い」に、諫早〜長崎間の西九州新幹線と長崎本線(現川経由)が追加されることとなりました。

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▲JR九州のWebサイト「乗車券→きっぷのルール」内の記述。
https://www.jrkyushu.co.jp/railway/ticket/rule/02/)より引用)

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▲旅客営業規則の一部改正新旧対照表。
同一の線路としての取扱いを定める「第16条の2」で「長崎本線中諫早・長崎間(現川経由)」が追加されることになります。


そのため、上記「かもめネットきっぷ」のような、別途の定めがない場合、浦上駅から長崎駅に一旦向かって西九州新幹線に乗車する場合、「浦上〜長崎」と「長崎〜西九州新幹線経由の目的地」で運賃を別計算する必要が出てくるものと考えられます。



【長与方面〜浦上〜長崎間は「分岐駅通過特例」が適用に】
一方、この浦上駅からは、更に長与経由の長崎本線が分岐しています。
この「長与経由」は、諫早〜長崎間で建設されたうち、最も古い路線でありましたが、その後の輸送力増強のため、内陸部をトンネルで貫通する「現川経由」の長崎本線が建設された、という経緯があります。

上述のとおり、西九州新幹線と同一の路線として取り扱われる在来線は、「現川経由」のため、この「長与経由」は別線と扱われます。

その別線へ向かうための特例についても、今回の西九州新幹線開業により、新たに設けられています。
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▲JR九州のWebサイト「乗車券→きっぷのルール」内の記述。
https://www.jrkyushu.co.jp/railway/ticket/rule/02/)より引用)
「浦上〜長崎」間が西九州新幹線開業に伴い、新たに追加されています。


これにより、例えば道ノ尾駅から西九州新幹線を利用して博多方面に向かう場合、「道ノ尾〜(長崎本線)〜長崎〜(西九州新幹線方面)〜博多方面」と利用した場合でも、二回乗車することになる「浦上〜長崎」間は含めず計算ことが可能となります。
(※)長崎駅で途中下車する場合は、「道ノ尾〜長崎」と「長崎〜博多方面」と別々に計算する必要があります。

JRグループの運賃計算に際し、分岐駅を通過する列車があるために、本来の行先よりもより遠い駅まで乗車する必要がある場合、飛び出した区間については運賃の計算に含めないことができる特例が設けられています。

これをJR九州のWebサイト等では「分岐駅を通過する列車に乗車する場合の特例」と案内していますが、同社管内では、西小倉〜小倉間等にこの特例が設けられています。

例えば、「博多〜(鹿児島本線)〜西小倉〜(日豊本線)〜南小倉」と乗車する場合、鹿児島本線と日豊本線の分岐駅である「西小倉」には、「ソニック」等の特急列車は止まりません。

では、博多駅から「ソニック」等の特急列車に乗車した場合、一つ手前の停車駅である「戸畑」で下車し、後続の快速等に乗り換えて西小倉まで向かってから日豊本線に乗り換える必要があるのか、というとそうではなく、
・博多〜小倉間は「ソニック」等の特急列車に乗車
・小倉駅では改札を出ずに、日豊本線の列車に乗り換えて、南小倉で下車
することで、二回乗車することになる西小倉〜小倉間の運賃を別に支払うことなく、南小倉で下車することができます。




【浦上〜長崎〜西九州新幹線の場合、やはり長崎駅で打ち切り計算か?】
西九州新幹線開業に際し、新たに設けられた運賃計算に関する規定は以上のとおりでした。

そのため、これまで浦上駅から「かもめ」で博多方面に向かっていた方は、上述「かもめネットきっぷ」等、個別の規定が設けられているきっぷを除くと、以下のいずれかの方法を取ることになるかと考えられます。
【1】浦上〜(長崎本線)〜長崎〜西九州新幹線と利用。
運賃の計算は長崎駅で打ち切って別々に計算。
【2】浦上〜(現川経由)〜諫早を長崎本線利用、諫早から西九州新幹線を利用。
運賃の計算は浦上駅から通しで計算。


【1】の場合、所要時間が短いルートとなることが想定されますが、一旦長崎駅で運賃計算を区切るため、浦上〜長崎間(大人片道170円)を別途支払うこととなり、従前より更に割高になる可能性があります。
一方【2】の場合は、運賃の加算は無いものの、在来線で諫早駅まで向かう必要があることから、所要時間が延びる可能性があります。



【長与方面〜長崎〜西九州新幹線の場合、長崎駅を経由しても通しで運賃計算(長崎駅で途中下車しない場合)】
一方、「分岐駅を通過する列車の特例」で記したように、長崎本線の長与経由路線の各駅(東園〜西浦上の各駅)から長崎駅を経由して西九州新幹線の乗車する場合(逆も同様)、長崎駅を経由したとしても、長崎駅で途中下車しなければ通しの運賃計算が可能(即ち浦上〜長崎間の往復を計算する必要がない)となることが分かります。



