阪和線の沿線から

阪和線沿線在住の筆者が記している日記です。
鉄道を中心に、バス・航空・フェリーといった交通全般に関する話題や、
管理人の乗車記録や旅行記、撮影記録などを気の向くままにお送りしています。
当ブロクの更新情報やコメントについては、当ブログ用ツイッターアカウントを
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鉄道(関西地区事業者)

【近鉄】万博に向け大阪上本町駅のバスターミナル整備を発表。3号線を廃止してバスターミナル通路に整備へ

近畿日本鉄道(近鉄)及び近鉄不動産では、2025年大阪・関西万博をムスエ、大阪上本町駅の利便性向上を目的として、バスターミナル等の整備を実施することを発表しました。

大阪・関西万博会場へのアクセス向上に向けた取り組みについて|近鉄グループ

概要は以下のとおりです。

【整備計画】
●2階バスターミナルの改良
美装化及びバスのりばを3パースに増強し、万博シャトルバス、伊丹空港リヌジンバス及び貸切バス発着場として運用予定。

●近鉄大阪線ホームから2階バスターミナルへの動線の整備
大阪上本町駅1階の3号線を廃止し、この部分を新たに2階バスターミナルへの通路として整備。

●鉄道・バス利用者の待合機能、案内機能の整備
鉄道・バス情報をはじめとする案内機能、待合スペース等を整備。

【2階バスターミナルのイメージ】
kintetu_uehonmachi_busterminal
(上記発表資料(https://www.kintetsu.co.jp/all_news/news_info/20231002kintetsu.pdf)より引用)


詳細は、上記発表資料をご覧下さい。



大阪・関西万博の開催が近づくにつれ、交通関係でも関連ニュースの発表が増えてきました。

今回は、近鉄の大阪上本町駅の2階にあるバスターミナルをはじめとした、同駅の整備計画についての発表です。

現在も、近鉄高速バスや伊丹空港リムジンバスが発着するこのバスターミナルですが、大阪・関西万博に向けて、リニューアルを実施するとともに、階下の近鉄大阪線ホームからの動線を整備し、大和八木・伊勢志摩・名古屋方面からの近鉄利用者が、スムーズに伊丹空港や万博会場に乗り継げるようになります。

この中での注目は、「大阪上本町駅3号線の廃止」でありましょうか。
この3号線は、大阪上本町駅の地上ホームの中で、最も北側に位置するホームで、主に普通列車が発着している模様です。
osaka_uehonmachi_map
▲大阪上本町駅構内図
(近鉄Webサイト(https://www.kintetsu.co.jp/soukatsu/kounai/pdf/uehonmachi.pdf)より引用、赤楕円は管理人による。)


手元にこの3号線停車中の列車の写真が無いかと調べたところ、こちらの「鮮魚列車」の写真がみつかりましたので、ご紹介します。
P2173723
▲大阪上本町駅・3号線に停車中の「鮮魚列車」
(※)
専用列車による「鮮魚列車」は2020年3月ダイヤ改正で運転終了となりました。
(参考)
阪和線の沿線から : 【近畿日本鉄道】伊勢志摩の魚介類がテーマのラッピング車両「伊勢志摩お魚図鑑」を導入。鮮魚列車は運転終了へ


地上・地下合わせて9本のホーム(降車専用ホーム含まず)を有する大阪上本町駅ですが、行き止まりとなる大阪線ホーム(地上ホーム)は、どちらかと言えば持て余し気味のように感じていました。
鮮魚列車も発着していた伝統のホームが消えるのは惜しいとは思いつつ、バスターミナルへの利便性向上という新たな役割に期待したいな、と感じたニュースでありました。




【関連ブログ】
【近鉄】大阪上本町駅の3号線を廃止へ - 鉄道プレス



【関連ニュースサイト】
近鉄、万博に向け大阪上本町駅を整備 一部ホームを廃止し通路に転用 - 鉄道コム
近鉄、大阪上本町駅1階の3号線を廃止 - バスターミナルへ動線整備 | マイナビニュース



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【JR西日本】芸備線・備中神代〜備後庄原間の「再構築協議会」設置を要請

JR西日本は、同社の芸備線のうち、備中神代〜備後庄原間について、今年10月1日に施行された地域公共交通の活性化及び再生に関する法律(地域公共交通活性化法)に基づき、「再構築協議会」の設置を要請したことを発表しました。

地域公共交通活性化再生法に基づく再構築協議会の要請について:JR西日本

概要は以下のとおりです。

【要請する路線・区間等】
路線:
芸備線

区間:
備中神代駅(岡山県新見市)〜備後庄原駅(広島県庄原市)

【要請する理由】
芸備線については、これまで沿線地域と共に様々な利用促進、地域活性化の取り組みを行ってきた。
一方、人口減少や少子高齢化に加え、道路整備や道路を中心としたまちづくりの進展など同線を取り巻く環境の大きな変化と共に、利用者数は大きく減少している。
特に、備中神代駅〜備後庄原駅間については、将来の地域のまちづくり計画と移動ニーズに適した持続可能な交通体系の実現に向けて、沿線地域と議論をすることが必要であると認識。



詳細は、上記発表資料をご覧下さい。



国土交通省では、鉄道事業者と沿線地域が、沿線人口の減少・少子化やマイカーへの転移等による利用者の大幅な減少等の危機的な状況について意識を共有し、大量高速輸送機間としての鉄道の特性を評価した上で、利用者にとって利便性と持続性の高い地域公共交通を再構築を進めていくための環境を早急に整えるため、今年の2月から有識者会議を立ち上げ、検討を実施してきました。

その有識者会議の提言書が昨年の7月に取りまとめられ、その内容は当ブログでもご紹介したところです。


この中では、危機的な状況のローカル線区については、原則として沿線自治体が中心となって法定協議会を設けて検討を進めていくことが「基本原則」としています。

一方で、この「基本原則」がうまく機能しない地域(線区)については、「輸送密度1,000人未満」「広域的な調整が必要」な線区については、鉄道事業者や自治体の要請を受け、国が協議会を設置して協議を行うという仕組みが示されています。