長崎駅の一つ手前の駅の「浦上駅」。
一般の方々には、日本最大規模のカトリック教会として観光地で著名な「浦上天主堂」をご存じの方も多いかと思います。

一方、長崎市内の公共交通機関という点でみますと、ここ浦上駅は、上述のとおり現川経由・長与経由の長崎本線の乗り換え駅であるだけでなく、長崎電気軌道(路面電車)や各社のバスと乗り換えが可能で、長崎市内北部や隣接する自治体への玄関口となっていることから、現在のダイヤで特急「かもめ」が全列車停車するのも当然ともいえる、市内の拠点駅の一つ、といえるでしょう。

今回の西九州新幹線開業により、この浦上駅では、博多方面への特急列車が経由しなくなるばかりか、きっぷや運賃計算の取扱いにおいても、大きな変化が出てきます。
上述のとおり、運賃計算の取扱いに関しては、概して厳しいものとなっていることが考えられますので、これまで浦上駅から特急「かもめ」を利用して、佐賀・博多方面へ向かわれた方は、西九州新幹線開業後のきっぷの買い方についても、十分注意しておく必要があるかと思います。


また、これまで縷々述べてきたとおり、西九州新幹線開業に伴い、運賃計算等に関して様々な特例が関係するエリアとなりますので、駅や車内といった現場においても、丁寧で分かりやすい説明・対応が必要なのかな、と感じました。




以上、雑駁ではありますが、西九州新幹線開業後の浦上駅をはじめとした在来線の運賃等の取り扱いについて述べてみました。

…と思うのですが、実はこの区間に関しては、まだもう一つ、別の特例が存在しています。

その特例は、主に長与経由の各駅で乗降する場合の、運賃計算に関するもので、なおかつ特例の適用有無を利用者が選択できるものです。
(「選択乗車」といいます。)
その特例もここで述べると、余計に話が長くなるので、一旦区切って、別のエントリーで気が向いた時にご紹介できれと思っていますので、お楽しみにしていただければ幸いです。




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【JR四国】運賃値上げを発表(2023年春から)初乗りは170円→190円へ、全体で約13%の値上げへ

JR四国では、2023年春の改訂予定で、普通及び定期旅客運賃及び一部料金の改訂を実施するべく、国土交通大臣へ変更認可申請を行ったことを発表しました。

運賃改定の申請について|JR四国

概要は以下のとおりです。

【背景・目的】
・2021年度決算は、営業損益で202億円の赤字、経営安定基金運用を充ててもなお33億円もの経常赤字と極めて厳しい経営状況。
・今後についても、人口減少等による鉄道運輸収入の漸減に加え、オンライン会議やテレワーク等の新しい生活様式の定着による不可逆的な減少を見込まざるを得ない。
・一方、列車運行の安全・安定輸送の確保のために必要な安全対策や運転保安に直結する設備の老朽取替え等の安全投資や修繕費の確保は必須である状況。
・グループ一体となり増収努力及び経費節減等に取り組むとともに、国からの支援措置を活用した利便性向上施策及び省力化・省人化施策や、地域と一体となった利用促進・利便性向上に引き続き取り組むほか、MaaS の考え方のもと公共交通ネットワークの四国モデルを追求していく。
・今後とも地域の基幹的公共輸送機関としての役割を果たしていくため、徹底した経営努力を前提として、国、地域からの支援とともに、利用者にも一部のご負担をお願いするべく運賃改定を計画した。

【改定概要】
運賃改定予定日:2023年春
・増収規模:年間20億円程度を計画
改定率 :運賃・料金全体で約13%
※初乗運賃(現行)170円→改定190円
※1996年以来、27年ぶりの改定

【運賃改定概要】
<普通旅客運賃>
平均で12.51%の改定

<定期旅客運賃>
・普通運賃の改定に基づき改定。
・割引率を見直し
 通勤定期 :
 1箇月(現行平均)52.9%→(改定後平均)48.0%
 6箇月(現行平均)58.8%→(改定後平均)53.2%
 通学定期(大学生用):
 1箇月(現行平均)74.7%→(改定後平均)73.2%
 通学定期(高校生用):
 1箇月(現行平均)76.9%→(改定後平均)76.2%
 通学定期(中学生用):
 1箇月(現行平均)81.6%→(改定後平均)80.8%
・全体の改定率 ⇒ 通勤定期:平均28.14%、通学定期:平均22.43%

【その他】
特定特急料金の見直し及び廃止
・25キロまでの自由席特定特急料金を、330円から450円に見直し
・25キロまでの指定席特定特急料金を、1,070円から1,290円に見直し(A特急料金と統合)
・50キロまでの自由席特定特急料金を、530円から760円に見直し(A特急料金と統合)


詳細は、上記発表資料をご覧下さい。



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▲多度津駅に停車中の2700系(左)と7000系(右)。
今回、運賃に加え、50kmまでの特急料金も値上げとなります。


JR四国では、発足直後から2000系をはじめとした特急車両の投入による特急列車の高速化や、予讃線を中心都市とした電化等、四国における基幹的公共交通機関として、様々な取り組みを行ってきました。

一方、JR四国を取り巻く環境としては、全国に先駆けた少子高齢化や人口減少、そして高規格道路網の整備、そして民営化当初には損失の補填として機能するはずであった「経営安定基金」の運用益減少により、厳しい経営状況が続いてきました。

それに対し、JR四国では、1996年1月に運賃改定を実施して以降、消費税率の引き上げを除き運賃改定を行ってきていませんでしたが、今後の展望としては引き続き人口減少が継続する一方、テレワーク等の「新しい生活様式」の普及による鉄道利用者の減少が加わることで、更に厳しい経営状況が予想されます。

そのため、同社でも様々な経費節減及び利用者確保の取り組みを進めるものの、安全・安定輸送を確保するためには、現在の運賃水準では中長期的な鉄道事業の継続は困難であるとして、今回運賃値上げの申請を行った、としています。


運賃値上げの内容は、全体で約13%となっていますが、一部距離帯では値上げ幅はこれ以上になっているところもあります。
一方で、同社の資料には、「他交通機関との運賃比較」もあり、この比較によると値上げ後の運賃であって他の交通機関と比較して決して高くない水準(JR四国が大幅に迂回する高松〜琴平間等を除く)であることから、利用者にも理解していただけるような運賃設定としていることが分かります。

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▲値上げ後のJR四国と、他交通機関との運賃比較
(上記発表資料(https://www.jr-shikoku.co.jp/03_news/press/2022%2008%2026%2006.pdf)より引用)


一方、今回の発表では、運賃だけでなく短距離(50kmまで)の特急料金についても見直しを行うこととしています。
具体的には、「特定特急料金」として、JR他社よりも割安に設定されていた料金について、25kmまでの自由席は330円から450円に見直し、また25kmまでの指定席及び50kmまでの自由席については、特定特急料金そのものを廃止して、JR他社と同水準(「B特急料金」)に見直すこととしています。

とはいえ、JR四国エリアでは、51km以上に関しては、この「B特急料金」よりも割高な「A特急料金」となっていることを考えると、利用者の逸脱を防ぐべく、値上げ幅を考慮した、とも考えられるでしょう。


一方、今回の値上げの理由として、今後の中長期的な取り組みによる事業継続が挙げられていますが、その利用者サービス向上策も示されており、その中で、特に鉄道ファンにとっての注目は、「新型ローカル気動車の開発・導入」や「特急電車リニューアル」でしょうか。
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▲主な利用者サービス向上策
(上記発表資料(https://www.jr-shikoku.co.jp/03_news/press/2022%2008%2026%2006.pdf)より引用、赤枠は管理人による)

特に「新型ローカル気動車の開発・導入」については、現在JR四国では最も古い気動車となっているキハ47形等の置き換えが示されています。
一方で、新たに導入されるローカル気動車については、その車両がどのようなものになるのか気になるところです。
この点、JR四国では2025年度以降、電気式気動車を50両から80両程度導入する計画を、昨年11月に「意見招請に関する公示」で発表しています。
意見招請に関する公示|JR四国

【お礼】
この公示は、下記「鉄道プレス」さんの過去記事から情報を仕入れることができました。
この場を借りてお礼を申し上げます。
ありがとうございました。


このため、上述の「新型ローカル気動車」は「電気式」となる可能性が高いのですが、一方どのようなデザインとなるのか、また形式はどのようなものになるのか、といった点は、今後ファンに取っても注目の内容でありましょう。



ともあれ、人口減少や高規格道路、そしてコロナ後の行動変容で、JR四国に限らず利用者が今後も減少し続けることは避けようがありません。
一方で、基幹的な公共交通機関としての鉄道の維持が必要であるのであれば、それ相応の費用負担が増えることは、利用者としても理解していく必要があるかと思いますので、今回の値上げについても、これまでも行ってきたJR四国の経営努力をより応援するとともに、少しでも利用者の減少を食い止め、収支の改善を図ることができればいいな、と感じたニュースでありました。




【関連ニュースサイト】


JR四国、翌23年春から運賃値上げへ 初乗り170→190円 一部の特急料金も | 乗りものニュース

JR四国、運賃改定を申請「対キロ区間制運賃」導入 - 2023年春から | マイナビニュース

JR四国、2023年春に運賃改定。初乗り大人170円から190円に値上げ、定期割引率も見直しへ - トラベル Watch



【関連ブログ】
JR四国値上げへ - 続・吾輩はヲタである

JR四国、2023年春値上げ: たべちゃんの旅行記「旅のメモ」



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