この仕組みをもとに、令和5年国会において「地域公共交通の活性化及び再生に関する法律等の一部を改正する法律」が提出され、今年4月21日に成立し、4月28日に公布されました。

改正後の地域公共交通活性化法では、上述「取りまとめ」で示された「協議会」について、「再構築協議会」という名称として、協議会の開催や調査・実証事業等に対して国が支援を行うものとしています。

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▲地域公共交通の活性化及び再生に関する法律の一部を改正する法律の概要
(国土交通省Webサイト(https://www.mlit.go.jp/sogoseisaku/transport/content/001632939.pdf)より引用、赤枠は管理人による。)


一昨日、10月1日より改正施行された地域公共交通活性化法ですが、この改正法に基づく「再構築協議会」について、本日、JR西日本が同社の芸備線一部区間について、協議会の設置を要請したものであります。



芸備線は、岡山県新見市の「備中神代駅」から広島県広島市の「広島駅」に至る、159.1kmの路線ですが、そのうち、備中神代〜備後庄原間の68.5kmが、今回「再構築協議会」設置を要請した対象区間となっています。

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▲芸備線の路線図
(JR西日本Webサイト(https://www.westjr.co.jp/press/article/items/231003_00_press_saikouchiku.pdf)より引用)


この芸備線、全区間を通しての2022年度の平均通過人員(輸送密度)は、1,170人/日ですが、つぶさに見ると、広島市を中心とした都市圏輸送を担う下深川〜広島間は8,529人である一方、広島都市圏を離れると輸送密度は大きく低下し、備後庄原〜三次間は327人/日、そして今回協議会設置要請の対象となった区間では、
備中神代〜東城:89人/日
東城〜備後落合:20人/日
備後落合〜備後庄原:75人/日


出典:2022年度区間別平均通過人員(輸送密度)について:JR西日本

となっており、もはや鉄道として維持する必要が無い程度にまで利用者数が落ち込んでいる実態があります。
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▲芸備線・三次〜備中神代間の利用状況
(JR西日本Webサイト(https://www.westjr.co.jp/press/article/items/231003_00_press_saikouchiku.pdf)より引用)
上記資料の輸送密度は、コロナ前の2019年度の数値となっていますが、コロナ前後で比較しても、2桁台の輸送密度であることから、状況が激変しているとはいえません。


駅別乗車人員についても、三次方面への利用者もある備後庄原を除き、いずれも40名に満たない利用者数であります。
過去30年間のトレンドで見ても、本区間の輸送密度は、1990年度は387人/日だたものが、2019年には48人/日と、この30年で約10分の1にまで激減しています。
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▲駅別乗車人員と、輸送密度の推移
(JR西日本Webサイト(https://www.westjr.co.jp/press/article/items/231003_00_press_saikouchiku.pdf)より引用)
沿線人口の減少をはるかに上回るスピードでの利用者数の減少が明らかです。



このような、もはや鉄道として維持する必要に疑問符さえもつく状況ではありましたが、JR西日本では路線ネットワークの一部として運営を続けてきたものの、新型コロナウイルス感染症を契機に都市部・高速鉄道でさえも利用者が激減し、事業者の経営そのものが深刻な状況に陥った中、JR西日本でもこの芸備線について、沿線自治体との話し合いを続けてきました。

しかし、昨年11月にJR西日本からの申し出のあった「交通体系に関する議論」を検討会議で扱わない旨が決定したことを契機に、国へ検討会設置の検討開始の相談を行い、今年に入ってからの「ヒアリング」などを経て、本日「再構築協議会」の設置要請に至ったとのことです。
2023100306
▲芸備線・備中神代〜備後庄原間を巡るこれまでの議論の経過
(JR西日本Webサイト(https://www.westjr.co.jp/press/article/items/231003_00_press_saikouchiku.pdf)より引用)




以上、JR西日本・芸備線の備中神代〜備後庄原間の状況と、「再構築協議会」設置要請の流れについて、雑駁にまとめてみました。

地域公共交通活性化法の改正後、3日目にして「再構築協議会」の設置要請がなされたことは、各メディアでも大きく注目されました。
ここでは列挙しませんが、各テレビ・新聞等が大きく報じていたところから、その注目度が非常に高いことが分かります。

改めて上述の輸送実績を見ますと、普通の民間企業ではとうの昔に廃止・撤退してもおかしくない事業といえるでしょう。

ただ、鉄道という公共交通であること、またJR西日本については国鉄改革実施後の輸送需要の動向等を踏まえて、現に営業する路線の適切な維持に努めることが前提とされていることから、これほどまでに利用されない線区であっても、維持してきた、という経緯もあることは、この際理解しておきたいところです。

とはいえ、いくら「適切な維持」が求められるとあっても、民営化後30年で1/10に減少し、二桁台にまで落ち込んだ輸送密度では、もはや鉄道として維持すること自体が、社会的に求められていないのではないか、という疑念も当然湧きます。

一方で、沿線自治体にすれば、公共交通の代表格である「鉄道」を失うことは、例え利用者が僅少であったとしても、地域が見捨てられることになるのではないか、という懸念を完全に消し去ることができない以上、上述の「適切な維持」と相まって、「廃止反対」を唱え続けないといけないスタンスでもある、ともいえるでしょう。

もはや、鉄道事業者と沿線自治体のスタンスがすり合う余地が出てこない状況であることから、この線区に関して「再構築協議会」の設置要請に踏み切ることとなった、といえるのかな、と思います。


JR西日本の設置要請を受けて、協議会を設置し、「鉄道輸送の維持」あるいは「バス等への転換」について、協議が整えば、再構築方針を作成し、その方針を実施していくことになります。

協議開始から再構築方針の作成までの期間は、目安として「3年以内」という期間が示されています。
(参考)
「地域公共交通の活性化及び再生の促進に関する基本方針」の主な変更点について|国土交通省

今後3年程度で、この芸備線について、どのような結論が出て、そしてどのような方策が採られるのか。
改正後の地域公共交通活性化法で新設された「再構築協議会」がどのように機能していくのかのリーディングケースになるかと思いますので、当ブログでもその経過に注目していきたいと思います。




【関連ニュースサイト】
全国初の「再構築協議会」設置へ JR芸備線「存続かバス転換」議論開始へJR西日本が要請 | 乗りものニュース
JR西日本、芸備線備中神代〜備後庄原間「再構築協議会」設置を要請 | マイナビニュース
JR西日本、芸備線存廃について国へ協議会設置要請 バス転換など視野 | レイルラボ ニュース



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【南海電鉄】「サイクルトレイン」臨時列車運転、難波発御幸辻行き・和歌山市発難波行きを運転(2023.11.3)

南海電鉄では、自転車の折り畳みや収納をせずに列車内に自転車を持ち込める「サイクルトレイン」の臨時列車を、高野線及び南海線で実施することを発表しました。

「南海電鉄×シマノスクエア サイクルトレイン2023」ツアーを実施します | 南海電鉄

概要は以下のとおりです。

【運行日】
2023年11月3日(金・祝)

【臨時列車】
高野線・南海線ともに6両編成
(1両あたり約16名乗車)

【運行区間】
・往路:
高野線 難波7:46発→御幸辻8:53着

・復路:
高野線 御幸辻16:02発→難波17:14着
南海線 和歌山市15:47発→難波17:07着

(※)
往路は難波、住吉東、白鷺から乗車可能。
復路は、難波の他、高野線は白鷺、住吉東で、南海線は蛸地蔵、浜寺公園で降車可能。
全て事前予約が必要

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(同社発表資料(https://www.nankai.co.jp/lib/company/news/pdf/230928.pdf)より引用)

【ツアー内容】
・サイクリングツアー(南海電鉄×シマノスクエア サイクルトレイン2023)
旅行代金6,500円

・行先自由なフリーラード
往復利用3,000円、復路のみ利用2,000円
「往復利用(復路:南海線)」「往復利用(復路:高野線)」「復路のみ利用(南海線または高野線)」のいずれかのコースを選択

【募集人員】
合計192名
(往復計96名、復路のみ計96名)

【募集方法】
ぶらりたびHP(https://www.nankai.co.jp/odekake/burari.html)にて受付

【募集期間】
2023年10月3日(火)10時〜10月25日(水)17時


詳細は、上記発表資料をご覧下さい。



各地で観光誘客や二次交通の充実を目的に実施されている「サイクルトレイン」。
自転車を解体せずに車内に持ち込めることから、地方路線を中心に取り組む事業者が増えてきています。

和歌山県内でも、JRきのくに線で2021年9月より「きのくに線サイクルトレイン」を実施しており、利用が好評なことから、順次区間や本数を増やし、現在では和歌山〜新宮間(和歌山〜御坊間は予約制)と広がってきています。


いっぽう、南海電鉄では、昨年11月に南海線の難波→和歌山市間で、片道の「サイクルトレイン」実証実験を実施しています。

今回は、利用者の要望も踏まえて、往復運転とするとともに、往路は高野線、復路は高野線・南海線のどちらかをルートに選べる、という新しい取り組みも盛り込んでいます。

即ち、高野線で御幸辻に着いたあと、高野山麓を周遊するのもよし、紀の川の流れに沿って下って和歌山市から乗車するのもよし、と自転車の愛好家にとっては面白い企画になるのではないかと思います。


今回の南海電鉄サイクルトレイン、鉄道ファン的に見れば「御幸辻」(みゆきつじ)という行先がポイントでしょうか。
この御幸辻駅は、林間田園都市と橋本との間にある駅で、当駅の橋本方には「小原田車庫」があり、御幸辻で乗客+自転車を降ろした後は、すぐに車庫へ回送できることも、当駅が選ばれた理由だったのかも知れません。

小原田車庫に近い駅でありながら、現在に至るまで「御幸辻行き」という列車は定期では存在していませんが、南海電鉄の車両に設置されている行先表示では、各種別に「御幸辻」という行先が収納されており、異彩を放っています。

DSC00970-2
▲「準急|御幸辻」。
先に千代田工場で実施された6000系ステンレス無塗装撮影会での一コマです。

今回、往路は「御幸辻行き」として運転されるため、「あわよくば営業運転中の御幸辻行きの画像も欲しいな…」と思われる方も多いかも知れませんが、今回の臨時列車では、上記発表資料内でご紹介した昨年度の発表資料でもわかるように、7100系の方向幕に表示された「臨時 団体専用」が濃厚ではないかと思われます。

そのため、今回の臨時列車でも、「御幸辻」行きと表示されることは無いかと思いますが、終着駅到着後の案内表示なども今回のツアーで記録できるのではないか、と感じたニュースでありました。




【関連ニュースサイト】
南海 難波〜御幸辻・和歌山市間 サイクルトレイン(ツアー)(2023年11月3日) - 鉄道コム



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【JR西日本】323系に大阪・関西万博ラッピング列車を運行(大阪環状線・JRゆめ咲線、2023.11.30〜)

JR西日本では、大阪・関西万博の機運をより一層盛り上げるべく、万博開催500日前から、大阪環状線を運行する323系に大阪・関西万博の公式キャラクター「ミャクミャク」などのデザインをラッピングした列車を運行することを発表しました。

大阪環状線、JRゆめ咲線に大阪・関西万博ラッピングトレインが走ります!:JR西日本

概要は以下のとおりです。

【運行期間】
2023年11月30日(木)から大阪・関西万博会期終了まで。
(会期終了後、ラッピング撤去までの間は運行予定)

【対象車両】
323系(8両・1編成)

【運行線区】
大阪環状線、JRゆめ咲線

【デザイン】
main
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(同社発表資料(https://www.westjr.co.jp/press/article/items/230928_00_press_banpaku.pdf)より引用)


詳細は、上記発表資料をご覧下さい。



開会まであと560日ほどとなってきた大阪・関西万博。
懸念となっている海外パビリオン建設についても、先日チェコが初の建築申請を提出したというニュースも報じられており、何とか進みつつあるものの、未だ予断を許さない状況には違いありません。
(参考)
大阪・関西万博の海外パビリオン、チェコが建築許可申請…海外勢で初めて : 読売新聞

そんな中ではありますが、開幕500日前となる11月30日には、前売りチケットの発売が始まるなど、機運をより高めていくことも、求められています。
(参考)
大阪・関西万博 チケットインフォメーション | 公益社団法人2025年日本国際博覧会協会


機運醸成の取り組みとしては、既に大阪モノレールや大阪メトロでで万博ラッピング列車の運行が開始、あるいは予定されています。



そして今回、「万博ラッピング列車」としては3つ目となる、JR西日本323系で「万博ラッピング列車」の運行が発表されました。

運行開始は、万博500日前となる11月30日(木)です。
この日は丁度、大阪メトロのラッピング列車の運行開始日でありますので、いずれも大阪の大動脈を代表する線区で、「大阪・関西万博」のラッピング列車が同日に走り出すというのは、万博に向けてインパクトの大きい話題になるのではないか、と思います。


まだ開催まで1年半ほどありますので、万博ラッピング事業者が続いて出てくることも大いに考えられますので、発表されれば当ブログでも是非取り上げていきたいと思います。




【関連ブログ】
【JR西日本】「ミャクミャク様の大阪環状線電車」が誕生へ - 鉄道プレス



【関連ニュースサイト】
大阪環状線・JRゆめ咲線 関西万博ラッピング列車 運転(2023年11月30日〜) - 鉄道コム
JR西日本、323系に大阪・関西万博「ミャクミャク」ラッピング列車 | マイナビニュース
“ミャクミャク”いっぱーい!大阪環状線、JRゆめ咲線「大阪・関西万博」ラッピング列車 11月登場 | レイルラボ ニュース
大阪環状線に「ド派手」ラッピング車両が登場へ もはや別路線の車両みたい? | 乗りものニュース
大阪環状線・桜島線で「大阪・関西万博」ラッピング列車を運転|鉄道ニュース|2023年9月29日掲載|鉄道ファン・railf.jp



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【叡山電鉄】700系リニューアル車両711号車導入(2023.11.1〜)記念乗車券、車両展示撮影会及び貸切運行も実施

叡山電鉄(叡電)では、2018年より進めている700系車両のリニューアルについて、この度その5両目となる「711号車」の運行開始を発表しました。

700系リニューアル車両711号車の運行を2023年11月1日(水)から開始します |叡山電鉄

概要は以下のとおりです。

【車両番号】
711号車(700系 デオ710形)1両

【運行開始日】
2023年11月1日(水)
修学院6:42発八瀬比叡山行き(出町柳からの初列車は7:18発八瀬比叡山行き)の列車から運行開始。

【リニューアル内容】
・外装デザイン:
信仰と修行、そして生活の糧としてともに歩んできた比叡山の神秘的な森を表現
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(上記発表資料(https://eizandensha.co.jp/news/wp-content/uploads/sites/2/2023/09/news_2023.09.25.pdf)より引用)

・内装デザイン
座席シート柄は重なる木々を抽象化した散らし模様で、昨年リニューアルした712号車との揃い感を強調。
また、京都らしさの演出として、座席の仕切りには、京都アンプリチュード株式会社と株式会社伊と幸の共創により、金銀の刺繍糸で伝統紋様を表現した「絹ガラス」を採用。
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(上記発表資料(https://eizandensha.co.jp/news/wp-content/uploads/sites/2/2023/09/news_2023.09.25.pdf)より引用)

【711号車リニューアル記念乗車券】
・内容:
乗車駅から220円区間の乗車券(大人)1枚
乗車駅から350円区間の乗車券(大人)1枚
※乗車券は硬券。

・発売日時
先行発売:
「第16回えいでんまつり」修学院会場(2023年10月28日(土))

通常発売:
出町柳駅インフォメーション(2023年11月1日(水)〜2024年1月31日(水))

・発売価格:
1セット600円

・発売数:
470セット限定

・イメージ
eiden_711_ticket
(上記発表資料(https://eizandensha.co.jp/news/wp-content/uploads/sites/2/2023/09/news_2023.09.25.pdf)より引用)

【車両展示撮影会、貸切運行】
開催日:
2023年10月31日(火)

開催時間:
11:00〜12:40頃(10:50受付開始)

集合場所:
修学院車庫(修学院駅下車、徒歩約5分)

参加費:
大人6,000円(税込)※小児料金の設定は無し

定員:
30名

申込方法:
セブンチケット(https://7ticket.jp/s/103195)で受付

申込期間:
2023年10月2日(月)9:00〜10月28日(土)23:59
定員に達した時点で受付終了

その他:
撮影会では、観光列車「ひえい」も並べ、一緒に撮影できる予定。


詳細は、上記発表資料をご覧下さい。



冒頭で記したとおり、2018年から実施されている叡電700系のリニューアル。
リニューアルの筆頭は、あの衝撃的なイメージが故に発表直後は同社のWebサイトがダウンほどの話題を集めた「ひえい」でありました。


その後、2021年を除くほぼ毎年、700系のリニューアルが進められています。




今回はこの一連のリニューアルの5両目として、711号車が実施されることとなります。
今回のリニューアルカラーは「森」を表現したカラーで、歴代の700系リニューアル(「ひえい」除く」)で「朱」「青」「緑」と続くものとなっています。

今回のリニューアルでも、京都洛北という沿線の雰囲気にマッチした、落ち着いた外装で、これまた比叡山などへの観光客も、また沿線の利用者の方も満足いく仕上がりになっているのではないかと思います。


併せて、車両撮影会及び貸切運行のイベントも発表されています。
イベント開催日は10月31日(火)と平日でありますので、学生の方々などは参加しづらいかも知れませんが、それも見込んでか、30名という小規模の撮影会となっていますので、社会人で都合のつく方は是非参加してみてはいかがでしょうか。

私自身も、「ひえい」と並びの撮影会、というのに惹かれることから、自分の予定も確認した上で、参加を検討したいな、と感じたニュースでありました。




【関連ニュースサイト】
叡山電鉄 700系711号車リニューアル車両 運転(2023年11月1日〜) - 鉄道コム
叡山電鉄 711号車リニューアル記念乗車券 発売(2023年10月28日) - 鉄道コム
叡山電鉄 700系711号車リニューアル車両 撮影会・貸切運転イベント(2023年10月31日) - 鉄道コム
10月31日開催 叡電,700系リニューアル車711号車「車両展示撮影会・貸切運行」の参加者募集|鉄道イベント|2023年9月25日掲載|鉄道ファン・railf.jp
叡電「711号車リニューアル記念乗車券」発売|鉄道ニュース|2023年9月25日掲載|鉄道ファン・railf.jp
叡山電鉄700系リニューアル車両711号車「比叡山の神秘的な森」表現 | マイナビニュース
叡電,700系リニューアル車(711号車)を11月1日から運転開始|鉄道ニュース|2023年9月26日掲載|鉄道ファン・railf.jp



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【能勢電鉄】妙見ケーブル廃止は12月4日廃止(最終営業日12月3日(日))に繰り上げへ

能勢電鉄では、同社の運営する妙見の森関連事業の営業を終了及び「妙見の森ケーブル」(鋼索線)の廃止を発表していましたが、この営業終了日が2023年12月3日(日)とすることを発表しました。

妙見山で展開する「妙見の森関連事業」の営業終了の繰上げおよび鋼索線(ケーブル)の廃止繰上届の提出について|能勢電鉄

概要は以下のとおりです。

【繰り上げ後の最終営業日】
2023年12月3日(日)

【営業を終了する事業】
妙見の森関連事業
・鋼索線(妙見の森ケーブル)
・索道線(妙見の森リフト)
・その他事業(妙見の森バーベキューテラス等)


詳細は、上記発表資料をご覧下さい。



「妙見の森」とは、能勢電鉄の妙見口駅から徒歩20分ほどにある「妙見の森ケーブル」に乗車し、またリフトを乗り継いで妙見山の山頂近くを観覧、また山頂近くでバーベキューなどを行える、能勢電鉄が手がけてきた観光地でした。

しかし利用者が長期減少傾向となっていたことから、これらの事業を全て終了することを、既に発表していました。

この際、営業終了予定は2024年6月24日(月)としていましたが、鋼索線(ケーブルカー)が準拠する鉄道事業法の規程により廃止の日の一年前までに届出が必要であることに基づいたものとなっていました。

この際、「公衆の利便を阻害するおそれがないと認められた」場合には、廃止の日を繰り上げることができることとなっています。
今回、近畿運輸局から廃止日を繰り上げても公衆の利便を阻害するおそれがないことを認める通知があったことから、廃止日を今年の12月4日(最終営業日:12月3日(日))と半年繰り上げることとなりました。

先の当ブログ記事でも、廃止の日が繰り上がること、また年末年始を除き冬季は基本的に運休であること、そして「妙見の森フリーパス」の発売期間が12月3日(日)までとなっていることを併せて考えると、今年の秋までに乗車しておく必要があるのではないか、と書いていましたが、果たしてそのとおりとなりました。

私自身は既に乗車したこの妙見の森ケーブルカーですが、最後のお名残乗車を考えておられる方は、12月3日(日)までに乗車する必要がありますし、何より毎週水曜日・木曜日(祝日等を除く)は運休(休業)となっていますので、乗りつぶし・惜別乗車の際にはご留意下さい。

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▲妙見の森ケーブルカー

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▲黒川駅(山麓側)

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▲山上駅




【関連ブログ】
妙見の森ケーブル、半年繰り上げの「12月廃止」が決定 - 鉄道プレス



【関連ニュースサイト】
能勢電鉄 鋼索線 営業終了(2023年12月3日) - 鉄道コム



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【南海電鉄】10月21日ダイヤ修正後の多奈川線時刻表をみる。日中時間帯は1時間に1本に、駅無人化も10月10日から実施へ

下記記事でご紹介したように、南海電鉄では来る2023年10月21日(土)にダイヤ修正を行います。


今回のダイヤ改正では、特急ラピートの増発、空港急行の車両増結の一方で、多奈川線(みさき公園〜多奈川)で大幅な減便が実施されます。

このうち、多奈川線の減便は、現行の半数近くに削減されるという、かなり思い切ったものであります。
現行のダイヤと減便規模から推測すると、日中は1時間に1本の運転が主体になるのでは、とも思われるところ、先日多奈川線の各駅に改正後の時刻表が掲出されたとの情報を、SNS上で見かけました。

当ブログ執筆時点では、南海電鉄公式サイト上では改正後の時刻表がアップされていないことから、早速見てこようと、本日(9月23日)、多奈川駅とみさき公園に掲出された時刻表を見てきました。

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▲多奈川駅・駅舎

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▲改正後の時刻表は、改札口横に掲示されていました。

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▲みさき公園に掲出された多奈川線時刻表。
改札内にありましたので、入場券を購入して撮影してきました。

撮影してきた時刻表の画像を元に、改正前後の時刻表と本数の増減をまとめてみました。
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2023092302

(データ元:南海電鉄Webサイト、多奈川駅・みさき公園掲示)


ご覧のとおり、毎時1本程度の減便が実施され、日中時間帯(平日は9時〜16時、土休日は8時〜17時)は1時間に1本の運転となります。

加えて、平日の深夜時間帯(22時・23時)も、それぞれ1時間あたり3本だったものが1本と大幅に削減されることとなりました。

既に発表されている内容からおおよそは推測されてはいましたが、予想どおり日中は1時間に1本と、大幅な減便が行われることとなります。

(※)
ところで、大阪府内で列車本数が「日中1時間に1本」という旅客鉄道路線というのは、現在のところ無いものと思われます。
過去に遡っても、電化開業前の片町線・長尾〜木津間で日中時間帯に1時間に1本程度の運行だったという事例があった程度で、およそ35年近く経て、府内で1時間間隔の鉄道路線が再現することとなりそうです。




大幅減便とは別に、多奈川駅では10月10日より駅窓口を閉鎖し、無人化することとなる旨の案内も貼り出されていました。
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▲多奈川駅無人化の案内。
既に8月から駅総合案内センター設置に伴う切替期間のため、窓口が閉鎖されています。

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▲インターホンなど、駅無人化に伴う機器の準備も進んでいました。


この駅無人化は、多奈川線の多奈川、深日港のほか、加太線の東松江、中松江、八幡前、二里ヶ浜、磯ノ浦の各駅でも同時に実施される旨、同社のWebサイトで確認できます。
これら両線の各駅では、終日駅員が配置されていますので、大幅な合理化の実施となりますが、既に利用者数が減少していること、そして将来的に人員不足が見込まれるなかで、こういった見直しは避けられないといえるでしょう。

逆に言いますと、こういった「駅総合案内センター」関係の機器整備を行っているということは、多奈川線については減便は行うものの、近いうちの廃止は現在のところ検討していないものと考えられます。

勿論、更なる利用者減少が続くのであれば、鉄道路線としての廃止、というのもあり得ない話ではありません。
そういったシナリオが現実のものとならないよう、今回の減便を契機に地元の岬町でも多奈川線の利用促進について、積極的に取り組んでいくことができるといいな、と思います。




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【JR西日本】北陸新幹線・金沢〜敦賀間の特急料金認可申請を発表。大阪〜金沢間は9,410円(+1,620円)に

JR西日本では、2024年3月16日(土)に開業する北陸新幹線・金沢〜敦賀間の特急料金について、国土交通大臣に認可申請を行ったことを発表しました。

北陸新幹線の特急料金の認可申請について:JR西日本

概要は以下のとおりです。

【主な区間の特急料金(大人・普通車指定席・通常期】
東京〜福井:7,230円
東京〜小松:6,900円
富山〜福井:3,170円
金沢〜福井:2,400円

【主な区間の運賃・特急料金合計(大人・普通車指定席・通常期】
東京〜福井:15,810円
東京〜小松:14,600円
富山〜福井:5,480円
金沢〜福井:3,740円

【北陸新幹線(富山〜敦賀間)と在来線特急「サンダーバード」又は「しらさぎ」を敦賀駅で乗り継いで利用する場合の特急料金
○新幹線と在来線の特急料金を各々割引して合算した特急料金を適用
(例)
大阪〜金沢:
<現行>
指定席料金2,950円=自由席特急料金2,420円+座席指定料金相当額530円
<開業後>
指定席特急料金4,570円=割引の新幹線自由席特急料金2,370円+割引の在来線自由席特急料金1,670円+座席指定料金相当額530円


○主な区間の現行と開業後の比較(大人・普通車指定席・通常期)
・大阪〜金沢:
現行:7,790円→開業後:9,410円(+1,620円)
・大阪〜福井:
現行:6,140円→開業後:7,290円(+1,150円)
・大阪〜富山:
現行:9,590円→開業後:10,290円(+700円)


詳細は、上記発表資料をご覧下さい。



下記記事で御所会したように、既に運行計画の概要が発表された北陸新幹線の金沢〜敦賀間。


今回はこれに加えて、特急料金の発表がありました。
まず新幹線区間については、運賃込みでいくと、東京〜福井間が15,810円となります。
現行の米原経由で14,920円と、1,000円近く高くなりますが、現行の料金で適用されていた「乗継割引」が廃止となること、また福井〜敦賀間を新幹線利用することも加えると、米原経由よりも北陸新幹線経由の方が安くなる模様です。

また今回、「サンダーバード」「しらさぎ」を敦賀駅で乗り継いだ料金も提示されています。
主な区間の運賃・料金計は上述のとおりですが、大阪〜金沢間では1,620円のアップ、大阪〜福井間であっても1,150円のアップと、相応の値上げとなりそうです。

勿論、それに伴いスピードアップも図られるわけですが、大阪〜福井間でみますと、短縮時間は3分(最速列車の時間)となりますので、乗り継ぎによる料金アップを緩和する企画商品のニーズが出てくるかも知れません。


ともあれ、料金についても今回発表がありました。
残る大きな発表事項としては、詳細なダイヤや企画商品の発表があるかと思いますが、引き続き当ブログでもそのニュースをご紹介していきたいと思います。




【関連ブログ】
【北陸新幹線】福井〜東京が指定席で15,810円!運賃申請を実施 - 鉄道プレス



【関連ニュースサイト】
北陸新幹線延伸区間の特急料金が発表、東京〜敦賀間は計1万6360円、大阪〜金沢間は計9410円に - 鉄道コム
東京〜敦賀はいくらで行ける? 北陸新幹線 延伸区間の特急料金あきらかに JRが認可申請 | 乗りものニュース
北陸新幹線金沢〜敦賀間開業後、東京〜敦賀間の特急料金7,230円に | マイナビニュース
北陸新幹線、延伸区間の特急料金を認可申請。東京〜敦賀は1万6360円に - トラベル Watch



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【JR各社】新幹線と在来線の「乗継割引」を廃止(2024年春)制度が現存するJR西日本・JR東海・JR東日本・JR北海道の各社で終了

JR西日本、JR東海、JR東日本及びJR北海道では、新幹線と在来線とを乗り継いで利用する際に、在来線の特急料金等を割り引く「乗継割引」を終了することを発表しました。

新幹線と在来線特急列車との「乗継割引」の終了について:JR西日本
新幹線と在来線特急列車との「乗継割引」の廃止について|JR東海
新幹線と在来線特急列車の「乗継割引」の取扱い終了について|JR東日本
乗継割引制度の廃止について|JR北海道

概要は以下のとおりです。

【制度概要】
新幹線と在来線特急列車を乗り継いだ場合に、在来線の特急・急行料金、指定席料金が半額となる制度。

【現在の対象乗継駅】
・北海道新幹線:
新函館北斗

・東北新幹線:
新青森

・上越新幹線:
長岡、新潟

・北陸新幹線:
長野、直江津(※1)、津幡(※2)、金沢

・東海道新幹線・山陽新幹線:
新横浜〜相生間の各駅、大阪(※3)

(※1)上越妙高駅に直通して運転する在来線の特急・急行列車に乗車し、上越妙高駅で北陸新幹線と乗り継ぐ場合に限る
(※2)金沢駅に直通して運転する在来線特急列車に乗車し、金沢駅で新幹線と乗り継ぐ場合
(※3)新大阪駅で新幹線と乗り継ぐ場合

【終了時期】
2024年春
なお、JR西日本及びJR東海では2024年3月16日(土)利用分より見直し



詳細は、上記発表資料をご覧下さい。



国鉄時代から民営化後も引き継がれてきた割引制度である「乗継割引」。
下記「乗りものニュース」の記事によりますと、1965年に新幹線と在来線特急・急行を乗り継ぐ輸送形態ができるなかで、特急料金の割高感を解消するために設けられた制度とのことで、制度の変遷はあれど、60年近く続いてきた制度でありました。

基本的な枠組みとしては、新幹線と在来線の特急・急行列車を乗り継ぐ際、在来線側の料金を割り引くものでしたが、そこから派生して、本州と北海道や本州と四国などといったルートでも適用されることとなりました。

国鉄時代から長らく、ほとんど全ての新幹線の駅で乗り継ぐ場合に適用されていましたが、近年はその取扱いが徐々に縮小されてきました。
例えばJR東日本では、2002年12月の東北新幹線八戸開業を期に乗継割引の対象駅を縮小し、またJR九州では2011年3月の九州新幹線全線開業を期に乗継割引を廃止していました。

そして今年に入り、JR西日本が岡山〜新下関間での新幹線停車駅での乗継割引を今年4月1日乗車分より廃止となり、見直しの動きが続いてきました。


縮小が続くこの「乗継割引」が、今後どのような動きを見せるのか、北陸新幹線延伸開業を来春に控え気になっていたところでありましたが、いきなり「全廃」となるとは、個人的にも少々驚きがありました。
もう少しソフトランディングといいますか、段階的に縮小すると思っていただけに、ニュースでも大きく報じられていました。


この「乗継割引」ですが、上述のとおり「新幹線」と「在来線特急・急行」を乗り継ぐ場合、「在来線特急・急行」を割り引く制度なのですが、その条件を逆手に取り、長距離の在来線特急の特急料金を割り引く手段として、新幹線の隣駅間などで割安に設定されている「新幹線特定特急券」と併せて在来線特急料金に乗継割引を適用させる、という節約術も紹介されていたりしました。

ただ、こういった利用方法は割引制度の本旨にそぐわない利用方法でもありましたし、何よりこの「乗継割引」自体、在来線の特急料金が半額にされることから、乗継先の在来線特急・急行列車の収入がその分逸失することにもなり、本旨にそぐわない利用方法が起こりうることも併せて、制度の是正という点では長年の課題だったのかも知れません。


一方で、近年ではネット予約の普及に加え、チケットレス特急券の発達により、「乗継割引」に頼らなくとも、それなりの割引が得られる制度も用意されており、逆に「旅行前に乗り継ぐ列車を同時に購入する必要がある」乗継割引の制約が予定変更の柔軟性という意味では足枷になってきたかも知れません。

加えて、コロナ禍後の利用者の動向から、特にビジネス客がコロナ前には完全に戻らないことが徐々に見えてきたことも、割引制度を見直す一つのきっかけになっていたのかも知れません。


以上、その背景についてはあれこれ推察はしてみてみましたが、ともあれ、来春をもって、これまで親しまれてきた「乗継割引」が廃止となります。
特急券に記された「乗継」の文字も、あと半年ほどで見納めとなりそうです。



その「乗継」が記された特急券をご紹介したいと思います。
手元にあった一例として、長万部→(特急)→新函館北斗→(新幹線)新青森の特急券をご紹介します。
img188-2
▲長万部→新函館北斗の特急券・グリーン券。
在来線側には右下に四角で「乗継」と印字されます。

img189-2
新函館北斗→新青森の新幹線特急券・グリーン券。
こちらは着駅(新青森)の下に「乗継」の文字が印字されます。

DSC06162_R
DSC06142_R
▲それぞれ乗り継いだ列車。
来年3月以降は、これらの乗り換えでも「乗継割引」は消滅することとなります。




ところで、今回のJRグループ4社から発表された資料ですが、いずれも「乗継割引の廃止」という内容は同じでありながら、それに至る経緯の書き方が微妙に違っていました。
各社の経営状況やスタンスが見えてくるようで面白いと感じましたので、ここで併せてご紹介しておきます。

【JR西日本】
JR西日本では、コロナ禍後のお客さまのご利用状況の変化やデジタル化の進展等の社会変容を踏まえ、乗継割引を終了いたします。
(上記発表資料(https://www.westjr.co.jp/press/article/items/230922_00_press_noritsugi.pdf)より引用、下線太字は管理人による。)


【JR東海】
東海道新幹線のご乗車に際しては、約半数のお客さまに、新幹線の会員制ネット予約&チケットレス乗車サービス「EXサービス」をご利用いただくなど、ネット予約へのニーズが高まってきています。
こうしたお客さまのご利用状況の変化を踏まえ、東海道新幹線と在来線特急列車とを乗り継ぐケースにおいて、新幹線は「EXサービス」、そして在来線特急列車もネット予約してご乗車いただけるよう、来春、EX会員が新幹線以外の旅先でのコンテンツ等を予約いただける「EX旅先予約」にて、在来線特急列車のおトクな商品をご用意する予定です。
これに伴いまして、新幹線と在来線特急列車とを乗り継いだ場合に適用される「乗継割引」を来春、廃止します。
(上記発表資料(https://jr-central.co.jp/news/release/_pdf/000042960.pdf)より引用、下線太字は管理人による。)



【JR東日本】
JR東日本では、新幹線ネットワークの拡大や、インターネット販売等の拡充による販売環境の変化により、お客さまのご利用方法が変化しています。新幹線と在来線特急列車を乗り継いだ場合に在来線特急料金等が半額となる「乗継割引」についても、ご利用するお客さまが減少していることを踏まえ、このたび取扱いを終了します。
(上記発表資料(https://www.jreast.co.jp/press/2023/20230922_ho01.pdf)より引用、下線太字は管理人による。)


【JR北海道】
JR北海道では、お客様のご利用状況や弊社を取り巻く経営環境の変化を踏まえ、北海道新幹線と在来線特急列車との乗継割引を廃止いたします。
(上記発表資料()より引用、下線太字は管理人による。)




【関連ブログ】
【JR各社】新幹線⇔在来線特急の乗継割引廃止を発表。料金値上げへ - 鉄道プレス
JRグループ、乗継割引廃止: たべちゃんの旅行記「旅のメモ」



【関連ニュースサイト】
在来線特急料金が半額の「乗継割引」、2024年春で取り扱い終了へ - 鉄道コム
新幹線×在来線特急「乗継割引」廃止 約60年の歴史に幕 紙のきっぷ減で「役目終わった」 | 乗りものニュース
JR北海道・JR東日本・JR東海・JR西日本「乗継割引」2024年春に廃止 | マイナビニュース
JR北・東・東海・西、新幹線と在来線特急列車の「乗継割引」廃止へ 2024年3月 | レイルラボ ニュース
新幹線・在来線特急列車の「乗継割引」廃止へ JR4社が発表、2024年春 | 鉄道ニュース | 鉄道チャンネル
新幹線と在来線特急の「乗継割引」終了 JR各社 - Impress Watch
JR北海道、「乗継割引」の取り扱いを来春終了 - TRAICY(トライシー)
JR東日本、「乗継割引」を来春終了 - TRAICY(トライシー)
JR東海、「乗継割引」の取り扱い終了 - TRAICY(トライシー)
JR「乗継割引」廃止へ。国鉄時代の割引制度、また姿を消す | タビリス
在来線特急「乗継割引」廃止に悲鳴 「ステルス値上げ」「だからネット予約しなかった」一方で廃止やむなしの声も | 乗りものニュース



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【JR西日本】嵯峨野線の混雑緩和に向けた取り組みを発表。臨時列車運転や増結、特急列車の嵯峨嵐山駅停車などを実施(2023.10.21〜12.10)

JR西日本では、嵯峨野線で昼間時間帯を中心に多くの利用者で混雑していることから、臨時列車の運転や車両の増結、一部の特急列車の嵯峨嵐山駅停車などの混雑緩和に向けた対応を実施することを発表しました。

嵯峨野線 混雑緩和に向けた対応について:JR西日本

概要は以下のとおりです。

【臨時列車の運転】
・平日:18本
・土休日:20本

【両数を増やす列車】
・平日:60本
・土休日:57本
(4・6両編成の列車を、6・8両編成に変更)

【車内の混雑緩和及びスムーズな乗降への対応】
・補助シート利用時間帯の縮小
・座席が3列で通路部分が広い車両を一部列車で運転

【特急列車の一部を嵯峨嵐山に臨時停車】
○停車日:
10月21日〜12月10日の土休日

○嵯峨嵐山駅に停車する列車
<京都→嵯峨嵐山→園部方面(3本)>
きのさき3号・・・京都9:25発→嵯峨嵐山9:35着→園部9:53着
はしだて3号・まいづる3号・・・京都10:25発→嵯峨嵐山10:35着→園部10:53着
きのさき5号・・・京都11:25発→嵯峨嵐山11:35着→園部11:53着

<園部→嵯峨嵐山→京都方面(4本)>
きのさき16号・・・園部14:37発→嵯峨嵐山14:56着→京都15:06着
はしだて4号・まいづる10号・・・園部15:37発→嵯峨嵐山15:56着→京都15606着
きのさき18号・・・園部16:37発→嵯峨嵐山16:56着→京都17:06着
はしだて6号・まいづる12号・・・園部17:37発→嵯峨嵐山17:57着→京都18:07着

○特急列車利用のおトクなきっぷ・キャンペーン
・J-WESTチケットレス:
京都・二条〜嵯峨嵐山・亀岡間・・・600円(普通車指定席料金(通常期):1,290円)

・「嵯峨嵐山駅」特急臨時停車記念!WESTERオ院と還元キャンペーン:
エントリー・対象乗車期間:
2023年11月1日(水)〜12月10日(日)

対象区間:
京都・二条〜嵯峨嵐山・亀岡・園部

還元ポイント:
1乗車につき150ポイント



詳細は、上記発表資料をご覧下さい。



20230227_113605
▲梅小路京都西駅に停車する223系。
この秋の行楽・紅葉シーズンに大幅な増結や臨時列車の運転が実施されます。


JR西日本の嵯峨野線では、亀岡・園部方面から京都方面への沿線利用者に加え、二条、嵯峨嵐山といった多くの観光地の最寄り駅も多いことから、コロナ禍後の観光客の増加に伴い、恒常的な混雑が続いています。

既に相当な混雑が続いており、増発や増結が望まれていましたが、特に観光客が増加する秋のシーズンに、大幅な増結や増発が実施されることとなりました。

増結・増発はこれまでも実施されてきましたが、今回の秋シーズンはこれまでよりも更に多い臨時列車や増結を実施することとしています。

今回はそれに加えて、特急列車の嵯峨嵐山駅停車も実施することしています。
停車する列車は午前中の下り(京都→嵯峨嵐山)と夕方の上り(嵯峨嵐山→京都)で、乗車時間は10分程度ですが、混雑する時間帯に利用可能な本数を増やすことに加え、課金してでも混雑を避けたい利用者にも対応しようとしています。

京都〜嵯峨嵐山間を特急列車で利用すると600円(J-WESTチケットレス)ですが、11月・12月は還元キャンペーンで150本とが付与されることから、実質450円程度で乗車できることとなっています。


昨年以上の混雑が見込まれるこの秋の紅葉シーズンに、これらの混雑緩和策がどれだけ奏効するか、注目しておきたいと感じたニュースでありました。


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▲この写真は、今から2年前、2021年11月13日の清水寺の様子でした。
この頃は勿論、コロナは2類相当の時期でしたが、それでも既にこのような混雑ぶりでした。
これから2年経過した今、相当の混雑となるなか、今回の嵯峨野線での混雑緩和対策がどの程度効果が出るのか、注目したいと思います。





【関連ブログ】
【ようやく】激混みの嵯峨野線を増便へ、嵯峨嵐山に特急停車も - 鉄道プレス



【関連ニュースサイト】
嵯峨嵐山駅に特急とめます! パンク状態のJR嵯峨野線、大増便など混雑対策を継続 | 乗りものニュース
JR西日本、嵯峨野線で秋の行楽・紅葉シーズンに臨時列車の本数拡大 | マイナビニュース
嵯峨野線、10〜12月も混雑緩和対応を継続 秋の行楽・紅葉シーズンは嵯峨嵐山に特急列車が停まる | 鉄道ニュース | 鉄道チャンネル



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